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7046 TDSE

東証G
1,180円
前日比
+10
+0.85%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
25.9 1.16 0.85
時価総額 26.0億円
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TDSE Research Memo(3):AIノウハウを軸としたコンサルティングサービスとプロダクトサービスを提供


■事業概要

1. 事業内容
TDSE<7046>の事業は、データサイエンティストやエンジニアによるAIノウハウを軸としたコンサルティングサービスと、コンサルティングサービスで得たノウハウをベースにAI製品などを開発/導入するプロダクトサービスからなっている。現状、売上高構成比はコンサルティングサービスが圧倒的に大きいが、今後はプロダクトサービスも強化する方針である。

(1) コンサルティングサービス
コンサルティングサービスでは、データ経営を目指す企業向けにAIを中心とした統合型ソリューションサービスを提供している。DX(デジタルトランスフォーメーション)を顧客企業とともに推進していく際、プロセスごとに専門特化する企業が多いなか、同社は顧客企業が進める事業戦略に沿う形で、データ活用のテーマ抽出からデータ分析/AIモデル構築、システム構築/実装、保守/チューニング、教育まで、高度で一気通貫したコンサルティングサービスを提供している。

コンサルティングサービスは一般的にプロジェクト終了というリスクがあるが、AIビジネス市場は加速度的に拡大しているため、業種による強弱感はあるものの、人材教育に重きを置き、極度な人員増強を進めない同社はむしろ断らざるを得ないほど新規案件の引き合いが増えているのが現状である。このため人材がボトルネックとなることのほうがリスクであり、人材成長に適した無理のない人材強化を推進している。社長交代後より経営方針を「大規模×長期化」に変更したことが功を奏し、大手企業との長期の取り引きが拡大している。このため、期初に落ち込む季節変動の影響が弱まり、期を通じて好調を持続できるようになった。また、DX戦略を支えるAI企業として信頼度が増し、既存・新規顧客問わず大手企業からの受注が一層拡大するという好循環になっている。さらに、小売やサービス、金融など様々な業種の大手企業を顧客に持ち、業種の景況感に左右されないポートフォリオも構築することができた。

(2) プロダクトサービス
プロダクトサービスは、自社及び他社のAI製品や、業務特有のAIモジュール※を顧客企業に提供することで、サービス利用料や運用・保守料を受領するサービスである。足もとでは、プロダクトサービスを強化するため、扱うプロダクトの特性によってソーシャルメディアマーケティング事業とカンバセーショナルAIソリューション事業の2事業に組織改編した。

※AIモジュール:異常検知や物体認識などのAIモデル(未学習モデルも含む)で、業務システムやアプリケーションなどに組み込むAIシステムの根幹。「scorobo」というブランドでAIモジュールを販売していたが、ブランディング戦略のなかで「scorobo」を収束し、「TDSE」を冠した自社製品へとシフトする方針である。


a) ソーシャルメディアマーケティング事業
ソーシャルメディアマーケティング事業では、同社設立直後の2014年に代理店契約を締結した米国NetBase Quid社の「NetBase」を提供している。「NetBase」はクラウドベースのハイエンドなソーシャルリスニングツールで、X(旧:Twitter)やFacebook、Instagram、YouTubeなど正式に使用契約した豊富なソーシャルメディアデータを、圧倒的な処理スピードで、リアルタイムに様々な角度から分析する。また、50ヶ国以上の言語に対応しているうえ、標準装備のAPIで他システムとの連携が容易にできる。従来のソーシャルリスニングツールではビジネスに結び付けることが難しかったが、「NetBase」は、キーワードだけでなく人(アカウント)に着目した分析ができる。キャンペーン反応から消費者の興味・関心度を分析するなどプロモーションのほか様々なビジネス領域で活用することができるため、これまでに累計100社を超える企業に導入されてきた。

事業環境としては、顧客企業のマーケティングリテラシーの向上を背景に、同社のような質の高い分析が求められるようになってきたところに、これまで無償でデータを提供していたX社が、イーロン・マスク氏による買収を契機に有償化へ方針を転換した。このため、無償サービスを利用してきた安価なサービスが淘汰される時代となり、正式にデータ使用契約をしている「NetBase」の成長に弾みがつきつつある。なお、プロダクトサービス強化の一環として、2023年7月、米国Rival IQ社のSNSアカウントのデータを比較分析する「Rival IQ」の提供を開始した。特長は、自社や競合他社サイトのURLを入力するだけで、XやInstagramなど複数のSNS公式アカウントからデータを自動取得、SNSマーケティングに必要なフォロワー数や投稿数、リツイートといった指標の比較分析が可能な点にある。

b) カンバセーショナルAIソリューション事業
カンバセーショナルAIソリューション事業では、ドイツのベンチャー企業Cognigy社の対話型AIプラットフォーム「Cognigy」や、国内初で自社開発した生成AI「TDSE QAジェネレーター」などの製品を扱っている。「Cognigy」は、最先端の自然言語処理と自然言語理解技術を強みとしており、20以上のチャネルと30以上の業務システムとのコネクターを装備し、短期間で拡張性の高い対話型AIを開発することができる。多言語対応のバーチャルエージェントは100ヶ国語以上をサポート、OpenAI社のGPTや「TDSE QAジェネレーター」など生成AIと連携し、自然言語処理の精度向上に必要な膨大なQAを自動生成することができる。ビジネスユーザーが簡単に開発できるローコード仕様になっているため欧米では、自動車メーカーや銀行、航空会社など500 社以上の有力企業が導入している。

「TDSE QAジェネレーター」の特長は、規程やマニュアルなどのドキュメントから膨大な組み合わせのQAを自動生成することができる点にある。また、セキュアな環境のため学習データが外部へ漏出する心配がないうえ、他社を含め多くのチャットボット製品で利用されているNLP(Neuro Linguistic Programming:神経言語プログラミング)の精度を向上したり、対話型AIと組み合わせることでより複雑な問い合わせ業務にも対応したりすることができる。生成AIによるQAは、将来的に人海戦術のコールセンター業務に置き換わることが想定されるなど、市場の拡大が期待されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SO》

 提供:フィスコ

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