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3921 ネオジャパン

東証P
1,846円
前日比
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単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.5 4.54 1.52 4.71
時価総額 260億円
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決算発表予定日

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【IR】株式会社ネオジャパン 齋藤 晶議社長に聞く

【タイトル】
近年、急速に社会普及するDX(デジタルトランスフォーメーション)化に不可欠なビジネスICTツール。この領域におけるリーディングカンパニーであるネオジャパン<3921>は、グループウェアやビジネスチャット、ノーコードアプリなどの開発、販売事業を柱に11期連続の増収を達成し、上場来増配を継続している。成長著しい同社の秘訣は何なのか? 齋藤晶議社長に、今後の事業戦略やビジョンについて話を聞いた。


優位性(KFS:Key Factor for Success = 重要成功要因)について


Q: 貴社の有望製品の強みを教えてください。また、貴社の競争優位性は何でしょうか?


①「desknet's NEO」

主力製品。組織のDX戦略を支えるオールインワンの業務改善プラットフォームとして高い評価を得ている。
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②「AppSuite」

ノーコード業務アプリ作成ツール
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③「ChatLuck」

ChatGPTとの連携を提供予定のセキュリティ特化型ビジネスチャット
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まずは「技術力」の高さでしょうか。私どもの製品は企業規模を問わず、使っていただける点が強みで、中小はもちろん1 万人を超える大企業にも多く導入いただいております。大企業はMicrosoft365やGoogleのG Suiteを使われることが多いのですが、日本企業は稟議申請や回覧など様々なシーンで商習慣、すなわち業務の進め方や組織上のヒエラルキーなどが海外と異なり、痒い所に手が届かないという課題があります。これに対して、当社の「desknet's NEO」は日本企業の商習慣に合わせて設計されており、27のアプリケーションにより、組織の業務推進に必要なことの多くはこれ一つで済むようになっています。
また「desknet's NEO」のオプションにあたる「AppSuite」は、業種業態や組織ごとに異なるシステムニーズに対応するために誰でもノーコードで簡単に業務アプリを作ることをかなえました。

さらに、実はMicrosoft365などの製品は競合ではなく、共存関係にあり、「desknet's NEO」は他社製品と連携して使うことも可能なのです。

次に「価格」が安いことも当社の強みですね。当社は、同業他社と比べて半額以下、場合によっては10分の1以下の価格で製品を提供しています。当社の製品は高い「技術力」を持つ少数精鋭のエンジニアによる開発体制をベースにして、CPUやメモリの使用量、電力消費を低く抑えることができる設計となっており、これによりデータセンターなどのハードウェアに掛かるコストを抑えることで低価格を実現しています。
またdesknet's NEOは顧客の様々なニーズへの対応や新機能の追加に関しては必ず1年に一度はフルバージョンアップを行います。私どもの製品は、とにかく使い勝手が良いのです。何でもどんな事にも対応ができるという幕の内弁当的なシステム設計であることが喜ばれています。これが私どもの強みです。

Q: これから期待される製品は何でしょうか?


「AppSuite」ですね。ノーコード製品でグループウェアとの連携ができるのは我々の製品だけなんです。他社製品ではグループウェアと連携させて稟議や回覧をおこなうにはAPI(アプリケーションインターフェース)連携が必要となります。AppSuiteなら、初めからグループウェアに組み込んであるので、集計→稟議→決裁→回覧などの一連の業務がシームレスに可能となります。このようにIT知識がなくても簡単に使用できる「使い勝手の良さ」が選ばれているポイントだと考えています。

Q: 販売戦略は今後も代理店販売をメインとしていくのか? また、なぜ地方自治体をはじめとした官公庁での採用件数が多いのでしょうか?


もちろん直販も行っておりますが、私自身エンジニアであり、私どもは技術者集団と自負しているため、販売は引き続き代理店の力をお借りしたいと考えております。今まで、代理店に販売していただく際に、製品の知名度が低いことがネックとなっていたため今期より広告宣伝に力を入れ始めており、その一環としてタレントの江頭2:50氏を起用したテレビCMの放映を開始しました。特に大企業や自治体などへの販売は代理店経由が多くの割合を占めております。一方、中小企業からは、お問い合わせをいただき直接販売させていただくこともある一方、顧客の要望に応じて代理店を経由して販売することもあります。

同社製品は、自治体・政府機関に1100以上、18の都道府県庁で採用されている。

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総務省への導入時には、ここまでやるのかというほど、様々なテストをやりました。例えば、アクセスの集中に耐えられるかを試すために一気に500~600人が一斉にアクセスするとか、セキュリティー対応でデータを壊してみるとか、様々な課題のテストをやりました。大手電機メーカーのグループウエアもコンペに参加していましたが、最終的に当社の製品が選ばれました。採用されてからも、5年に一度、再評価を受けるのですが、大変ありがたいことに20年ほど継続して当社製品を選んでいただいております。そうした性能評価のもと総務省に導入いただいたことが噂となり、全国の自治体で積極的に導入されているのではないかなぁと思います。

Q: 社長自身も現役エンジニアと伺っていますが、貴社の優位性である「高度な技術力」は、何によって培われたのでしょうか?


私どもは創業時に、電力インフラ会社や大手自動車メーカーなどのシステム開発に携わりました。その際に、製造業のモノづくりの考え方の厳格さを目の当たりにしました。システムに生じるバグひとつで「電力が止まる」ため、高度なテストを課せられ、私どもの「技術力」に対するマインドが鍛えられました。そのマインドを現在でも引き継いでおり、開発時には、例えばCPUにはできる限り負荷をかけないなど、目に見えない点こそ性能向上を心掛けて、徹底的かつ厳格な姿勢で開発に取り組んでおります。
また、当社は技術者の育成に力を入れており、毎年十数人の学生を新卒採用してエンジニアとして育成しております。面白いことに、必ずしも情報工学やシステムを学んだ理系学生が優秀なエンジニアになるとは限らず、文系出身でも一つのことにとことん懸命にまい進するタイプだと優秀なエンジニアに成長します。

Q: 貴社の「財務体質」についてもお聞かせ願います。バランスシートから見て取れる特徴として、自己資本比率が70%超と高い比率となっていますが、M&Aなど成長投資のために資金を使うなどのお考えはないのでしょうか?


米国にDELCUIという子会社がありますが、実はそこで面白い技術を持っている会社を探しています。米国市場は、日本に比べてスタートアップ企業をはじめシステムの先端技術が数多く集まっており、この分野における基礎技術は一日の長があります。ただし、AI技術もそうですが、米国発祥であっても、その使い方を考えるなどの応用技術においては、日本も負けていないと考えております。「良いものを創る技術」獲得のためであれば、前向きに投資を考えたいと思います。もちろん、M&Aや広告宣伝、研究開発などの成長投資も常に検討しています。確かに、当社の自己資本比率については認識していますが、成長戦略を展開する上での必要資金の確保や資本効率などの観点から、慎重に対応していきたいと考えています。


中長期の経営戦略について


Q: 貴社では中期経営計画は公表されていませんが、中長期視点での事業戦略と基本方針をお話しください。


そうですね、まずは国内外含めて「1千万ユーザー到達」が目標です。海外市場の開拓も含めて、できるだけ早いうちに達成したいと考えています。私どもの海外展開は、大きく2軸で進んでおります。一つは米国で、前述したように子会社で最先端技術の調査・分析を行っています。もう一つは、ASEANを拠点に当社製品の販売を行っております。ただ、3年ほど前に製品販売の拠点としてタイ、マレーシアに現地法人を設立していますが、コロナ禍で思うように稼働ができませんでした。ようやく新型コロナウイルス感染症も収束の兆しを見せ、イベント出展や訪問営業の機会も増えており、足元ではリコー(タイランド)との提携をはじめいいニュースもいくつか出てきております。

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今後さらに海外進出を加速させ、近いうちにフィリピンにも拠点設立を考えております。なぜASEANかと聞かれるのですが、ビジネスにおける商習慣が日本とよく似ているため、日本の商習慣に合わせて設計された当社の製品がより受け入れられやすいのではないかと考えております。


経営リスクについて


Q: 今後一層の企業成長を実践する上での経営リスクについてお聞かせください。また、リスクだけでなくチャンス(機会)の双方で捉えたお話をお願いします。


国内の人口動態において「少子化」は無視できない課題として浮き彫りになる中で当社の人材採用においてもコンピューターに興味を持つ若者がだんだん少なくなってきていることが一番大きなリスクだと考えております。これまでも大学に出向いて講義を行なったりもしましたが、面白い学生を見つけた際には直接声がけを行うなど、「人材」の確保は未来への企業成長の鍵としてリクルート活動を展開しています。


ESG/SDGを意識したサステナブル経営について


Q: 近年「サステナブル経営」と称して、ESGを意識した経営が注目を集めています。貴社における考え方とその取り組みについてお話をお願いします。


この1Q期間に「YOKOHAMA Hack!」という、横浜市が募集した民間企業の技術を活用して行政サービスのDX化を進めるプロジェクトに参加しています。弊社のノーコードアプリ作成ツール「AppSuite」およびグループウェア「desknet's NEO」を活用して「要配慮施設利用者の安全を守る避難確保計画の取組強化」における「避難確保計画」をシステム化することで、関係者全体の工数を41%削減することに成功しました。今後は、同様の機能を横浜市のみならず他の自治体にも展開していけるよう努めたいと考えています。

この実証実験で工数が削減されたことに加えて、幼稚園や小中学校、高齢者や障がい者施設などで改めて避難確保計画が策定されたことに大きな意義があったのではないかと思います。
こうした独自の取り組みこそが、私どもにしかできない社会への貢献実例であり、ESG経営へのひとつの答えだと思います。

Q: 最後に投資家への自社アピールをお願いします。


当社の株式を購入いただいた投資家の皆様にはリターンを還元すべく、中期業績目標の達成にとどまらず、その先まで業績の拡大に努めなければならないと考えております。そうした中で、私たちのやりたいことと、マーケットのニーズが合致してこの先も価値のあるものが提供できれば何よりだと考えております。
また本業を通じて少しでも社会の役に立てればなお良いと思っており、売り上げや利益などの業績面と並行してそういった点にもこだわっていきたいと考えております。
2年、3年の短期的なスパンではなく、5年後、10年を見据えて行動することで、少しでも社会が良くなればいいなぁと、そんな風に思います。そうした姿勢や取り組みが株式市場、並びに社会から応援していただけるような企業を目指します。今後ともよろしくお願いいたします。
【タイトル】
株式会社ネオジャパン
代表取締役社長 齋藤 晶議
さいとう あきのり


プロフィール


1961年12月生まれ。1980年4月に日本電信電話公社(現 日本電信電話)入社、その後、ビジネスインフォアを経て、1992年2月にネオジャパンを設立し代表取締役社長に就任、現在に至る。

1980年4月日本電信電話公社(現日本電信電話株式会社)入社
1990年8月株式会社ビジネスインフォア入社
1992年2月当社設立代表取締役社長(現任)
2006年11月株式会社プロシードゥス代表取締役(現任)
2019年8月株式会社Pro-SPIRE取締役会長(現任)
2019年12月NEOREKAASIASdn.Bhd.取締役(現任)
2021年2月NEOTHAIASIACo.,Ltd.取締役(現任)



企業紹介



ネオジャパン<3921>

https://www.neo.co.jp/

1992年設立。ICTツール「desknet's NEO」をはじめとするグループウェア製品のクラウドサービスの提供、パッケージ製品としてのライセンス販売、およびこれらに関連する役務作業の提供、将来の製品・サービスに繋がる受託開発などをソフトウェア事業として展開している。また、子会社Pro-SPIREにて、技術者の育成を図り、先端技術を活用して新たな顧客ニーズを満たすシステムエンジニアリングサービスを提供。さらに、米国、タイ、マレーシアの3カ国で海外事業を展開しており、今後の企業動向に期待が持たれる。
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