売り一巡後はハイテク株などを中心に買い直される【クロージング】
30日の日経平均は4日ぶりに反発。165.67円高の33486.89円(出来高概算23億6000万株)で取引を終えた。外為市場で一時1ドル=146円台後半まで進んだ円高を背景に売りが先行して始まった。その後前引けにかけて33161.07円まで売られたものの、ハイテク株が買われるなか、後場に入り買い戻しの動きが強まった。月末のドレッシング買いが意識されるなか、日経平均は本日の高値で引けている。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1000を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、海運、証券商品先物、医薬品、電気機器など26業種が上昇。一方、パルプ紙、サービス、水産農林、小売など7業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、中外薬<4519>、TDK<6762>、ファーストリテ<9983>が堅調だった半面、リクルートHD<6098>、資生堂<4911>、ソフトバンクG<9984>、オリンパス<7733>が軟化した。
前日の米国市場は、高安まちまちだったものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーからハト派的な発言が相次いだため、米長期金利は低下。日米金利差を意識した動きから円高が進んだことが上値の重さにつながった。また、日経平均はバブル崩壊後の戻り高値圏で推移しているため、利益確定売りも出やすく、下げ幅は一時160円を超える場面もあった。しかし、ハイテク株の上昇が目立つなか、短期筋による先物買いも入るなど、年末に向けた先高期待が強いことが相場を支えていた。
米国では、10月の米個人消費支出(PCE)が発表される。9月実績から大きく鈍化することが見込まれているが、関係者が想定する米国景気のソフトランディング(軟着陸)となっていると受け止められるのか、見極めたいと考える投資家が多い。また、12月1日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言機会が予定されている。最近のFOMCメンバーの発言により早期利下げ開始への思惑が広がるなか、パウエル氏の発言がこうした楽観ムードにくぎを刺すものになるのかにも投資家の関心が集まっている。
《CS》
提供:フィスコ