TDSE Research Memo(9):先行費用発生も営業利益率は前期並みを確保へ
■業績動向
2. 2024年3月期の業績見通し
TDSE<7046>は2024年3月期業績について、売上高2,589百万円(前期比7.2%増)、営業利益281百万円(同5.7%増)、経常利益281百万円(同5.1%増)、当期純利益195百万円(同15.5%増)と、過去最高を更新する見込みである。
日本経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行されるなど、さらなる正常化に向けた動きが進む一方で、インフレや金利上昇など先行き不透明感も残ると見られている。そのような状況下ながら、企業のデジタル技術活用に対する投資意欲は引き続き根強く、特に先進的なAIやIT技術を活用したDX市場は中長期的に順調に成長すると予測されている。
コンサルティングサービスについては、4月の新入社員と中途採用により技術者が前年同期比14.5%増となるなど積極的な採用を推進しているほか、定着率の向上、教育・研修などによる人的資本の強化を図り、今後プロダクトサービスへ一部人材を移しながらも成長を継続させる計画である。プロダクトサービスについては、多くの大手企業でニーズがあり展開可能なプロダクトの開発/導入を進め、ラインナップを強化する。さらに、社員育成やデジタルマーケティング、顧客担当者とのネットワークなども強化する方針である。
売上高は、コンサルティングサービスがプロダクトサービスへの人材シフトによりやや抑制した予想になった。一方プロダクトサービスは、「TDSE QAジェネレーター」の自動化や「NetBase」「Cognigy」周辺機能の充実などプロダクト製品の機能向上が随時実施されることから大幅増収を見込んでいる。利益面では、案件増加に向けた技術社員の増員や教育強化、プロダクト開発に向けた研究開発などの先行的な費用を増やす計画であり、利益率も抑えられたものとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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提供:フィスコ