MRO Research Memo(2):商品価格値上げや景気の影響により売上計画には未達も、前年同期比で2ケタ増収増益
■業績動向
MonotaRO<3064>の2023年12月期第3四半期単体業績は、売上高は前年同期比12.5%増の179,373百万円、営業利益は同19.7%増の23,904百万円、四半期純利益は同25.0%増の16,773百万円となり高い増益率となった。期初計画比では売上高で計画未達(計画比3.5%未達)となったものの、営業利益及び四半期純利益では計画を上回った。
主力の事業者向けネット通販事業及び購買管理システム事業(大企業連携)は、計画から若干下振れて推移した。この要因としては、注文顧客当たり売上減が挙げられ、期初計画時点からの商品価格の値上げや景気の影響が考えられる。顧客数は前期末比838千口座増と堅調に増加した。購買管理システム事業(大企業連携)単独では連携社数が前期末比で865社増加し、売上高は前年同期比34.9%増と高い成長となったが、計画にはわずかに届かなかった。
営業利益は、価格変更や1箱当たり注文単価増による配送料率減等の影響による売上総利益の増加を主因に、前年同期比で19.7%増と順調に増加した。営業利益計画を上回ったのは、売上総利益率が計画を上回ったことと、販管費額が計画比で抑えられたことが要因である。販管費額は計画比で4.2%減、販管費率で計画比0.1ポイント減の17.0%であり、その他費率減(営繕費等)や業務委託費率減(出荷箱数減による倉庫派遣費減等)が主な要因である。結果として、営業利益率は前年同期比0.8ポイント増加、計画比でも0.6ポイント上回る13.3%と、順調な進捗となった。財務の安全性についても、自己資本比率68.9%(2023年9月末)、流動比率202.3%(2023年9月末)と極めて健全である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
《SI》
提供:フィスコ