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ふとした会話に、リターンを稼ぐヒントあり!
すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 肥長孝卓さんの場合-第2回
前回記事「期待薄の評価に好機あり、逆張りファンダの割安狙いで億り人の技」を読む
今回登場の肥長孝卓さん(ハンドルネーム)は、身近なサービスを利用する時でも、相手にちょっとした質問を投げるようにしている。例えば、コンビニエンスストアでおにぎりを買う際には、「おにぎりの売れ筋はなんですか」と店員に話しかける。
そこには、バーチャルでのコミュニケーションがどんなに発展しようが、「リアルの世界から得られる生の情報の方が有益であるという信念がある。
35年経営してきたオートバイ販売の会社では、自社よりも売り上げ規模が大きい会社の経営者に、地域そして業種を問わず商売の秘訣を聞いて回った。そこから得た着想が新サービスにつながり、収益基盤の強化に繋がったと振り返る。
そのスタイルは株式投資にも反映され、何気ないやり取りから銘柄選びのきっかけを掴み、数百万円、時には数千万円のリターンをいくつも獲得することができたという。今回は、その具体例を紹介する。対象は、前回と同様、割安成長株になる。
「災害発生で株価高騰」と聞いて即行動、2000万円超を獲得
今まで最もリターンをもたらした成功例は、不動テトラ<1813>だ。2回の売買で計2000万円超の利益を獲得した。以下のチャートでは、ピンクの吹き出しが1回目の売買、紫が2回目の売買を示している。それぞれのリターンは800万円と1200万円超になる。
■不動テトラの月足チャート(2000年2月~13年5月)
1回目の買いは2006年。購入のきっかけは、不動テトラに勤める知人から聞いた話だ。それは「うちの会社は災害が発生すると株価が上がる傾向にある」という内容だった。同社は地盤改良技術に強みを持つ土木工事会社だ。地震対策や水害対策などのテーマ性を持つ。
肥長さんは「温暖化の影響で災害が増えているので、持っていたらいつかヒットするかも」と思い、20万株を購入した。買値はその年の安値近辺だった。
ちなみに、その水準で購入したのは、チャートを振り返って当時の株価が比較的低位にあると感じたからだ。想定が外れたとしても、株価の下値は限定的と判断した。
期待が現実に変わったのが翌年の2007年。業績の上方修正と復配、さらに九州に上陸した大型台風に反応する形で、株価が高騰している局面で肥長さんは売り抜けることができた。
同社株での成功で味をしめた肥長さんは、2回目の売買にも挑戦した。1回目と同様、株価が低位にあるタイミングで拾うことにこだわり、リーマン・ショック後の安値を拾った。09年頃に買い進めて、平均取得単価は600円台(調整後)だった。
売却したのは、2011年に発生した東日本大震災で高騰したときだ。「多くの死者が出た震災で利益を得たことに後ろめたさを感じ、利益の一部を被災地に寄付した」と振り返る。
日常生活での気づきやふとした会話から、任天堂や日本ハウスで成功
人の話をヒントに投資機会を探るのは、昔から続いているやり方だ。投資を始めて初期の成功例として、1990年代の取引で印象に残っている銘柄が、任天堂<7974>と日本ハウスホールディングス<1873>だ。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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編集・構成/真弓重孝、取材/高山英聖(株探編集部)
■肥長孝卓さん(60代・男性・専業投資家)のプロフィール:
福岡県に住む専業投資家。20代に株式投資をスタートし、約40年で1億5000万円のリターンを稼いだ。増やしてきた手法は、割安成長株を対象とする中期売買、高配当株を対象とする長期売買の2パターンがある。銘柄選びでは、35年にわたる企業経営の経験が反映されたものになっている。株式投資も企業経営も始めたきっかけは「稼ぎたいという野心」だ。画像は自宅で栽培している「金のなる木」。幸運を招くという花言葉を持つ。「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
福岡県に住む専業投資家。20代に株式投資をスタートし、約40年で1億5000万円のリターンを稼いだ。増やしてきた手法は、割安成長株を対象とする中期売買、高配当株を対象とする長期売買の2パターンがある。銘柄選びでは、35年にわたる企業経営の経験が反映されたものになっている。株式投資も企業経営も始めたきっかけは「稼ぎたいという野心」だ。画像は自宅で栽培している「金のなる木」。幸運を招くという花言葉を持つ。「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
前回記事「期待薄の評価に好機あり、逆張りファンダの割安狙いで億り人の技」を読む
今回登場の肥長孝卓さん(ハンドルネーム)は、身近なサービスを利用する時でも、相手にちょっとした質問を投げるようにしている。例えば、コンビニエンスストアでおにぎりを買う際には、「おにぎりの売れ筋はなんですか」と店員に話しかける。
そこには、バーチャルでのコミュニケーションがどんなに発展しようが、「リアルの世界から得られる生の情報の方が有益であるという信念がある。
35年経営してきたオートバイ販売の会社では、自社よりも売り上げ規模が大きい会社の経営者に、地域そして業種を問わず商売の秘訣を聞いて回った。そこから得た着想が新サービスにつながり、収益基盤の強化に繋がったと振り返る。
そのスタイルは株式投資にも反映され、何気ないやり取りから銘柄選びのきっかけを掴み、数百万円、時には数千万円のリターンをいくつも獲得することができたという。今回は、その具体例を紹介する。対象は、前回と同様、割安成長株になる。
「災害発生で株価高騰」と聞いて即行動、2000万円超を獲得
今まで最もリターンをもたらした成功例は、不動テトラ<1813>だ。2回の売買で計2000万円超の利益を獲得した。以下のチャートでは、ピンクの吹き出しが1回目の売買、紫が2回目の売買を示している。それぞれのリターンは800万円と1200万円超になる。
■不動テトラの月足チャート(2000年2月~13年5月)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
1回目の買いは2006年。購入のきっかけは、不動テトラに勤める知人から聞いた話だ。それは「うちの会社は災害が発生すると株価が上がる傾向にある」という内容だった。同社は地盤改良技術に強みを持つ土木工事会社だ。地震対策や水害対策などのテーマ性を持つ。
肥長さんは「温暖化の影響で災害が増えているので、持っていたらいつかヒットするかも」と思い、20万株を購入した。買値はその年の安値近辺だった。
ちなみに、その水準で購入したのは、チャートを振り返って当時の株価が比較的低位にあると感じたからだ。想定が外れたとしても、株価の下値は限定的と判断した。
期待が現実に変わったのが翌年の2007年。業績の上方修正と復配、さらに九州に上陸した大型台風に反応する形で、株価が高騰している局面で肥長さんは売り抜けることができた。
同社株での成功で味をしめた肥長さんは、2回目の売買にも挑戦した。1回目と同様、株価が低位にあるタイミングで拾うことにこだわり、リーマン・ショック後の安値を拾った。09年頃に買い進めて、平均取得単価は600円台(調整後)だった。
売却したのは、2011年に発生した東日本大震災で高騰したときだ。「多くの死者が出た震災で利益を得たことに後ろめたさを感じ、利益の一部を被災地に寄付した」と振り返る。
日常生活での気づきやふとした会話から、任天堂や日本ハウスで成功
人の話をヒントに投資機会を探るのは、昔から続いているやり方だ。投資を始めて初期の成功例として、1990年代の取引で印象に残っている銘柄が、任天堂<7974>と日本ハウスホールディングス<1873>だ。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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