TDSE Research Memo(5):データサイエンティスト、実績・技術・ノウハウ、一気通貫した支援体制が強み
■事業概要
3. TDSE<7046>の強み
創業以来、経営課題を抱える200社強の企業を支援し、今なお支援企業を増やしている背景にあるのが、
1) アカデミック分野出身の国内最高峰のデータサイエンティスト集団
2) ビジネス課題ファーストな技術力と実績
3) データ活用のテーマ抽出~データ分析~システム実装やプロダクト開発、人材育成まで、高度に一気通貫した支援体制
といった強みである。同社は、多種多様な専門バックグラウンドを持つ技術集団を有し、役職員の約8割がデータサイエンティスト(2023年4月現在100名)とエンジニア(同28名)で構成されている。また、データサイエンティストの9割が理系修士以上、その5割が後期課程進学者または博士学位取得者となっており、欧州原子核研究機構(CERN)やフェルミ国立加速器研究所(FNAL)、東京大学宇宙線研究所など錚々たる機関からの出身者で占められている。こうした有能な人材を採用するだけでなく、データサイエンティストやエンジニアの育成方法を開発し、共創し合う文化を醸成する仕組みも構築している。
こうした人材がビジネス課題ファーストの考えをベースに、先端技術を修得、多様なデータからアルゴリズムや分析手法を構築し、企業の課題解決に役立つ技術力と実用的なノウハウを積み上げてきた。加えて、プロジェクト実績や技術・ノウハウといった創業以来蓄積してきた基礎情報を、300を超えるAIノウハウを整備したライブラリー「scorobox」を有しており、経験の浅い技術社員でも活用できる仕組みを確立している。「scorobox」は集合知として同社の強みの核となっている。
4. 業界環境
AIビジネス市場は2ケタに近い成長で加速度的に拡大しており、2027年には約2兆円に達するとも言われている。AIビジネス市場はフロー型収益のSI・運用サービスや組込AI設計/導入支援など、いくつかのサービス群に細分できる。同社はそうした市場で、フロー型収益のコンサルティングを主軸に、ストック型収益のアプリケーションやプラットフォームなど成長力の高いサービスを強化している。もちろん、規模が小さいものの高度な技術を要し優位性のある分析サービスも引き続き注力する方針である。また、同社は金融や流通、情報通信、エンターテイメントなどの業界を主力領域にAIノウハウを確立している。このほか新たな領域も視野に入れているようだが、例えば1兆円と言われるコールセンター市場が人からAIに置き換わるということだけを考えても、既存領域の前途に大きなビジネスチャンスが広がっていると言える。同社のサービスは将来性が大きく、しかもニーズが高まりつつあるハイエンドの生成AIサービスを一気通貫で提供できるため、AIビジネス市場で同業他社に対し先駆的ポジションにあると言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《SO》
提供:フィスコ