貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6758 ソニーグループ

東証P
2,948.0円
前日比
-3.5
-0.12%
PTS
2,958円
23:58 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.1 2.30 0.68 2.94
時価総額 184,047億円
比較される銘柄
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著作権市場で大脚光、「音楽ビジネス」関連株が株高の旋律に乗る <株探トップ特集>


―「スウィフトノミクス」日本上陸、340億円超の経済効果で色めき立つマーケット―

 「世界のオザワ」と評された指揮者の小澤征爾氏が2月6日に88歳でこの世を去った。世界中で哀悼の意が表明され、これまでの音楽界への多大なる貢献を讃える声で溢れた。音楽には、我々の心と身体を癒やすだけでなく、国境を越え人々をつなぐ偉大な力がある。しかし、そんな偉大な音楽でさえも新型コロナウイルスの猛威によって、一時は急激にそのエネルギーを失わざるを得なかった。しかし、「2024年は“音楽”が再び輝きを取り戻す年」という見方がある。株式市場でも「音楽ビジネス」関連の銘柄群がスポットライトを浴びる日が近そうだ。

●“音楽”が盛り上がる2024年

 2024年は、“音楽”が再び盛り上がる可能性が高い。コロナ禍を経て世界的な経済活動正常化の流れに乗って、音楽界もようやく本気で動き出せる環境となった。もう少し具体的にイメージが湧くように補足すれば、世界的なアーティストが多数、日本において公演を行う予定にある。例えば、グラミー賞の超常連であるブルーノ・マーズが1月に計7回の東京ドームライブを実施、追加席も完売で全公演完全SOLD OUTとなった。同じく1月にはビリー・ジョエルも16年ぶりに来日し東京ドーム公演を行ったほか、エド・シーランも日本公演を開催した。

 そしてグラミー賞の中で最高位とされる「アルバム・オブ・ザ・イヤー」の4度目の受賞を果たし、スーパースターとしての地位を更に確固たるものとしたテイラー・スウィフト。「スウィフトノミクス」という表現が出回るほど、影響力(経済効果含む)が絶大である彼女も2月に4日連続で東京ドームライブを行った。一部調査によると、来日公演の経済効果は341億円にのぼるとみられているようだ。今年は他にも多くの国内外のアーティストが公演を行う予定にある。

●ロッド・スチュワートが楽曲カタログ売却

 さて、こうしたリアルイベントの開催という意味でも話題に事欠かない音楽業界だが、そのなか「音楽著作権市場」が活況を呈している。「マギー・メイ」などで知られているロッド・スチュワートが、楽曲カタログ(=楽曲の音楽出版権と原盤権及び一部の肖像権)を約1億ドルで売却したと最近報じられた。国内ではあまりこうした話題が頻繁に報じられないため、意外と知られていないかもしれないが、リターンが比較的予測しやすい楽曲カタログは、世界的には魅力的な投資対象として位置付けている向きも多い。

 音楽の楽しみ方自体も多様化して久しい。レコードやCDのように昔ながらの媒体を通じて楽しむ人もいれば、現代らしくApple MusicやSpotifyといった王道アプリを利用している人も多い。また、今や YouTubeだけで音楽を楽しむような層もいるようだ。加えて、TikTok経由で音楽が「バズる(=人気化する)」ことで、新しい曲の認知が広がるようなケースも普通になった。

●AIによる作曲も既に実現

 IFPI(国際レコード産業連盟)の「IFPI Global Music Report 2023」によれば、22年の世界の音楽市場規模は前年比9%増の262億ドルとなっている。有料サブスクリプションサービスの拡大がこうした成長を牽引している。そして、昨今はVOCALOIDやVOICEVOXといった音声合成技術が進化を遂げているだけでなく、人工知能(AI)による作曲なども既に実現している。各種プラットフォームが整っていることと相まって、音楽作品を世に出す難易度自体は格段に低下した。音楽コンテンツ数も爆発的に増加していくことは間違いなさそうだ。

 また、翻訳などもAI活用によってリアルタイム化していくことで世界の同質化が一段と加速するとの見方もある。そうなれば、音楽業界のヒット作の規模も従来から更に大きなものへと変貌していく可能性がある。そこで今回は、今後ますます拡大が期待される「音楽ビジネス」関連の銘柄に焦点を当ててみる。グループ企業などにおいて、楽曲の 著作権管理や権利運用などを提供する企業などがその対象となる。

●音楽ビジネス分野で積極展開図る銘柄群を追う

 株式市場でも今後は音楽分野に展開する銘柄群に投資家の関心が集まりそうだ。今後スポットが当たりそうな個別銘柄をみていく。

◆NexTone <7094> [東証G]~著作権者(作詞家や作曲家などの著作者、著作者から権利譲渡を受けた音楽出版社などの著作権者)からの委託を受け、音楽著作物の利用の許諾と使用料の徴収・分配を手掛ける。主力の「著作権管理事業」のほか、「DD事業(コンテンツマネージメントサービス)」「 音楽配信事業」「ビジネスサポート事業」を展開し、音楽産業における権利者と利用者の双方を幅広くサポートする。23年12月からは、グループのエッグスとエムシージェイピーの事業連携による「著作権管理申請サービス」の提供を開始した。

◆エイベックス <7860> [東証P]~グループのエイベックス・ミュージック・パブリッシングにおいて、作曲家・作詞家と著作権契約を結び、楽曲の著作権管理を行い、音楽出版社に代わって著作権管理の業務を行う管理代行業務も展開。また、国内外の契約作家による楽曲制作、アーティストやレコードメーカーへの楽曲提案などを行う。日本で外国曲を使いたい場合には海外の権利者へ直接問い合わせる必要があるが、同社は海外のオリジナルパブリッシャーから楽曲権利を預かり、日本においての窓口となって楽曲を代理で管理する。

◆USEN-NEXT HOLDINGS <9418> [東証P]~店舗サービス事業、通信事業、業務用システム事業、コンテンツ配信事業、エネルギー事業の5つのセグメントで事業展開。店舗サービス事業では、音楽配信、店舗向けDX/IoT、店舗向け不動産事業を提供しており、音楽配信をはじめとする店舗ソリューションの提供・販売・施工、音楽著作権の管理・開発などを手掛ける。今年1月にユニバーサル ミュージック(東京都渋谷区)と包括的配信契約を締結。映画、アニメ、ドラマ、スポーツに並ぶ5つ目の柱として、音楽ジャンルを強化へ。

◆ソニーグループ <6758> [東証P]~ソニーミュージック・グループは、マイケル・ジャクソンの音楽著作権とカタログ原盤権の半分を買収することに合意したと、米国で最も権威のある音楽チャート・Billboard(ビルボード)が2月に報じた。同報道によれば、アーティストの音楽資産取引では過去最大で、最低でも6億ドル(約900億円)規模の取引になるとみられている。なお、22年にはボブ・ディランの全カタログ楽曲と、今後制作する楽曲の原盤権を取得した。また、アニメーションを主とした映像・音楽作品の制作を手掛けるアニプレックスや、アニメーション制作のA-1 Pictures、CloverWorksを保有。

◆JVCケンウッド <6632> [東証P]~グループのエンターテインメント事業の中核を担うJVCケンウッド・ビクターエンタテインメントは、音楽ソフトの企画・制作・販売を中心に幅広く事業を展開。また、ビクターミュージックアーツにおいて、アーティスト・俳優・タレントなどのマネジメント業務、音楽作品の著作権の管理・利用開発・管理業務代行、コンサート制作、ライブハウス運営などを手掛ける。

◆アミューズ <4301> [東証P]~アーティストの発掘から楽曲選定、商品の企画を含めたディレクション、プロモーションを含むマーケティング活動などを手掛けている。また、作詞・作曲家の著作権や歌唱者の権利などを管理する。この適切な管理によって、サブスクリプションやYouTubeなど、さまざまな場面での音楽が提供される。

◆バンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]~グループのバンダイナムコミュージックライブでは、楽曲、ライブ、イベント、舞台、ファンコミュニティー、グッズ、権利運用などのプロデュースを行っている。

 これらの銘柄以外にも、フジ・メディア・ホールディングス <4676> [東証P]、日本テレビホールディングス <9404> [東証P]、テレビ朝日ホールディングス <9409> [東証P]、テレビ東京ホールディングス <9413> [東証P]など民放各社が、グループ会社において音楽著作権の管理、管理楽曲の利用開発などを行っている。なお、フジHDで著作権管理などを手掛けているフジパシフィックミュージックの24年3月期第3四半期業績は、著作権使用料収入や原版使用料収入などが好調に推移したことで増収増益となっている。

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