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3996 サインポスト

東証S
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サインポスト Research Memo(1):社会に新たな価値を創出することを目指すテクノロジー企業


■要約

サインポスト<3996>は、創業の理念「孫の代まで豊かな社会を創る一翼を担う」を事業活動の最上位概念として、社会に新たな価値を創出することを目指すテクノロジー企業である。2022年3月にはCI(コーポレート・アイデンティティ)を刷新し、新たにマスコットキャラクター「えすぴぃ」を制定した。

1. 3つのコア・コンピタンスを組み合わせて付加価値の高いサービスを提供
報告セグメント(2023年2月期第1四半期より変更)は、金融機関の基幹システム構築・更改支援などを行うコンサルティング事業、BtoC事業者の生産性を高める製品・技術の開発などオープンイノベーションを通じた事業創造を目指すイノベーション事業、金融機関との連携やDX技術を活用して地方共創に資する製品・サービスの提供を目指すDX・地方共創事業(地方共創は同社の登録商標)としている。課題解決まで行うコンサルティング能力、高度な画像認識・AI技術及び開発力、オープンイノベーションという3つのコア・コンピタンスを組み合わせ、各事業の強みや営業基盤を共有または補完し合いながら事業を運営し、事業部の枠を超えて付加価値の高いサービスや製品を提供している。

2. コンサルティング事業は安定収益源、イノベーション事業・DX・地方共創事業は先行投資段階
コンサルティング事業は、金融業界の課題の抽出から解決策の提案、DXを活用したソリューションの提供、解決策の実行までワンストップで付加価値の高いサービスを提供している。銀行の勘定系システムの構築に熟知した知見を強みとして安定収益源となっている。イノベーション事業は、自社技術とオープンイノベーションを通じた事業創造など、社会の発展に貢献する製品・ソリューションとして、自社開発の設置型AI搭載セルフレジ「ワンダーレジ」、書店向けのセルフレジ「ワンダーレジ-BOOK」、POS機能付コンパクトセルフレジ「EZレジ」、完全スルー型の無人決済システム「スーパーワンダー」などを展開している。DX・地方共創事業は、2022年3月にDX・地方共創事業部を新設して開始した。全国の地域金融機関との連携、同社のDX技術やオープンイノベーションを活用して、地方共創に資する製品・サービスの提供を目指している。イノベーション・DX・地方共創事業は先行投資段階である。

3. 2023年2月期の業績(非連結)は大幅増収効果で損失縮小
2023年2月期の業績(非連結)は、売上高が2022年2月期比21.5%増の2,574百万円、営業利益が110百万円の損失(2022年2月期は378百万円の損失)、経常利益が119百万円の損失(同382百万円の損失)、当期純利益が132百万円の損失(同291百万円の損失)だった。前回予想を下回ったものの、前期比ではコンサルティング事業が牽引して大幅増収となり、販管費抑制なども寄与して営業・経常・当期純利益の損失が縮小した。コンサルティング事業では前期に新規顧客から受注した支援業務が通期で貢献したほか、既存得意先の基幹システム更改・統合のプロジェクトマネジメント支援なども堅調だった。イノベーション事業では書店向けセルフレジ「ワンダーレジBOOK」やPOS機能付コンパクトセルフレジ「EZレジ」の導入が進展した。DX・地方共創事業(2022年3月開始)ではBtoB向けオンラインマーケットプレイスへの決済機能導入に係るコンサルティングサービスなどを提供した。なお特別利益では前期計上の関係会社株式売却益232百万円が剥落した。

4. 2024年2月期の業績(非連結)は2ケタ増収・黒字転換予想
2024年2月期の業績(非連結)予想は、売上高が2023年2月期比13.2%増の2,914百万円、営業利益が30 百万円(2023年2月期は110百万円の損失)、経常利益が27百万円(同119百万円の損失)、当期純利益が17百万円(同132百万円の損失)としている。2ケタ増収・黒字転換予想としている。セグメント別売上高の計画はコンサルティング事業が同10.2%増の2,718百万円、イノベーション事業が同76.0%増の164百万円、DX・地方共創事業が32百万円(2023年2月期は14百万円)としている。重点施策として、コンサルティング事業の伸長による安定的収益の拡大、イノベーション事業における書店向けセルフレジ「ワンダーレジBOOK」やPOS機能付コンパクトセルフレジ「EZレジ」の拡販、DX・地方共創事業は技術力とオープンイノベーションを生かしたソリューション受託開発の強化、更なる競争力強化に向けた人材育成・採用活動・エンゲージメント向上などを推進する。DXの進展など事業環境は良好であり、コンサルティング事業の伸長が牽引して会社予想に上振れ余地があるだろうと弊社では考えている。

5. イノベーション・DX・地方共創事業の展開を加速して中長期的に収益拡大期待
同社は金融機関向けコンサルティング事業を安定収益基盤として、自社技術とオープンイノベーションを生かしたイノベーション・DX・地方共創事業へ積極展開している。2023年2月期は人材不足の影響などで「成長投資の収穫」がやや遅れた形となったが、基本戦略に変化はなく、2024年2月期は黒字転換予想としている。当面は投資先行だが、今後は自社技術とオープンイノベーションを生かした事業展開を加速することで、中長期的に収益拡大が期待できるだろうと弊社では評価している。

■Key Points
・社会に新たな価値を創出することを目指すテクノロジー企業
・コンサルティング事業は安定収益源、イノベーション事業とDX・地方共創事業は先行投資段階
・2023年2月期はコンサルティング事業が牽引して損失縮小
・2024年2月期は2ケタ増収・黒字転換予想
・イノベーション・DX・地方共創事業の展開を加速して中長期的に収益拡大期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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