貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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4307 野村総合研究所

東証P
4,485円
前日比
+85
+1.93%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
29.1 6.31 1.29 6.09
時価総額 26,069億円
比較される銘柄
NTTデータ, 
ビプロジー, 
SCSK

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トレードワークス Research Memo(3):金融業界特化の独立系システム開発会社として成長。事業領域拡大中(2)


■トレードワークス<3997>の会社概要

(3) セキュリティ診断事業
セキュリティ診断事業では、事業会社のWebサイトやネットワークにアクセスし、セキュリティ上の問題点(脆弱性)の有無を診断するサービスを提供している。診断サービスはオンサイトまたはオンラインで手動診断にて行っているほか、自動診断ツール「SecuAlive」の提供も行っている。「SecuAlive」は指定したURLに定期的に自動アクセスし、脆弱性の有無を自動診断する比較的簡便なサービスで、料金も手動診断より安価な水準で提供している。顧客企業は人材派遣会社やEC事業者、サービス業など多岐にわたり、契約社数は30社弱となっている。

(4) デジタルコマース事業
デジタルコマース事業では、「次世代のデジタルコマースを創生する」をミッションとし、金融システム開発で培ったコア技術をベースとしたECプラットフォーム及びソリューションの提供を行っている。現在のメインビジネスは、提携先のコネクテッドコマースが展開しているリアル×デジタル体験型店舗「AZLM」で活用しているECプラットフォーム及びOMO(Online Merges with Offline)※プラットフォームとなる。同システム(EC、決済、専用アプリ等)全般を開発・運営・管理しており、月額サービス利用料に加えて流通額に応じた販売手数料を得る収益モデルとなっている。また、アイエントが運営している訪日外国人向けオンライン免税ECサービス、「Tax Free Online」のECプラットフォームも同社で手掛けている。そのほか、チャットボットと有人回答者(弁護士)の回答を融合したリーガルテックサービス「スマート法律相談」や、AR/VR技術を用いたメタバースソリューションなども同事業に含まれる。

※OMOとは実店舗やECサイトから収集する顧客情報を一元管理、多様なチャネルのポイントを共通化することで相互送客を実現するマーケティング手法を指す。


(5) ソフトウエア受託開発及びITコンシェルジュサービス事業
ソフトウエア受託開発及びITコンシェルジュサービス事業は、金融以外の産業分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、ソフトウエアの受託開発やシステム構築、ITシステムの導入コンサルティングや運用サポートなどを子会社のあじょで展開している。

3. 市場動向と同社の強み
同社が主力市場としている証券業界のシステム投資額(ハードウエア除く)は年間2,000億円を上回る規模で推移しており、提供形態としては、クラウドでの提供が全体の約7割を占め、残りがスクラッチ開発※やパッケージ製品という構成となっている。ここ数年インターネット取引の普及拡大や取扱い商品(外国株式、投資信託、デリバティブ、暗号資産、FX、iDeCoなど)の拡大などもあり、システム投資額は着実に増加しており、今後も年率1ケタ台の安定成長が続くものと予想される。

※製品を開発する際に、既に存在する何かを土台とせずにゼロから新たに作り上げること。


証券取引システムは、従来から大手証券会社系列のシステム開発会社がシェアの大半を握る構造となっており、トップベンダーの野村総合研究所<4307>、2位の(株)大和総研のグループで全体の約7割を占めていると見られる。同社がこれら大手証券やその系列子会社の取引システムを受注する可能性は低いものの、過去には総合証券会社の取引システムをリプレースした実績もあり、可能性はゼロではない。また、インターネット取引システムを導入している証券会社数はネット専門証券会社の増加もあって、2011年3月末の52社から2023年3月末は90社まで増加しており、新規参入する証券会社があれば、同社にとって顧客開拓の好機となっている。

同社の強みは、証券に関する深い知識を持ったエンジニアを自社で多数抱えることで、顧客ニーズに最適なシステムを競合大手よりも短期間かつ低コストで設計・開発できる点にある。証券システムの開発に関しては精鋭集団とも言える。また、証券業界では新たな金融商品の開発や法規制の改正などによりシステム改修ニーズが頻繁に発生するが、こうしたニーズに対しても低コスト・短期間で対応可能である。これは同社がエンジニアに対して金融知識を深めるための研修に注力していることに加え、システム開発を完全オブジェクト指向※ で行っていることも要因と考えられる。

※オブジェクト指向とは、ソフトウエア開発技法の1つ。あるデータ処理をオブジェクト(モノ)にまとめて部品として扱い、部品の組み合わせでシステム全体を構築していく開発手法のこと。部品の再利用や分類がしやすく、開発工程を効率化できる利点がある。


弱みとしては、重大なインシデントが発生した場合の補償などに関する信用力で競合大手と比較すると劣る点が挙げられる。これは同社がまだ創業20年余りの新興企業であり、財務基盤が盤石ではないためだ。このため相見積もりで競合より受注見積額が低かったとしても、相手側に案件が流れるケースもある。ただ、将来的には収益成長とともに財務基盤も強化される見通しであり、機能・サービス面での優位性を維持向上し続けることができれば、シェアを拡大していく可能性もあると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YI》

 提供:フィスコ

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