ARM Research Memo(4):サーベイからソリューションまでワンストップの総合サービスを提供(2)
■アドバンテッジリスクマネジメント<8769>の事業概要
2. 健康経営事業
健康経営事業では、企業の健康経営をサポートする産業保健体制の構築や健康診断業務に関わる支援サービスを提供する。
(1) 産業医・保健師サービス
「労働安全衛生法の一部を改正する法律※」において、労働者に対する医師または保健師によるストレスチェックや希望する従業員への面談が義務づけられている一方で、今後、メンタルヘルスを適切にケアできる医師の不足が懸念されている。その解決策としてメンタルヘルスに対応できる産業医・保健師を企業に紹介し、産業保健業務のトータルサポートを提供する。他方で、産業保健に関わる専門家に対するサービスも提供しており、産業保健スタッフのためのオンラインコミュニティ「さんぽLAB」を開設し、登録者数は開設から約1年で1,500人を突破している。
※2015年12月から常時50名以上の労働者を使用する事業場は年1回以上のストレスチェックを行うことが義務化された。
(2) 健診管理システム
健康診断の実施は企業に義務付けられており、事後措置や保管にも指針があるため、適切な対応をとる必要がある。一方で、健康診断業務の担当者に対する負担は大きく業務効率化が課題となっている。そこで、同社グループでは、健康診断の予約・結果管理、産業保健スタッフとの連携までの業務をシステム化する健康管理システム「アドバンテッジ ヘルスケア」を提供し、健診予約から結果管理までの業務手続きの大幅な効率化をサポートしている。
3. 就業障がい者支援事業
就業障がい者支援事業は、病気やケガで長期間働けなくなった従業員を経済的にサポートするGLTD(団体長期障害所得補償保険)制度の構築・運用支援や、産休育休や私傷病等による休業者の管理業務支援、および休業者が安心して復職し仕事と両立できる環境づくりを含めた総合プログラムを提供しています。具体的な事業の内訳としてGLTD販売及びその付帯サービスを提供するLTD事業と、クラウドシステム「ADVATAGE HARMONY」を活用した休業者・復職者管理業務支援サービスを提供する両立支援事業の2つに分けられる。
(1) LTD事業
病気やけがで長期間働けなくなった際の本人及び家族の収入リスクを支援するため、最長定年まで給与の一定割合を補償する保険を提供するサービスである。加入形態は、企業が福利厚生の一環として負担する一括部分と従業員が任意で加入する上乗せ部分の2層構造となっている。
就業障がい者には復職支援として職務復帰に向けてのケアが必要となるため、職務復帰に必要な能力を取り戻すための「リワークプログラム職業リハビリテーション」と適切な医療を踏まえた専門的なサポートが重要になる。同社は、人事コンサルタント、臨床心理士、キャリアカウンセラー、精神保健福祉士などの専門スタッフを取り揃え、さまざまな就業障がいの原因について対応できる体制を構築した付帯サービスも提供している。
(2) 両立支援事業
休職者・復職者管理業務は偶発的に発生することに加え、休業の理由によって必要な書類や手続きが異なるため、人事部門には大きな負担がかかる。その解決策として、同社は、「ADVATAGE HARMONY」を通じてシステムによるサポート及び専門家による代行を提供する。「ADVATAGE HARMONY」の活用により、傷病、育児・介護休業等のすべての休業種類に対応した諸手続きを一元化することで大幅な業務効率化を推進する。また、メンタル不調者に向けには、職務復帰に必要な能力を取り戻すための「リワークプログラム」と適切な医療を踏まえた専門的なサポートが重要になる。同社は、メンタルヘルス不調者向けのオンラインリワークプログラム「eRework」や、がん治療と仕事の両立をサポートするサービス「eRWP」により、休業者の復職支援・両立支援体制の構築をサポートしている。
4. リスクファイナンシング事業
主に従業員に対しては保険加入及び保険の見直しのサービスを提供し、顧客に対しては、さまざまな企業リスクへの対策に対応する保険商品を提供する。同社はアフラック生命保険(株)をはじめとする生命保険会社8社及び損害保険会社11社と代理店契約を結び、顧客の従業員個人に対する保険の提供については、企業の職域を通じて加入する「団体扱い」での取り扱いができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
《SI》
提供:フィスコ