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3064 MonotaRO

東証P
2,618.0円
前日比
-20.0
-0.76%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
51.8 13.53 0.73 1.81
時価総額 13,125億円
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MRO Research Memo(1):2023年12月期第3四半期は、前年同期比で2ケタ増収増益


■要約

MonotaRO<3064>は、兵庫県尼崎市に本社を置く、間接資材のインターネット通販会社である。間接資材は、製造工程で使用される研磨剤やドリル、軍手など品目が多種にわたり、業種により個別性が高い。間接資材市場は5~10兆円規模であり、訪問工具商・金物屋・自動車部品商などが主な販売チャネルとなっており、インターネット通販チャネルの成長性は高い。同業他社には、アスクル<2678>、ミスミグループ本社<9962>、アマゾンジャパン(同)などがある。

同社のビジネスモデルの特徴は、同一の価格で間接資材を販売するという点である。不透明な価格での購入を強いられがちであった中小企業を中心に支持を受け、ニッチ市場における専門通販業者として確固たる地位を確立した。顧客業種は多岐にわたり、製造業、建設業、工事業、自動車関連で6割を超える。近年は大企業との連携による購買管理システム事業も急成長している。2023年9月末現在で8,845千口座の顧客に対して2,000万点を超えるアイテムを取り扱い、53.7万点を自社センターに在庫する。ロングテールの圧倒的な品揃え、コストパフォーマンスに優れるPB商品(約33万点)、サイトでの商品推薦や短いリードタイムなどにより、同社の間接資材プラットフォームは差別化されている。2ケタ以上の高い成長性の継続に加え、ROE28.4%(2022年12月期)、自己資本比率68.9%(2023年9月末)と、収益性・安全性ともに際立つ業績である。

1. 2023年12月期第3四半期の単体業績
2023年12月期第3四半期単体業績は、売上高は前年同期比12.5%増の179,373百万円、営業利益は同19.7%増の23,904百万円、四半期純利益は同25.0%増の16,773百万円となり高い増益率となった。期初計画比では売上高で計画未達(計画比3.5%未達)となったものの、営業利益及び四半期純利益では計画を上回った。主力の事業者向けネット通販事業及び購買管理システム事業(大企業連携)は、計画から若干下振れて推移した。この要因としては、注文顧客当たり売上減が挙げられ、期初計画時点からの商品価格の値上げや景気の影響が考えられる。顧客数は前期末比838千口座増と堅調に増加した。営業利益において計画を上回ったのは売上総利益率が計画を上回ったことと、販管費額が計画比で抑えられたことが主因である。営業利益率は前年同期比0.8ポイント増加、計画比でも0.6ポイント上回る13.3%と、順調な進捗となった。

2. 2023年12月期の連結業績見通し
2023年12月期通期の連結業績見通しは、売上高は前期比17.4%増の265,195百万円、営業利益は同22.2%増の32,030百万円、経常利益は同21.2%増の31,986百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同22.1%増の22,789百万円と、売上高及び各利益の2ケタ成長を予想し、期初計画を据え置いた。売上高の期初計画については、2022年12月期(前期比19.1%増)から1.7ポイント下がるものの、17.4%増と依然として高い成長を見込む。ネット通販事業の新規登録口座数に関しては、118万口座(前期は122万口座)と前期並みの獲得を見込む。販売サイト検索機能向上に引き続き取り組むのに加え、パーソナライズしたチラシが、低頻度利用客(休眠客含む)の掘り起こしや注文頻度増、注文商品種類数増に効果が見込めるため、期中に対策を強化している。2023年12月期第3四半期を終えて、製造業の景況感悪化や販売価格上昇による注文顧客当たりの売上の減少が見られており、計画未達の要因となっている。購買管理システム事業(大企業連携)に関しては、2023年12月期の売上高計画69,250百万円(前期比38.4%増)と引き続き高成長を見込む。ロイヤリティ事業は、欧米Zoro事業が2023年12月期の期初には増収増益の見込みであったが、米国におけるマクロ環境の影響により、上期は想定よりも伸び悩んでいる。これらにより通期の連結売上高計画に対する進捗率は70.6%(前年同期は73.5%)と前期を下回った。

営業利益率は12.1%(前期比0.5ポイント増)、営業利益額で前期比22.2%増の期初予想である。通期の営業利益計画に対する第3四半期の進捗率は71.6%(前年同期は73.7%)、親会社に帰属する当期純利益計画に対する進捗率は71.0%(前年同期は70.3%)である。弊社では、売上高に関しては、価格上昇の影響や景気動向などのマクロ環境の影響が第4四半期も継続すると見ており、通期の売上高の着地は計画比で若干弱含み、各利益に関しては、価格改定効果や配送料率低下、販管費額の計画比減などを想定し通期計画に肉薄すると予想している。

■Key Points
・2023年12月期第3四半期は、前年同期比で2ケタ増収増益。商品価格の値上げや景気の影響により売上計画にはわずかに未達
・2023年12月期は営業利益で前期比22%増の320億円を予想。第3四半期時点の営業利益進捗率(71.6%)は前期比やや遅れて推移
・注文顧客数は対策の成果により改善傾向、注文顧客当たり売上の計画比減が進行。マクロ環境が停滞するなか、他社を凌ぐ成長性は顕在
・10年以上にわたり増配を続ける。2023年12月期は前期比2.5円増の16.0円を予想

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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