キャリアリンク Research Memo(5):収益拡大により自己資本比率は60%台に乗せる
■業績動向
3. 財務状況と経営指標
キャリアリンク<6070>の2023年3月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比5,265百万円増加の21,809百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金が1,933百万円減少した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が6,705百万円増加した。固定資産では繰延税金資産が171百万円増加した。
負債合計は前期末比143百万円増加の8,283百万円となった。未払消費税等が478百万円減少した一方で、未払金が353百万円、未払法人税等が228百万円、有利子負債が85百万円それぞれ増加した。また、純資産合計は同5,122百万円増加の13,526百万円となった。配当金の支払い474百万円及び収益認識会計基準等の適用による減額分で188百万円が減少要因となった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益5,711百万円の計上が増加要因となった。
経営指標を見ると、安全性指標となる自己資本比率が前期末の50.2%から61.5%とはじめて60%台に乗せた。有利子負債比率も11.8%から8.0%に低下するなど収益拡大によって財務基盤の拡充が進んだものと評価される。なお、ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債)は前期末比で2,018百万円減少したが、期末に売上が集中したことによる売上債権の増加が要因であり、これらを回収するとネットキャッシュも大きく積み上がるものと予想される。収益性については、売上高営業利益率が前期比4.2ポイント上昇の14.5%となったほか、ROEも52.7%と高水準となっており資本効率の面でも高い収益性を維持していると見ることができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ