アールエスシー Research Memo(7):AI警備システムに係る業務提携でも注目すべき成果
■アール・エス・シー<4664>の主な活動実績
1. 友和商工の子会社化とPMIの進捗
2023年2月28日に全株式取得によりグループインした友和商工(内装工事業)については、2023年4月1日から連結化されると、第1四半期の業績の伸びに大きく寄与しており、順調なスタートを切ったと言える。友和商工は創業50年以上の実績を持ち、オフィス内のレイアウト変更から大規模ビルのフロア工事まで請け負っており、そのノウハウから長年の間、高い品質と顧客との信頼関係を築いてきた。本件により、テナント入居工事からオフィスレイアウトの変更、テナント退去における原状回復工事に至るまでワンストップで対応できるようになり、設備工事部門の強化につながることはもちろん、顧客基盤の共有によるクロスセルの推進、優秀な技術者の確保や人材交流を通じた技術力の向上など、シナジー創出を図るところにも狙いがある。本格的なシナジーの実現にはある程度時間を要するものと見られるが、PMI(買収後の統合プロセス)は着実に進んでおり、人材や顧客の離反もなく、しっかりと融合が図られてきたようだ。
2. AI警備システムに係る業務提携の締結
2023年8月には、AI警備システム「AI Security asilla」を開発・販売するアジラとの業務提携を締結した。同社が成長戦略に掲げる「新技術の導入」(警備DX化の実現)に向けた動きとして捉えることができる。アジラは、行動認識AIを軸とした技術の力で、安全で快適な世界を目指すスタートアップ企業であり、ニコン<7731>やセコム、キヤノンマーケティングジャパン(株)との資本業務提携に加え、三菱地所<8802>や東京建物<8804>など数多くの企業との取引実績があり、この分野で大きな注目を集めている。今後、同社の運営管理する施設等へAI警備システムの導入を進めることで、データやノウハウを蓄積し、次世代のセキュリティシステムの構築を共同で実現していく考えのようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
《AS》
提供:フィスコ