1stコーポ Research Memo(5):第三者機関による検査導入で信頼度が増大
■会社概要
4. 安全と品質維持のための取り組み
2005年の耐震強度構造計算書偽装事件に続き、2015年のマンションデータ偽造問題など、マンションに不信感を抱かせる事件が生じ、マンションに対する「安全・安心・堅実」が強く求められるようになった。これらの問題によって、消費者がマンション購入を躊躇し、一時的に業界全体で販売が落ち込んだが、ファーストコーポレーション<1430>は良質で均一な品質維持のための取り組みにより着実に受注を伸ばしてきた。
同社では、社内で独立した専門部署である安全品質管理室による安全巡回・品質管理と、第三者機関による検査のダブルチェック体制を整えるなど、安全と品質に対して徹底した姿勢で厳格な管理を実施している。安全品質管理室では、社長直轄の独立した部門として、社員教育や健康管理も含めて事業の安全を厳しく管理している。
委託契約した第三者機関は、杭や配筋の検査、生コン工場の品質管理体制の確認など、厳しい施工監査を行う。杭の施工では、講習を受けた社員が立ち会い、支持層への到達を確認し、一部の工法を除き支持層のサンプルを必ず全数採取・保管し、竣工時に事業主へ引き渡す。また、着工した後、安全品質管理室はすぐに建築部門と連携し、施工検討会への参画に始まり、各作業所を毎月1回以上巡回して技術支援を行い、安全及び品質管理が正しく行われていることを確認・記録している。業務基準となる「建築施工マニュアル」についても常に内容を検討・改善し、毎年改訂するなど、「安全・安心・堅実」への強い取り組みが、事業主からの高い信頼につながっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
《HH》
提供:フィスコ