アールエスシー Research Memo(6):ソリューション提案や新技術の導入により成長基盤づくりに取り組む
■アール・エス・シー<4664>の今後の成長戦略
1. 中期経営計画の方向性
5ヶ年の中期経営計画がスタートとしてから2年半が経過した。想定よりも大型のM&A(友和商工)が実現したことや、DX化の流れ・業界再編など環境の変化をチャンスと捉え、将来を見据えた成長投資をさらに積極化する方針としたことから、2023年5月に中期経営計画(数値目標)の見直しを公表した。ただ、基本的な戦略の方向性に変更はない。すなわち、1) 収益力の向上(ソリューション提案、エリア管理体制の構築)、2) 技術力の強化(サービス品質の維持/向上、新技術の導入)、3) 職場環境の改善(従業員エンゲージメントの向上、女性の活躍推進)、4) 経営基盤の強化(持続的な成長の実現、環境への配慮)を基本戦略として、持続的な利益成長の基盤づくりに取り組む方針である。特に、競争力や収益性の向上に向けては、「サンシャインシティモデル」を軸とするワンストップソリューションの提供、池袋エリア及び丸ノ内・有楽町エリアを中心とするエリア管理体制の拡充、他社との連携による警備業務DXの推進などに注力していく。
2. これまでの進捗と今後の取り組み
中期経営計画が2021年4月にスタートしてから、1) 丸ノ内エリアにおけるエリア管理体制の構築(2021年7月)、2) 巡回清掃管理における埼玉エリアの拡大(2022年3月)、3) セコムとの業務提携によるセキュリティロボット「cocobo(ココボ)」の導入(2022年6月)、4) 内装工事等を手掛ける友和商工の子会社化(2023年2月)、5) 有楽町地区における東宝日比谷プロムナードビルの警備業務開始(2023年2月)など、成長基盤づくりに向けて着々と実績を積み上げてきた。
2024年3月期に入ってからも、1) 埼玉エリアでの巡回清掃業務の拡大や2) AI警備システムの開発・販売を行うアジラとの業務提携契約の締結などで成果をあげるとともに、今後は、3) 「サイシャインシティ」における行動認識AIの実証実験開始、4) 巡回清掃エリアのさらなる拡大(東京・埼玉・大阪・名古屋)、5) プロフェッショナル化推進のための技術職の待遇見直し、6) 政策保有株の見直しなどにも取り組む考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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提供:フィスコ