FCE Research Memo(8):紹介や連携により導入数増加と平均単価上昇を狙う
■FCE Holdings<9564>の中期経営計画
3. 事業別戦略
(1) DX推進事業
「Robo-Pat DX」では順調なWeb広告を継続するとともに、紹介パートナー制度の拡大や業種内のクライアント紹介など横展開を図る。具体的には、高確率でトライアルや成約に結びつきやすい税理士事務所からの地場有力企業の紹介や、サイボウズ<4776>の業務改善プラットフォーム「kintone」との連携、東北地方の中小企業とつながりがあるあおもり創生パートナーズ(株)((株)青森銀行100%出資会社)との業務提携のような地方銀行との連携などにより、導入社数を伸ばす方針である。なかでも税理士業界との連携は、地場有力企業の紹介のみならず、電子申告や申告書の作成など税理士業務のセット販売や税理士法人によるセミナーや研修会を通じて、リードを取り込むことができる。加えて、同社が得意とする現場へのサポート対応や、「ロボパットマスター認定プログラム」受講者数増加をテコに、顧客企業内の部門を超えた横展開によるアップセルを図るとともに、ホールディングス制度の解消をテコにクロスセルを進め、顧客ごとの平均単価を向上させる計画である。
(2) 教育研修事業
「Smart Boarding」では、顧客へのサポートサービスが可能なOEMパートナーを通じて客数の増加を図っているが、2023年1月に11社でスタートしたOEMパートナーは2023年9月に45社に達し、既に強力な戦力となってきた。加えて、研修につなげる営業や「Robo-Pat DX」とのクロスセル、他社のHR関連システムとの連携などにより平均単価の上昇を進める。また、タレントマネジメとシステム「カオナビ」との連携によって、「Smart Boarding」のユーザー情報や受講履歴を一元管理することで効率的かつ効果的な人財管理と育成が可能になるなど、商品力の向上も鋭意進めている。一方、「フォーサイトアプリ」に関しては、現在1年間の無料トライアル中だが、2025年9月期には有料で1,000校の導入を計画している。このため、教育委員会と連携して地域内の学校を攻略できるよう商品力を強化するとともに、POPERの「Comiru」と連携してフォーサイト手帳が導入されていない学習塾への導入も積極化していく考えである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《AS》
提供:フィスコ