ミロク情報 Research Memo(6):CB型新株予約権は転換が進まなければ手元資金と借入金で返済可能
■業績動向
3. 財務状況と経営指標
ミロク情報サービス<9928>の2023年3月期末の財務状況は、資産合計は前期末比2,306百万円増の45,793百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が2,586百万円、棚卸資産が463百万円それぞれ増加した。固定資産ではソフトウェア資産(仮勘定含む)が501百万円増加した一方で、のれんが540百万円、投資有価証券が866百万円それぞれ減少した。
負債合計は前期末比161百万円増加の21,018百万円となった。有利子負債が495百万円減少した一方で、契約負債が284百万円、未払金及び未払費用が300百万円、賞与引当金が246百万円それぞれ増加した。純資産合計は同2,145百万円増加の24,775百万円となった。配当金支払額1,343百万円があったほか、その他有価証券評価差額金が301百万円減少したが、親会社株主に帰属する当期純利益3,767百万円の計上が増加要因となった。
経営指標は、有利子負債の減少により有利子負債比率が前期末の7.1%から4.4%に低下したほか、自己資本比率も51.0%から53.0%に上昇するなど財務の健全性がさらに向上した。なお、2023年11月30日に110億円のCB型新株予約権の償還期限を控えており、今後株価が転換価額の2,995.4円を上回らなければ転換が進まず償還となる。そのための資金が必要になるが、2023年3月末時点で現預金が190億円以上あり借入も可能であるため問題はなさそうだ。業績が安定して推移していることや大きな資金需要もないことから、財務の健全性は引き続き維持されるものと思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ