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2370 メディネット

東証G
40円
前日比
0
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PTS
40.2円
15:13 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
2.04
時価総額 106億円
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MDNT Research Memo(1):売上拡大と2025年9月期黒字化を必達目標とする


■要約

メディネット<2370>は、「がん免疫細胞治療」領域の先駆者であり、バイオベンチャーである。創業者である木村佳司(きむらよしじ)氏(現 代表取締役会長)と、がんと分子免疫学の研究者であった故江川滉二(えがわこうじ)氏(東京大学名誉教授)が東京大学医科学研究所において、当時認知されていなかったがん免疫細胞治療に乗り出したことに始まる。“患者さんのため”に新しい治療法を提供すべく、「免疫細胞療法総合支援サービス」(当時)という新しいビジネスモデルをデザインし、事業化に至った。

1. 2023年9月期第2四半期の業績概要
2023年9月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比9.8%増の349百万円、営業損失が671百万円(前期は678百万円の損失)、経常損失が669百万円(同676百万円の損失)、四半期純損失が676百万円(同678百万円の損失)となった。損益面では、売上総利益は同0.7%減の68百万円、研究開発投資時期の遅れ等により販管費が同0.9%減の739百万円となったことで営業損失はやや減少した。細胞加工業の売上高は同9.8%増の349百万円、営業損失は133百万円(前年同期は105百万円の損失)となった。また、売上面では、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による影響の緩和等による細胞加工件数の回復に加え、技術移転の一時金売上の計上により増収となった。利益面では、将来の細胞加工受託案件の獲得に向けた体制整備費用の先行等により、営業損失は拡大した。

2. 細胞加工業は、“安定”の特定細胞加工業と“成長”のCDMO事業の「両輪事業経営」を早期確立
細胞加工業の事業構造は特定細胞加工物製造業の“1本足打法”であったため、今回のコロナ禍の影響により大きな影響を受けた。その教訓を生かし、環境変化に強い事業構造への転換・拡大が不可欠である。“安定”の特定細胞加工物製造業と“成長”のCDMO事業の「両輪事業経営」を早期に確立し、細胞加工業の2025年9月期黒字化を目指す。

バイオ医薬品の受託開発・製造を行うCDMO事業では、2022年9月末にヤンセンファーマ(株)の多発性骨髄腫に対する製品「カービクティR点滴静注」が国際共同治験(第Ib/II相臨床試験)にて製造・販売承認された。同社はこれまで治験製品に関してヤンセンファーマの製造受託をしてきた実績があり、CDMO事業として実績の強化による売上拡大を目指している。また、医療インバウンド患者に依存せずとも売上が拡大できるよう、新たな細胞加工の品目や受託メニューの拡大を図る考えである。具体的には、現在取り組んでいる「NKT細胞活性化樹状細胞(がん領域)」製造受託は、免疫細胞治療法(メニュー)の幅を拡げることになり、がん患者にとって最適な治療法として新たに免疫治療が選択できるようになる。また、様々な疾患に対して臨床応用されている「脂肪由来間葉系幹細胞(ASC)」に関わる自社技術を確立した(2022年5月発表)。さらに、セルアクシア(株)が保有する歯科インプラントを確実に固定させる技術「ダイレクトコンバージョン法※」を活用した「歯科診療領域における先進的な骨造成治療法の実用化」に向けて、同社とセルアクシアが共同で研究開発することになった(2022年10月発表)。

※特定の条件を満たすことで、体細胞(線維芽細胞等)から目的の体細胞(骨芽細胞等)に直接転換(ダイレクトコンバージョン)する現象が見出され、遺伝子改変を行わない技術として、将来の革新的医療を担う新技術として注目されている。セルアクシアが有する新規技術ダイレクトコンバージョン法は、患者から容易な方法で採取できる線維芽細胞を原料として、短期間の簡易な製造工程で目的とする体細胞(骨芽細胞等)を作り出すものである。


■Key Points
・細胞加工業は、“安定”の特定細胞加工業と“成長”のCDMO事業の「両輪事業経営」の早期確立を目指す。免疫細胞以外の新たな細胞加工の品目や受託メニューの拡大を推進
・中期経営目標のうち「細胞加工事業の2025年9月期の黒字化」に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)

《SI》

 提供:フィスコ

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