TOKAI Research Memo(6):財務状況は良好、毎期生み出されるフリーキャッシュ・フローを株主還元に充当
■業績動向
3.財務状況
TOKAIホールディングス<3167>の2023年3月期末の財務状況は次のとおり。資産合計は前期末比8,865百万円増加の193,339百万円となった。主な変動要因を見ると、現金及び預金が384百万円減少した一方で、M&A効果により有形固定資産が4,367百万円増加したほか商品及び製品が1,418百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,333百万円、未収入金の増加等により流動資産「その他」が1,778百万円、それぞれ増加した。
負債合計は前期末比5,507百万円増加の111,034百万円となった。有利子負債が2,460百万円増加したほか、支払手形及び買掛金が1,133百万円、固定負債のリース債務が933百万円、契約負債の増加等により流動負債のその他が1,251百万円、それぞれ増加した。純資産合計は前期末比3,358百万円増加の82,304百万円となった。配当金支出4,334百万円があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益6,465百万円を計上したこと、その他有価証券評価差額金が852百万円、為替換算調整勘定が371百万円、それぞれ増加したことによる。
財務の健全性を示す自己資本比率については、前期末比0.4ポイント低下の41.5%となったほか、有利子負債依存度が23.9%から24.1%に、有利子負債/EBITDA倍率は1.39倍から1.50倍にそれぞれ上昇した。フリーキャッシュ・フローは7,041百万円と引き続き安定したプラスを維持しており、これの範囲内で配当金などの株主還元を実施できている。継続取引顧客件数を毎期拡大し、月額課金収入を積み上げていることが安定したフリーキャッシュ・フローを生み出す一因になっていると考えられ、同社の強みと言える。今後も営業活動で獲得したキャッシュについては、M&Aを含めた成長投資や株主還元に充当する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ