貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

4812 電通総研

東証P
5,440円
前日比
+60
+1.12%
PTS
5,453円
09:17 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
25.3 4.12 1.99 1.14
時価総額 3,546億円
比較される銘柄
NTTデータ, 
野村総研, 
SCSK

銘柄ニュース

戻る
 

サイバネット Research Memo(5):CAE分野で蓄積した経験と技術力を基盤としたソリューション力が強み


■会社概要

4. 強みと事業リスク
サイバネットシステム<4312>の強みは以下の3点にまとめることができる。

(1) 経験に支えられた高度なノウハウ
CAEシミュレーション技術によって、モノづくりの研究開発や設計開発を38年以上にわたって支援してきた豊富な実績、積み重ねてきたノウハウや高度で広範にわたる技術力が財産となっており、他社には真似のできないソリューションを提供できることが強みとなっている。

(2) 幅広い専門分野とグローバルなパートナー網及び顧客基盤
CAEソフトウェアの最大手であるAnsysを筆頭に、国内外の有力ベンダー35社以上と提携し、80種類以上の製品の販売・サポートを行っているため、顧客の抱える様々な課題に対して、複数のソフトウェアやノウハウを組み合わせて最適なソリューションを提案できることが強みとなっている。また、顧客からのフィードバックを開発元ベンダーに伝えることで当該ベンダーは製品の改良に生かすことができ、顧客・提携先の双方と強い関係を構築できている点も強みと言える。

こうした強みを生かして同社は国内外に連結子会社を展開し、グローバル企業を中心に約2,400の企業及び350の大学・研究機関に製品・サービスを提供するなど、幅広い顧客基盤を構築している。日本においては上場企業の売上上位100社(食品・非製造業を除く)のうち9割以上が同社の顧客である。

(3) 安定性が高い収益構造と業界環境
同社の強みの1つとして、収益の安定性の高さが挙げられる。この要因としては、売上高の過半が既存顧客から得られるライセンス更新料で占められ継続率も高いこと、またCAE業界は競合が比較的少なく価格競争が起きにくいこと、企業にとって研究開発は競争力の源泉であるため、景気や業績が多少悪化したとしても研究開発予算が削減されるリスクは小さいことなどが挙げられる。

なお、CAEソフトウェアの販売代理店ビジネスにおける競合企業としては、Ansysの販売代理店である(株)IDAJや伊藤忠テクノソリューションズ<4739>、フランスのダッソーの販売代理店であるアルゴグラフィックス<7595>、ドイツのシーメンスなどの製品を取り扱っている電通国際情報サービス(ISID)<4812>などが挙げられる。同社の特徴としてはシミュレーションへの専業度の高さと、幅広い顧客領域が挙げられる。

(4) リスク要因
リスク要因としては、販売代理店ビジネスが売上高の約70%を占めているため、主力販売代理店との契約が終了した場合に業績へのマイナス影響が生じる点が挙げられる。実際に、2021年10月1日付でSynopsysとの販売代理店契約が終了した影響により、2022年12月期の業績は減収減益となった。開発ベンダーとの販売代理店契約は、原則として非独占かつ短期間で更新されている。契約が終了となるケースとしては、開発元の販売戦略がM&Aや経営者の交代等によって変わってしまうケースが想定される。なお、Synopsysとの販売代理店契約が終了となった理由は、Synopsysが全世界で販売形態を代理店販売から直販方式に切り替えたことによる。

同社はこうした事業リスクを軽減するため、自社開発製品及びエンジニアリングサービス等のソリューションサービスを育成するほか、販売代理店ビジネスについても有望な開発ベンダーを継続的に探索し、製品ラインナップを拡充する方針である。なお、同社の主要取引先であるAnsysについては、日本法人を自社で開設するなかで同社を優良販売パートナーとして位置付け、良好な関係を構築している。このため、現時点で契約が解除されるリスクは極めて低いと弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均