MSOL Research Memo(10):IT領域における事業展開を積極化し、成長加速を目指す
■マネジメントソリューションズ<7033>の成長戦略
3. Digital事業の分社化
Digital事業については、従来ビジネスパートナーとの協業などにより事業を拡大してきたが、PMO支援サービスのブランド力が強すぎることもあって、IT分野での訴求力や認知度が広がりにくいという課題があった。こうした課題を解消すべく、2024年1月に事業分割により新設したMSOL Digitalで事業展開していくことにした。IT分野に特化した子会社として展開することで、迅速な経営の意思決定やIT分野に特化したコンサルタントの採用活動、並びにブランディングの強化やマーケティング活動が推進しやすくなるといったメリットが期待できる。また、M&Aも成長戦略の1つとして考えているようで、将来的にはIPOも視野に入れながら成長スピードを加速していく考えだ。なお、Digital事業の売上高(テトラ・コミュニケーションズ除く)は2021年10月期の3.8億円から2023年10月期は16.5億円と2年間で4.7倍に成長しており、引き合い件数も増加基調が続いていることから2024年12月期以降も高成長が続くものと予想される。
一方、テトラ・コミュニケーションズについては、売上規模が約8億円と2021年11月に子会社化して以降、伸び悩む状況が続いている。既存顧客である生命保険会社向けITシステム開発・保守・運用事業は底堅く推移しているものの、新たな事業展開や新規顧客の開拓が進んでおらず、子会社化によるシナジーも現段階では見い出せていない状況にある。2024年12月期からは新たに損害保険会社向けの営業活動を強化し、新規顧客を開拓していく方針で今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ