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4498 サイバートラスト

東証G
2,215円
前日比
-6
-0.27%
PTS
2,192.6円
09:40 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
21.0 2.86 0.79 34.55
時価総額 181億円
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サイバートラスト Research Memo(1):DXの時代に必須のトラストサービスを提供


■要約

サイバートラスト<4498>は、「安心・安全なデジタル社会の実現」というパーパス(社会における存在意義)、「すべてのヒト、モノ、コトに信頼を」というミッションの下、認証・セキュリティとLinux/OSSの技術を組み合わせることにより、DX(Digital transformation)の時代に必須のトラストサービスを提供している。

1. 認証・セキュリティサービス、Linux/OSSサービス、IoTサービスを展開
2017年10月の企業合併を通じ、電子証明書発行などの認証・セキュリティサービス※1(旧 サイバートラスト(株))と、Linux/OSSサービス※2(ミラクル・リナックス(株))を主力に、これらの技術を融合した独自のIoTサービス※3も展開している。「国内最長の電子認証局運用実績」と「国内唯一のLinux OSディストリビューター」として培った技術力・高品質サービスを強みに、電子証明書発行や製品サポートなど安定収益が積み上がるリカーリングサービス型のビジネスモデルであることも特徴である。

※1 電子証明書の発行・失効などを行う電子認証局の運営や、電子取引の信頼性を担保するiTrustサービスの提供。
※2 無償でソースコードが公開され、誰もが利用・複製・改変・再配できるオペレーティングシステム(Linux)、及びオープンソースソフトウェア(OSS)のこと。Linuxディストリビューションは、Linuxカーネル(階層ごとに設計されているOSの核となる部分のプログラム)とその他ソフトウェア群を1つにまとめ、利用者が容易にインストール・利用できるようにしたシステム。
※3 IoT(Internet of Things)機器のセキュリティ脆弱性の低減や脅威への対策など、IoT機器のライフサイクルを通して安心・安全に利用できる仕組みを提供。


2. 2023年3月期は大幅増益で着地、初配当実施
2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比7.6%増の6,167百万円、営業利益が同21.3%増の1,053百万円、経常利益が同22.1%増の1,065百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同36.8%増の725百万円と、増収・大幅増益で着地した。全サービスが伸長(Linux/OSSサービスは微減収の形だが、前期に発生した駆け込み需要を除く調整後ベースでは増収)した。特に注力しているリカーリングサービス売上が、認証・セキュリティサービスのiTrustを中心に大幅伸長して過去最高となり、収益性が向上して人材・設備・研究開発投資を吸収した。リカーリングサービス売上比率は64.9%で前期比2.1ポイント上昇した。この結果、営業利益率は1.9ポイント上昇して17.1%となり、過去最高を更新した。なお期末に初配当を実施した。

3. 2024年3月期も大幅増益予想で収益拡大基調
2024年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比21.6%増の7,500百万円、営業利益が同32.9%増の1,400百万円、経常利益が同31.4%増の1,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同31.0%増の950百万円としている。大幅増収増益予想で、収益拡大基調である。安定高収益サービスが引き続き堅調に成長し、同社が高成長牽引サービスとして位置付けている認証・セキュリティサービスのiTrust、Linux/OSSサービスのLinuxサポート、IoTサービスのEMLinuxが大幅伸長する見込みだ。サービス別売上高の計画は、認証・セキュリティサービスが前期比10.1%増の3,900百万円、Linux/OSSサービスが同31.3%増の1,900百万円、IoTサービスが同44.5%増の1,700百万円としている。DXの進展に伴うセキュリティ意識の高まりなど同社を取り巻く事業環境は良好であり、積極的な事業展開で会社予想には上振れ余地があるだろうと弊社では考えている。

4. 営業利益CAGR32%~40%を目指す
同社は中期経営計画において、2023年3月期からの3ヶ年で業績の飛躍的成長を実現するためのスローガンとして「BizX 20/40(ビジネストランスフォーメーション トゥエンティーフォーティー)」を掲げ、5つの重要テーマ(成長する組織と人材育成、新規市場の立ち上げとフォーカス、将来に向けた研究開発、グローバル展開、システム安定稼働品質確保)に取り組むとしている。数値目標としては、最終年度2025年3月期の売上高10,000百万円、営業利益2,000?2,380百万円(外部環境の不確実性を考慮してレンジ設定)を掲げている。3ヶ年のCAGR(年平均成長率)は売上高が20%、営業利益が32%~40%となる。サービス別の戦略としては、同社の高成長牽引サービスである認証・セキュリティサービスのiTrust、Linux/OSSサービスのLinuxサポート、IoTサービスのEMLinuxなどの拡大を図り、さらなるリカーリングサービスの売上拡大を推進する方針だ。

5. 中期的に高収益化が一段と加速
同社は認証・セキュリティサービスとLinux/OSSサービスという収益基盤を確立し、さらに成長分野と位置付ける独自のIoTサービスも展開している。DXの進展に伴うセキュリティ意識の高まりなどにより、同社を取り巻く事業環境は良好に推移すると予想される。そして、高成長牽引サービスであるiTrust、Linuxサポート、EMLinuxなどリカーリングサービスが順調に拡大している。これらの事業環境や同社の事業戦略を勘案すれば、中期的に全体収益の拡大はもちろん、高収益化が一段と加速することを期待できると弊社では評価している。

■Key Points
・DX時代に必須のトラストサービスを提供
・2023年3月期は大幅増益で着地、初配当を実施
・2024年3月期も大幅増益予想で収益拡大基調
・2023年3月期から3ヶ年で営業利益CAGR32%~40%を目指す
・中期的に高収益化が一段と加速

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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