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4170 カイゼン

東証G
178円
前日比
+2
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
0.97 15.48
時価総額 30.2億円

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KaizenPF Research Memo(5):2023年12月期第2四半期累計はEBITDA減益・営業損失


■業績動向

1. 2023年12月期第2四半期累計連結業績の概要
Kaizen Platform<4170>の2023年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比49.4%増の2,103百万円、EBITDA(=営業利益+減価償却費+のれん償却額+株式報酬費用)が同74.3%減の43百万円、営業利益が85百万円の損失(前年同期は43百万円の利益)、経常利益が86百万円の損失(同27百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益が104百万円の損失(同0百万円の損失)だった。

売上面は既存事業の成長にハイウェルの新規連結も寄与して大幅増収だが、動画ソリューションにおけるクライアントポートフォリオ戦略転換の影響、ハイウェルの新規連結に伴う人件費の増加などにより、EBITDA 減益・営業損失だった。売上総利益は前年同期比7.0%増となったが、売上総利益率は28.8%で同11.4ポイント低下した。既存事業に比べて利益率の低いハイウェルのSES事業が加わったため、全体の売上総利益率が低下した。販管費は同32.1%増となったが、販管費比率は32.8%で同4.3ポイント低下した。なお四半期別の売上高と営業利益の推移を見ると、ハイウェルの新規連結(2023年第1四半期より)によってトランスフォーメーションの売上高が急拡大している。

2. 取引アカウント数とARPUの動向
セグメント別に見ると、グロースは売上高が10.2%減の1,151百万円で営業利益が102百万円の損失(前年同期は14百万円の損失)、トランスフォーメーションは売上高が659.3%増の952百万円で営業利益が69.4%減の17百万円だった。グロースは、これまでのWebサイト改善や動画制作にとどまらず、ディーゼロによるWebサイト制作も入り口としてトータル提案に注力した。大手顧客を中心に受注を獲得したが、動画制作を中心とした集客領域においてARPU向上に向けたクライアントポートフォリオの見直しなど戦略転換に時間を要し、全体として減収となり、営業損失が拡大した。トランスフォーメーションは、ハイウェルの新規連結により大幅増収だが、売上総利益率低下や販管費増加により減益だった。

第2四半期累計のセグメント別の取引アカウント数はグロースが前年同期比13%減の325社、トランスフォーメーションが同1,200%増の240社だった。ARPUはグロースが同2%減の3,270千円、トランスフォーメーションが同37%減の3,969千円だった。グロースは集客改善におけるクライアントポートフォリオの見直しなど戦略転換の影響、トランスフォーメーションはハイウェルの新規連結により、いずれもARPUが減少する形となったが、下期からの反転を想定している。

なお取引アカウント数とARPUの推移を四半期別に見ると、全社ベース(米国除く)の取引アカウント数は第1四半期が前年同期比61%増の471社、第2四半期が同49%増の441社となった。集客改善は小口の取引アカウントを絞り込んでいるためアカウント数が減少しているが、ハイウェルの新規連結が寄与して全体としては大幅に増加した。ARPUは第1四半期が同12%減の2,176千円、第2四半期が同4%増の2,246千円となった。第2四半期は前年同期比、前四半期比とも上昇した。単体ベース(ディーゼロ及びハイウェルを含まない)で見ると、グロースの取引アカウント数は第1四半期が同21%減の134社、第2四半期が同27%減の108社、ARPUは第1四半期が同6%増の3,351千円、第2四半期が同30%増の3,526千円となった。ARPU向上に向けたクライアントポートフォリオ転換に想定以上の時間を要していたが、徐々に成果が表れ始めていると弊社では評価している。

3. 財務の状況
財務面で見ると、2023年12月期第2四半期末の資産合計は前期末比211百万円減少して5,025百万円となった。主に現金及び預金が83百万円減少、受取手形及び売掛金が40百万円減少、のれんが35百万円減少した。負債合計は同54百万円減少して1,901百万円となった。主に買掛金が36百万円減少、有利子負債(長短借入金)が18百万円減少した。純資産合計は同157百万円減少して3,123百万円となった。主に利益剰余金が104百万円減少した。この結果、自己資本比率は同0.7ポイント上昇して61.5%となった。自己資本比率は高水準であり、キャッシュ・フローの状況にも懸念材料は見当たらない。弊社では財務の健全性は維持されていると評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《YI》

 提供:フィスコ

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