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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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8275 フォーバル

東証S
1,371円
前日比
+31
+2.31%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.0 2.17 2.19 0.84
時価総額 380億円
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フォーバル Research Memo(3):フォーバルビジネスグループ、フォーバルテレコムビジネスグループが柱


■事業概要

1. フォーバルビジネスグループ
フォーバルビジネスグループでは、中小企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出支援、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングサービス、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次ぎなどを手掛ける。主力事業は、コンサルティングサービスであるアイコンサービスのほか、創業以来手掛けているビジネスフォンの販売をはじめとする情報通信機器やOA機器の販売だ。情報機器や通信サービスでの接点からアイコンサービス・よろず経営相談へ導き、さらに次世代経営コンサルティングでより深い解決策を提案するという一連の流れで、中小企業の多様なニーズに対応する体制が整備されている。フォーバル<8275>のコンサルティングの特色は5分野(情報通信、海外、環境、人材・教育、起業・事業承継)と3手法(売上拡大、業務効率改善、リスク回避)に整理される。現在は、成長戦略として「中小企業のGDX化の伴走型アドバイザーとして確固たる地位の確立」を掲げ、取り組みを加速させている。2024年3月期第1四半期の業績は、売上高が7,232百万円(前年同期比15.6 %増)、セグメント利益が174百万円(同187.9 %増)となり、アイコンサービス及びハード機器販売などが好調に推移した。

(1) アイコンサービス:中小・小規模企業支援サブスクリプション型コンサルティングサービス
同社の最も注目すべき事業は、2008年に導入されたアイコンサービスだろう。アイコンのアイは、information(情報)、imagination(想像力)、idea(アイデア)、identity(独自性)、intelligence(知力)、innovation(革新)などを示し、これらを起源とするコンサルティングサービスである。定期訪問と遠隔サポート・状態監視を組み合わせた効率的な支援が特徴である。

アイコンサービスの基本構成は、経営のよろず相談サービス、定期訪問や通信技術を使った遠隔サポート、パソコン・ネットワーク状態監視サービス、各種アプリケーションの問い合わせサービス、顧客専用サイトとなっている。メニューとして、経営コンサルティング系、個人情報管理系、パソコン・ネットワーク系、スマートフォン・パッド系、ホームページ系、電話系、コピー系の幅広いサービスを提供する。現在のアイコンサービスの平均客単価は月額19,000円程度であり、ほかのサービスへの入り口と位置付けているため、設定金額は低めである。同サービスは、従来は自社の“企業ドクター”が行うのが基本であったが、OEM展開(パートナーの販売会社によるサービス)が大きく伸びている。アイコンサービスの全顧客数45,239件(2023年3月期末時点)のうちOEM経由(子会社経由を含む)の顧客が29,635件(同)であり、自社販売15,604件を超える。なお、自社によるアイコンサービスの数を抑制しているのは、コンサルティングの質を追求するため対象を絞っているという背景がある。アイコンサービスはそれ自体が粗利率の高いサービスであるが、端末(パソコン、タブレット、携帯電話、プリンター、コピー機など)やネットワークの状態監視から得られたビッグデータから様々な改善提案を行うことにより関連商材が拡販できるという副次的効果が大きい。

アイコンサービスの一環としてリリースされたサービスには、スマートフォンから簡便かつ安価に勤怠管理を行えるクラウド型勤怠管理システム「HRMOS(ハーモス)勤怠」や業務フローの見直し・マニュアル化を行い、ペーパーレス化・標準化で業務の効率性を高めるコンサルティングサービス「PPLS(ププルス)」などがある。これらのシステムは、働き方改革を行う大前提となる勤務実態を見える化するとともに、生産性のより高い働き方への変革を支援する。追加メニューの増加は顧客単価の向上にもつながる。

(2) “中小・小規模企業DXアドバイザー”としての第三者認定の取得
同社はこれまで、中小・小規模企業の経営及び情報化の支援を積み重ねてきており、顧客企業の満足度の高さからその支援の質には定評があった。2021年に入り、複数の第三者認証を取得し、名実ともに“中小・小規模企業向けのDXアドバイザーの第一人者”となっている。2021年3月に、経済産業省による「DX認定制度 認定事業者」に認定された。DX認定制度とは、ビジョンの策定や戦略・体制の整備などを既に行い、DX推進の準備が整っている(DX-Ready)事業者を経済産業省が認定するものであり、国が策定した指針(情報処理システムの運用及び管理に関する指針。2020年5月告示)を踏まえ、優良な取り組みを行う事業者を、申請に基づいて認定している。

また、同社は「DXマーク認証制度」における認証支援事業者として活動を開始している。「DXマーク認証制度」は、DXを積極的に推進する企業を(一社)中小企業個人情報セキュリティー推進協会が認証するもの。同社は「DXマーク」を取得したい中小・小規模企業に対して、自社のDXアドバイザーを介して支援を行う。本格的に受付を開始してから間もないが500社近くの中小・小規模企業から認証取得のアドバイスを依頼されており(既に400社以上が認定取得)、“中小・小規模企業DXアドバイザー”としての活躍のフィールドは益々拡大している。

2. フォーバルテレコムビジネスグループ
フォーバルテレコム<9445>を中心にVoIP(高速ブロードバンド回線を利用した電話やインターネット接続サービス)・FMC(サービス名「どこでもホン」)などのオリジナルな通信サービス、インターネット関連サービス、普通印刷及び保険サービスなどを提供する。また、一括請求する「ワンビリングサービス」を通じて企業のコスト削減や事業効率向上を支援している。直近では、光回線サービスやISPの拡大ペースが落ち着き、新電力サービスが伸びている。2024年3月期第1四半期の業績は、売上高は5,120百万円(前年同期比5.5 %減)、セグメント利益は183百万円(同88.0 %増)。新電力サービスが減収となったが、前年同期は電力の仕入価格上昇の影響を受けた反動もあり、増益となった。

3. 総合環境コンサルティングビジネスグループ
(株)アップルツリー(2013年12月に子会社化)がスマートグリッド設備機器の商社事業(太陽光システム、オール電化、蓄電池、HEMS)と太陽光発電システム(住宅用、産業用)の設計、施工、販売事業を主に行ってきた。太陽光発電システムに関しては、再生可能エネルギー特別措置法改正(FIT法改正、2017年4月)の影響を受け、販売は停滞期に入った。特に産業用太陽光発電システムでは大きな影響を受けている。それを補うべくLED照明や蓄電池、住宅用太陽光発電システムの拡販を積極化し、事業構造の転換を図る。LED事業については、国内生産で高品質なLEDを提供する工場を持つ。2024年3月期第1四半期の業績は、売上高は1,305百万円(前年同期比74.7 %増)、セグメント利益は33百万円(前年同期は28百万円の損失)となり、増収基調が継続し黒字化している。

4. その他の事業グループ(人材・教育分野)
人材・教育分野の強化のため、通信教育事業、書籍の出版・販売事業を手掛けるアイテック(2013年10月に子会社化)と、IT分野のエンジニア及び管理者の育成、東南アジアにおける現地幹部候補・留学生の人材紹介・派遣などの事業を行う(株)クリエーティブソリューションズが合併し、新会社としてアイテックが2018年4月に発足した。旧アイテックは情報処理技術者や個人情報保護士の養成を得意とし、eラーニングでのサービスを提供できる強みがあり、クリエーティブソリューションズは大手通信会社などを顧客に持ち、安定した需要が特長である。2020年7月には、システム企画・設計を得意とするカエルネットワークス(株)(現 フォーバルカエルワーク)が同社の完全子会社となった。人材教育事業、IT人材の派遣やシステム企画・開発事業ともに業績は順調である。2024年3月期第1四半期の業績は、売上高は670百万円(前年同期比6.7%増)、セグメント利益は118百万円(同9.3%増)と収益性が高い。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《YI》

 提供:フィスコ

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