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6461日本ピストンリング

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日ピストン Research Memo(1):リケンと経営統合して持続的成長と企業価値向上を目指す(1)


■要約

日本ピストンリング<6461>は、主に自動車エンジン部品として使用されるピストンリングやバルブシートなどの大手メーカーである。2023年10月2日付(予定)でリケン<6462>と経営統合(共同株式移転により共同持株会社リケンNPR(株)を設立)し、リケンNPRが2023年10月2日付で東証プライム市場に上場(完全子会社となる日本ピストンリングとリケンは2023年9月28日付で上場廃止)予定である。経営統合により、持続的成長と企業価値向上を目指す方針だ。

1. 自動車エンジン事業を主力に、医療分野など非自動車エンジン事業も展開加速
自動車エンジン事業の主要製品は、自動車エンジンの重要な機能部品であるピストンリング、バルブシート、組立式焼結カムシャフトなどで、ピストンリングは世界トップシェア5、バルブシートは日系自動車メーカー向けでトップシェアを誇る。トヨタ自動車<7203>をはじめとする世界の主要な自動車メーカーに幅広く製品を供給しており、売上高の10%を超える特定の自動車メーカーに依存していないことが特徴だ。世界的な「脱炭素化」の流れを背景とする中長期的な環境規制の影響(エンジンの低燃費化、ガソリンエンジンの減少、新たなクリーン燃料エンジン、自動車のEV化など)がリスク要因となるが、同社はEV化が一気に進む可能性は低いと想定し、会社設立以来約90年にわたり培ってきたコア技術をベースとして、耐熱性や耐摩耗性の向上による自動車エンジン燃費向上、さらに水素エンジンや新たなクリーン燃料エンジンの実用化に向けた技術進化に貢献する方針としている。一方、非自動車エンジン事業の主要製品としては、舶用ピストンリングやメタモールド(金属粉末射出成形部品)のほか、医療機器関連やRV関連などがある。特に医療分野においては医療用新材料チタンタンタル合金「NiFreeT」の早期の製品化・事業化を目指している。

2. 2023年3月期は売上高が過去最高だが、原材料・燃料費高騰の影響で減益
2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比15.2%増の58,524百万円、営業利益が同9.2%減の2,385百万円、経常利益が同9.9%減の2,755百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.3%減の1,808百万円だった。売上高は為替の円安効果、自動車生産台数の緩やかな回復、ノルメカエイシアの子会社化などで2桁増収・過去最高だったが、利益面は原価低減や価格転嫁を推進したものの、原材料・エネルギー価格の高騰影響をカバーしきれず減益となった。営業利益2億円減益の増減要因は、減益要因として、原材料・エネルギー費の増加で24億円、人件費・経費ほかの増加で6億円、増益要因として、増産効果で10億円、原価低減効果で8億円、価格転嫁で8億円、為替変動で2億円であった。

3. 2024年3月期は大幅増益予想
2024年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比4.2%増の61,000百万円、営業利益が同42.5%増の3,400百万円、経常利益が同16.1%増の3,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.1%増の2,100百万円と、増収・大幅増益を見込んでいる。想定為替レートは1ドル=130.00円、1ユーロ=140.00円としている。自動車生産台数については、上期は車載半導体不足や部品供給停滞の影響継続を想定するが、下期には一定の回復を想定している。コスト面では原材料・エネルギー費の高止まりや人件費・研究開発費の増加などを想定するが、増産効果に加え、原価低減や価格転嫁などで吸収する見込みである。営業利益10億円増益の増減要因は、減益要因として、原材料・エネルギー費の増加で9億円、研究開発費・人件費の増加で5億円、増益要因として、増産効果で10億円、原価低減効果で8億円、価格転嫁で5億円、減価償却費の減少等で1億円となっている。なお、この業績計画は同社としての予想であり、経営統合後のリケンNPRとしての2024年3月期連結業績予想については、経営統合(2023年10月2日付予定)後に公表される見込みである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《YI》

 提供:フィスコ

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