アイナボHD Research Memo(5):2024年9月期は前期比6.9%増収、同18.6%営業増益を予想
■アイナボホールディングス<7539>の今後の見通し
1. 収益見通し
2024年9月期は売上高で92,000百万円(前期比6.9%増)、営業利益で2,100百万円(同18.6%増)、経常利益で2,300百万円(同11.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,450百万円(同13.8%増)と予想している。
新規顧客の積み上げなどで主力の戸建住宅事業は増収増益を目指す。一方で、大型物件事業も足元の受注が堅調に推移していることから増収増益を計画している。ただし、住宅市場の先行きの不透明感もあり必ずしも堅めの予想とは言えないだろう。今後の各セグメントの動向は注視する必要がある。
また子会社別の業績目標は、主力のアベルコは売上高62,000百万円(前期比5.0%増)、営業利益2,002百万円(同10.1%増)、インテルグローの売上高は13,100百万円(同4.1%増)、営業利益は239百万円(同33.5%増)、温調技研の売上高は2,550百万円(同35.4%増)、営業利益は144百万円(同206.4%増)、今村の売上高は3,696百万円(同16.2%増)、営業利益は50百万円(同212.5%増)、アルティスの売上高は442百万円(同2.0%減)、営業損失57百万円(前期は57百万円の損失)、マニックスの売上高は9,350百万円(同2.0%増)、営業利益は113百万円(同24.2%増)、マリストの売上高は1,400百万円(同2.2%増)、営業利益は15百万円(同66.7%増)、(株)ミックの売上高は1,250百万円(前期比較なし)、営業利益は31百万円(同)を見込んでいる。主力のアベルコ及びインテルグローは引き続き堅調に推移する見込みで、前期不振であった温調技研も回復予想としている。そのほかの子会社も回復を見込むが水準は低く、連結への寄与はまだ小さい。
「重点課題」の目標値は、サイディングの売上高は5,300百万円(前期比40.2%増)、サイディングプレカットの件数は1,000件(同116件増)、非住宅の売上高は3,500百万円(同26.4%増)、サッシ(マンション+戸建)の売上高は5,500百万円(同57.1%増)、サッシ(戸建向けのみ)の売上高は4,500百万円(同87.0%増)としている。「マリスト」の売上高1,400百万円(同2.2%増)、「アルティス」の売上高は442百万円(同2.0%減)、新規顧客開拓2,700百万円(同35.4%増)、同件数760件(同64件増)となっている。
非住宅は、今後同社が注力していく分野であることから2021年9月期から重点課題に加えた。高い目標ではあるが、営業開拓も推進し、達成を目指すとしている。サッシも非住宅と同様に注力する分野であることから、高い目標値となっている。「マリスト」は現在の市場環境等を考慮して、微増を見込んでいる。「アルティス」の目標値は、「アルティス」事業を行う子会社アルティスの売上目標であり、ほぼ横ばい予想となっている。
新規顧客開拓にも引き続き注力していく。新規顧客件数については、2023年9月期は目標の710件には届かなかったが、696件と700件の大台に迫っており、今期も大幅上積みを目指す。なお、新規顧客件数の目標値には新たに連結に加わったミックの分も含まれている。
2. 新規グループ会社
同社は2023年9月期に1社(ミック)、2024年9月期に2社((株)リステージ、(株)アクセス)を新たに同社グループに加えた。
(1) ミック
2022年10月から非連結子会社としてグループ入りした。建築用石材の設計施工及び内装仕上げ工事を展開している。同社としては石材工事を強化するとともに、同社グループの強みの1つであるタイル工事と石材工事との相乗効果を生み出し、優れた技術を提供する工事会社として基盤の拡大を目指す。
(2) リステージ
2023年5月から非連結子会社としてグループ入りした。東京23区(城北エリア)に特化したマンション(区分)買取再販事業を行っている。同社グループとしての買取再販事業の強化を図る。
(3) アクセス
2023年2月から非連結子会社としてグループ入りした。主に神奈川県を中心に引っ越し事業及び建材配送をメインに行う運送会社で、今後は同社グループ各社の配送を行う。グループの物流体制の効率化を進め、持続可能な物流体制を構築することで、顧客満足度の向上に努める。なお、2023年12月から(株)アイナボ物流に社名変更する予定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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提供:フィスコ