貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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5406 神戸製鋼所

東証P
1,626.5円
前日比
+7.0
+0.43%
PTS
1,623円
22:28 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
5.3 0.58 5.53 13.45
時価総額 6,447億円
比較される銘柄
日本製鉄, 
JFE, 
大同特鋼

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【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─挽回生産・円安など背景に好業績期待株への関心高まる


「挽回生産・円安など背景に好業績期待株への関心高まる」

●米国株は経済指標に一喜一憂の展開が続くか
 
 10月の東京株式市場は基本的には堅調な展開が予想される。10月下旬からの2023年3月期第2四半期決算の発表本格化を睨み、好業績期待の銘柄に注目が集まりそうだ。一方、米国での金融引き締め長期化懸念、政府機関の閉鎖観測などを要因とする米長期金利の上昇といった外部環境の悪化が、上値の圧迫要因だ。

 日経平均株価の予想レンジは3万1000円~3万3000円。テクニカル的には8月18日の3万1275円(ザラバベース)が下値のメド。

 米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会)で2024年の利上げピッチが予想より鈍るとの見方が明らかになり、株価は金利の上昇を警戒する動きとなっている。10年債利回りは2007年以来16年ぶりの高水準だ。原油価格の上昇もあり、インフレ傾向を示している。一方、米政府機関が閉鎖ともなれば格付け機関による米国債格下げの可能性も高い。これも金利上昇要因となっている。米国株は10月も経済指標に一喜一憂する公算が大きい。

 米国のスケジュールでは、10月2日発表予定のISM製造業景気指数、6日の雇用統計、11日の卸売物価指数(PPI)、12日の消費者物価指数(CPI)、17日の小売売上高などへの関心が高い。なお、ECB定例理事会は26日、日銀の金融政策決定会合の結果発表は31日、FOMCの結果発表は11月1日となる。月末にかけて米国で利上げ観測が浮上すれば、神経質になる場面もありそうだ。

 日本ではイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の解除を巡る議論を警戒する向きもあるが、デフレからの脱却による経済正常化の動きであり、前向きに捉えられる材料といえる。国内のファンダメンタルズの良好さが株価を支えることになろう。

●注目したい新規上場のKOKUSAIの動向

 注目は、10月下旬に一つ目のヤマを迎える2024年3月期の第2四半期決算の発表だ。自動車の挽回生産や為替の円安 訪日外客数の増加による消費拡大などで堅調な展開が想定される。第1四半期時点で進捗率が高かった企業もあり、上方修正に進む企業の増加が期待される。

 進捗率の高さや円安などを考慮すれば、トヨタ自動車 <7203> [東証P]、SUBARU <7270> [東証P]、ホンダ <7267> [東証P]などの自動車株、デンソー <6902> [東証P]、アイシン <7259> [東証P]、豊田自動織機 <6201> [東証P]といった自動車部品株も有望だ。いずれも半導体不足の解消による挽回生産が本格化している点も、業績の後押し要因だ。

 また、第1四半期が好調で、中国向け売上高比率が相対的に低いコマツ <6301> [東証P]、日立建機 <6305> [東証P]の建機株に妙味がある。このほか、日本製鉄 <5401> [東証P]、JFEホールディングス <5411> [東証P]、神戸製鋼所 <5406> [東証P]、大和工業 <5444> [東証P]など鉄鋼株にも期待できそうだ。

 個別には、原油価格の上昇基調が継続する中、INPEX <1605> [東証P]、石油資源開発 <1662> [東証P]を軸に、日揮ホールディングス <1963> [東証P]、東洋エンジニアリング <6330> [東証P]、千代田化工建設 <6366> [東証S]などのプラント株にも人気が波及しそうだ。

米国の金利上昇が一服すればハイテク株の見直し機運も高まる公算がある。東京エレクトロン <8035> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]など生成AIにも絡む主力ハイテク株の押し目は、将来を睨めば魅力的に映る。

 10月25日にプライム市場に新規上場するKOKUSAI ELECTRIC <6525> [東証P]の動向をチェックしておきたい。同社は半導体ウエハ上に回路素材となるナノレベルの薄膜を成型する成膜プロセス装置に強みがある。やはり半導体関連株が調整していた昨年10月にプライム市場にIPO(株式新規公開)したソシオネクスト <6526> [東証P]は、10月安値3690円から23年6月には2万8330円まで買われる大相場に発展した。不人気地合いでのIPOという点では状況が似ている。中長期的なスパンで基調が強くなるか注目したい。

 中国では9月29日から10月6日まで国慶節の休暇となる。福島の原発処理水を巡る中国政府の対応で、同国からの訪日外客数は少ないとの見方もあるが、個人を中心ににぎわう可能性もありそうだ。株式分割実施で購入しやすくなったJR東海 <9022> [東証P]のほか、西武ホールディングス <9024> [東証P]、富士急行 <9010> [東証P]の鉄道、高島屋 <8233> [東証P]や三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]の百貨店などは中期的に有望といえる。

 このほか、土産物の寿スピリッツ <2222> [東証P]、ホテルなどの共立メンテナンス <9616> [東証P]、ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> [東証P]、ドラッグストアのマツキヨココカラ&カンパニー <3088> [東証P]などの株価の基調が強い。

(9月29日 記/次回は10月29日配信予定)

■和島英樹(Hideki Wajima)

株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

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