利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 27社選出 <成長株特集>
本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編 第1弾として、時価総額3000億円以上の銘柄を対象に、23年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している27社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、半導体マスクブランクス検査装置で世界シェアを独占するレーザーテック <6920> [東証P]。23年4-6月期(第4四半期)は最先端のEUV(極端紫外線)関連装置の受注が好調する中、製品ミックスの良化や円安効果が寄与し、経常利益は過去最高だった前年同期を2.2倍も上回る356億円に急拡大して着地。併せて発表した24年6月期の同利益は前期比0.5%増の640億円と8期連続で最高益を更新する見通しだ。
2位に入った中国電力 <9504> [東証P]の4-6月期(第1四半期)は電気料金を値上げしたことに加え、燃料価格の低下に伴う燃料費調整制度の期ずれ影響が改善したことも利益拡大に大きく貢献した。続く3位に東北電力 <9506> [東証P]、4位に関西電力 <9503> [東証P]と2位から4位まで電力会社が並んだ。関西電は原子力発電利用率の上昇によって火力燃料費が減少したことも利益増加につながった。
6位にリスト入りしたホンダ <7267> [東証P]の4-6月期(第1四半期)は10四半期ぶりに税引き前利益の最高益更新を果たした。半導体不足の緩和で自動車生産が回復し、北米を中心に販売台数を伸ばした。また、原材料価格の低下や値上げ、円安効果に加え、外貨建て債券の評価差益を計上したことも利益を押し上げた。決算と同時に9月末時点の株主を対象に1→3の株式分割を実施すると発表したことなども好感され、株価は6日に約16年7ヵ月ぶりに上場来高値を更新し、その後も上値追いを続けている。
続く7位のナカニシ <7716> [東証S]の4-6月期(第2四半期)は、部品不足の緩和を背景に生産が計画通り進み歯科・外科・機工の各事業で販売が堅調に推移する中、円安進行で為替差益が膨らんだことが利益を押し上げた。業績好調に伴い、減益予想だった24年3月期通期の経常利益を一転して最高益見通しに上方修正するとともに、配当の増額修正と自社株買いの実施も発表。これを受けて株価は青空圏を舞う展開となっている。
11位のマクニカホールディングス <3132> [東証P]は主力の半導体ビジネスで注力分野の産業機器や車載市場向けが引き続き好調に推移したほか、ネットワーク事業ではエンドポイントセキュリティ関連商品やデータ分析関連商品が大きく伸び、4-6月期(第1四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。好調な業績を踏まえ、24年3月期通期の経常利益予想を上方修正している。株価は6日に2000年3月につけた上場来高値まであと30円に迫る7170円まで上値を伸ばす場面があった。
選出リストには好決算を受けて上場来高値を塗り替えた企業が目立つ。ホンダ、ナカニシのほか、オービック <4684> [東証P]、豊田自動織機 <6201> [東証P]、ロート製薬 <4527> [東証P]、ゼンショーホールディングス <7550> [東証P]、ニフコ <7988> [東証P]も決算発表後に過去最高値を塗り替えている。なかでも最高値を更新中のホンダ、豊田織、ロートは過去の売買による抵抗帯がない“株価青天井”銘柄として注目したい。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6920> レーザーテク 119 35693 16303 0.5 64000 63668 43.6
<9504> 中国電 99.9 82616 41332 17.6 100000 85033 5.3
<9506> 東北電 58.7 113071 71230 31.0 200000 152616 4.0
<9503> 関西電 56.8 268302 171123 42.7 425000 297801 6.9
<6594> ニデック 40.2 86081 61386 23.5 210000 170032 25.9 *
<7267> ホンダ 33.3 514924 386423 6.3 1185000 1114973 10.7 *
<7716> ナカニシ 27.8 6650 5204 11.8 19725 17646 22.7
<7180> 九州FG 24.0 17257 13919 3.9 37000 35597 13.3
<2212> 山パン 23.3 13087 10617 3.0 38000 36905 29.6
<4612> 日本ペHD 20.3 48513 40324 44.5 151000 104495 23.8 *
<3132> マクニカHD 14.5 19611 17122 10.5 62800 56832 9.3
<4613> 関西ペ 13.5 16965 14943 11.9 45000 40216 9.2
<2875> 東洋水 12.5 15277 13579 25.8 55000 43724 14.5
<4684> オービック 12.5 20787 18485 8.9 76500 70223 39.8
<5105> TOYO 11.8 22960 20529 7.4 61000 56814 6.6
<6465> ホシザキ 11.4 16100 14446 11.2 42000 37763 29.0
<6201> 豊田織 10.2 111609 101302 0.8 265000 262967 19.8 *
<2002> 日清粉G 9.5 13099 11959 19.5 39500 33051 22.6
<9697> カプコン 8.2 25865 23899 9.0 56000 51369 29.5
<9432> NTT 6.4 577536 542651 3.4 1880000 1817679 12.2 *
<4527> ロート 5.7 12242 11577 6.8 38000 35568 33.7
<7550> ゼンショHD 5.3 9243 8774 33.2 37395 28081 44.2
<5334> 特殊陶 4.8 36127 34485 3.9 97000 93384 10.6 *
<6367> ダイキン 1.5 114809 113139 3.8 380000 366245 27.7
<7988> ニフコ 0.9 13408 13291 1.1 38300 37876 17.9
<9532> 大ガス 0.2 82672 82469 17.8 159000 134986 9.1
<4732> USS 0.1 12130 12118 3.4 46000 44491 19.8
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース
下表では、本決算月にかかわらず、4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している27社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、半導体マスクブランクス検査装置で世界シェアを独占するレーザーテック <6920> [東証P]。23年4-6月期(第4四半期)は最先端のEUV(極端紫外線)関連装置の受注が好調する中、製品ミックスの良化や円安効果が寄与し、経常利益は過去最高だった前年同期を2.2倍も上回る356億円に急拡大して着地。併せて発表した24年6月期の同利益は前期比0.5%増の640億円と8期連続で最高益を更新する見通しだ。
2位に入った中国電力 <9504> [東証P]の4-6月期(第1四半期)は電気料金を値上げしたことに加え、燃料価格の低下に伴う燃料費調整制度の期ずれ影響が改善したことも利益拡大に大きく貢献した。続く3位に東北電力 <9506> [東証P]、4位に関西電力 <9503> [東証P]と2位から4位まで電力会社が並んだ。関西電は原子力発電利用率の上昇によって火力燃料費が減少したことも利益増加につながった。
6位にリスト入りしたホンダ <7267> [東証P]の4-6月期(第1四半期)は10四半期ぶりに税引き前利益の最高益更新を果たした。半導体不足の緩和で自動車生産が回復し、北米を中心に販売台数を伸ばした。また、原材料価格の低下や値上げ、円安効果に加え、外貨建て債券の評価差益を計上したことも利益を押し上げた。決算と同時に9月末時点の株主を対象に1→3の株式分割を実施すると発表したことなども好感され、株価は6日に約16年7ヵ月ぶりに上場来高値を更新し、その後も上値追いを続けている。
続く7位のナカニシ <7716> [東証S]の4-6月期(第2四半期)は、部品不足の緩和を背景に生産が計画通り進み歯科・外科・機工の各事業で販売が堅調に推移する中、円安進行で為替差益が膨らんだことが利益を押し上げた。業績好調に伴い、減益予想だった24年3月期通期の経常利益を一転して最高益見通しに上方修正するとともに、配当の増額修正と自社株買いの実施も発表。これを受けて株価は青空圏を舞う展開となっている。
11位のマクニカホールディングス <3132> [東証P]は主力の半導体ビジネスで注力分野の産業機器や車載市場向けが引き続き好調に推移したほか、ネットワーク事業ではエンドポイントセキュリティ関連商品やデータ分析関連商品が大きく伸び、4-6月期(第1四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。好調な業績を踏まえ、24年3月期通期の経常利益予想を上方修正している。株価は6日に2000年3月につけた上場来高値まであと30円に迫る7170円まで上値を伸ばす場面があった。
選出リストには好決算を受けて上場来高値を塗り替えた企業が目立つ。ホンダ、ナカニシのほか、オービック <4684> [東証P]、豊田自動織機 <6201> [東証P]、ロート製薬 <4527> [東証P]、ゼンショーホールディングス <7550> [東証P]、ニフコ <7988> [東証P]も決算発表後に過去最高値を塗り替えている。なかでも最高値を更新中のホンダ、豊田織、ロートは過去の売買による抵抗帯がない“株価青天井”銘柄として注目したい。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6920> レーザーテク 119 35693 16303 0.5 64000 63668 43.6
<9504> 中国電 99.9 82616 41332 17.6 100000 85033 5.3
<9506> 東北電 58.7 113071 71230 31.0 200000 152616 4.0
<9503> 関西電 56.8 268302 171123 42.7 425000 297801 6.9
<6594> ニデック 40.2 86081 61386 23.5 210000 170032 25.9 *
<7267> ホンダ 33.3 514924 386423 6.3 1185000 1114973 10.7 *
<7716> ナカニシ 27.8 6650 5204 11.8 19725 17646 22.7
<7180> 九州FG 24.0 17257 13919 3.9 37000 35597 13.3
<2212> 山パン 23.3 13087 10617 3.0 38000 36905 29.6
<4612> 日本ペHD 20.3 48513 40324 44.5 151000 104495 23.8 *
<3132> マクニカHD 14.5 19611 17122 10.5 62800 56832 9.3
<4613> 関西ペ 13.5 16965 14943 11.9 45000 40216 9.2
<2875> 東洋水 12.5 15277 13579 25.8 55000 43724 14.5
<4684> オービック 12.5 20787 18485 8.9 76500 70223 39.8
<5105> TOYO 11.8 22960 20529 7.4 61000 56814 6.6
<6465> ホシザキ 11.4 16100 14446 11.2 42000 37763 29.0
<6201> 豊田織 10.2 111609 101302 0.8 265000 262967 19.8 *
<2002> 日清粉G 9.5 13099 11959 19.5 39500 33051 22.6
<9697> カプコン 8.2 25865 23899 9.0 56000 51369 29.5
<9432> NTT 6.4 577536 542651 3.4 1880000 1817679 12.2 *
<4527> ロート 5.7 12242 11577 6.8 38000 35568 33.7
<7550> ゼンショHD 5.3 9243 8774 33.2 37395 28081 44.2
<5334> 特殊陶 4.8 36127 34485 3.9 97000 93384 10.6 *
<6367> ダイキン 1.5 114809 113139 3.8 380000 366245 27.7
<7988> ニフコ 0.9 13408 13291 1.1 38300 37876 17.9
<9532> 大ガス 0.2 82672 82469 17.8 159000 134986 9.1
<4732> USS 0.1 12130 12118 3.4 46000 44491 19.8
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
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