ミロク情報 Research Memo(10):連結配当性向30%を目安に安定配当を継続方針
■株主還元策とサステナビリティ経営の取り組み
1. 株主還元策
ミロク情報サービス<9928>は株主還元として、配当に関しては配当性向30%の水準を目途に長期的に安定した配当を継続することを基本方針としている。2023年3月期の1株当たり配当金は前期同額の45.0円(配当性向は35.7%)を実施した。2024年3月期の1株当たり配当金も45.0円の配当を予定している。配当性向は32.8%となっており、30%を下回る状況になれば増配が期待できるものと考えられる。また、同社は資本効率の向上を図るため自己株式取得も適時実施しており、直近では2021年に581千株を約10億円で取得している。自己株式保有比率は発行済株式数の14.2%に達しているが、従業員へのストックオプションやM&A戦略等に活用する方針だ。
2. サステナビリティ経営の取り組み
同社は企業理念や経営方針の実践がサステナビリティ経営そのものであり、同社グループが目指す「中小企業の成長・発展」が、日本の経済・社会のサステナビリティにつながると認識している。こうしたなかサステナビリティ委員会を設置し、「ステークホルダーにとっての重要度」と「自社事業への重要度」の2軸で事業機会とリスクを整理し、優先的に取り組む課題をマテリアリティ(重要課題)として4つのテーマに絞り設定した。
第1にDX推進による地球環境への貢献(事業活動を通じたDX推進による環境負荷の軽減)、第2に会計事務所と中小企業の経営革新、成長・発展を支援(高品質で安定したERP製品・経営情報サービスの提供、DXを促進させるイノベーティブな新規事業への取り組み、会計事務所との協業・共創の推進、知的資本の蓄積)、第3に多様なプロフェッショナル人材が活躍する働きがいのある職場づくり(人材の確保と育成、成長機会の創出、ダイバーシティと働き方改革の推進)、第4に、健全成長のためのガバナンス強化(コーポレート・ガバナンスの徹底、情報セキュリティの徹底)とし、それぞれに目標を設定し、実現に向けた施策を実行していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《YI》
提供:フィスコ