ベイシス---23年6月期は増収、スマートメーター設置サービスが堅調な推移を見せる
ベイシス<4068>は14日、2023年6月期決算を発表した。売上高が前期比9.6%増の68.63億円、営業利益が同21.9%減の3.82億円、経常利益が同25.1%減の3.63億円、当期純利益が同13.7%減の2.80億円となった。サービス別の売上内訳は、モバイルエンジニアリングサービス51.05億円、IoTエンジニアリングサービス15.79億円、その他1.78億円となった。同社の事業領域である情報通信分野においては、通信キャリア各社が楽天モバイル社に対応してグループのサブブランドを使った通信料の値下げを行っており、これによりコスト抑制要請が高まっている。同社の事業では基地局の運用・保守・監視を行うストック領域に影響が出始めている。通信キャリアの設備投資は一時的に減少し、今後もコスト抑制要請は進むことが予想される。また、基地局建設に関わるサプライチェーンにおいて、半導体不足や新型コロナウイルス等の影響により予定よりも工程が後ずれしている領域の影響を受け、フロー領域で売上の一部が翌期以降にずれ込む想定である。一方で通信事業者以外では、IoTエンジニアリングサービスで展開しているスマートメーター設置サービスでは生活インフラ業界を中心としたスマートメーター設置が進み、引き続き堅調に推移している。IoT機器の設置台数は前年度を大幅に上回る実績となっており、前年比+16万台の72万台となった。また、機器設置だけでなく、運用・保守といったストック領域に関する案件も増えている。2024年6月期通期の業績予想については、売上高が前期比4.6%減の65.49億円、営業利益が同62.5%減の1.43億円、経常利益が同61.5%減の1.40億円、当期純利益が同67.3%減の0.91億円を見込んでいる。2024年6月期については通信キャリアのコスト抑制要請が更に進み、モバイルエンジニアリングサービスの拡大が難しいことから、経営リソースをIoTエンジニアリングサービスにシフトさせていく。減収減益になるものの、売上高100億円に向けIoTエンジニアリングサービスの拡大だけでなく、ネットワーク関連のITインフラ領域にも事業拡大し、収益形態を多角化させていく。
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提供:フィスコ