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6890 フェローテク

東証S
2,482円
前日比
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PTS
2,482円
13:40 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
7.3 0.49 4.43 61.75
時価総額 1,169億円
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フェローテク Research Memo(5):2023年3月期は半導体需要の高まりにより55.1%の営業増益


■業績動向

1.2023年3月期の業績概要
(1) 損益状況
フェローテックホールディングス<6890>の2023年3月期業績は、売上高が前期比57.5%増の210,810百万円、営業利益が同55.1%増の35,042百万円、経常利益が同63.3%増の42,448百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同11.4%増の29,702百万円となった。設備投資額は62,661百万円(前期実績35,378百万円)、減価償却費は12,618百万円(同8,085百万円)となった。世界的な半導体市場の活況を背景に、主要顧客である半導体製造装置メーカーやデバイスメーカーからの需要が高まり、売上高は過去最高となった。

売上総利益率は34.2%(前期は36.4%)と前期比で低下した。主に半導体等装置関連の売上高比率が下がったことによるが、減価償却費の増加も利益率を押し下げた。ただし大幅増収により、売上総利益は72,081百万円(同48.1%増)となった。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大から社会経済活動が回復し、営業活動等が通常に戻ったことなどから販管費は37,038百万円(同42.0%増)と増加したが、売上総利益の伸び率を下回ったことから営業利益は前期比で大幅増益となった。

営業外損益では、主に営業外収益で為替差益5,495百万円(前期は差益2,542百万円)を計上し、営業外費用で持分法による投資損失610百万円を計上した。このため、経常利益の増益率は営業利益より大きくなった。特別利益は、前期に計上した持分変動利益9,327百万円が減少したことから、前期比8,565百万円減となった。一方で、特別損失が1,263百万円(前期比504百万円減)となったことから、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率は経常利益の増益率に比べて大幅に小さくなった。


高水準の設備投資が続き、資産は大幅増
(2) 財務状況
2023年3月期末の財務状況は、流動資産は215,341百万円(前期末比81,927百万円増)となった。主に現金及び預金の増加50,536百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加11,479百万円、たな卸資産の増加20,741百万円による。現金及び預金が増加したのは、業績が堅調であることに加え、第三者割当増資を行った中国子会社の現金及び預金増加が主たる要因。(内訳は、洗浄事業会社12,500百万円増加、パワー基板事業会社17,700百万円増加、シリコンパーツ・坩堝事業会社11,000百万円増加)。固定資産は195,306百万円(同63,948百万円増)となった。主に設備投資による有形固定資産の増加55,527百万円、無形固定資産の増加4,953百万円(主に大泉製作所TOB及び東洋刃物100%子会社化によるのれんの増加)、投資その他の資産の増加3,468百万円(主に、投資有価証券の増加4,500百万円、中国のSICデバイス等メーカー、安徽長飛先進半導体の株式取得3,800百万円など)であった。その結果、資産合計は410,648百万円(同145,876百万円増)となった。

負債合計は160,991百万円(前期末比57,177百万円増)となった。主に支払手形及び買掛金の増加13,822百万円、短期借入金の増加14,054百万円、1年内返済予定の長期借入金(社債含む)の増加7,324百万円、社債の減少4,723百万円、転換社債型新株予約権付社債の減少2,134百万円、長期借入金の増加14,636百万円による。これにより、期末の有利子負債は66,718百万円(同29,157百万円増)となった。また純資産合計は249,656百万円(同88,699百万円増)となった。主に同社や子会社の増資による資本剰余金の増加21,890百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加26,339百万円、円安による為替換算調整勘定の増加3,349百万円、ウエーハ子会社の非連結化による非支配株主持分の増加35,999百万円による。この結果、期末の自己資本比率は44.7%(前期末49.5%)となり、目標である40%超を維持した。

(3) キャッシュ・フローの状況
2023年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは43,024百万円の収入であった。主な収入は税金等調整前当期純利益の計上42,041百万円、減価償却費12,618百万円、仕入債務の増加6,516百万円で、主な支出は、持分変動利益651百万円、売上債権の増加3,139百万円、たな卸資産の増加14,354百万円による。投資活動によるキャッシュ・フローは68,760百万円の支出であった。主に定期預金の増加による支出7,029百万円、有形固定資産の取得による支出56,001百万円、投資有価証券の取得による支出4,607百万円による。財務活動によるキャッシュ・フローは68,718百万円の収入であった。主な収入は長短借入金の増加(ネット)27,632百万円、非支配株主からの払込みによる収入47,607百万円で、主な支出は社債の償還2,658百万円、配当金の支払額3,532百万円であった。

以上から2023年3月期の現金及び現金同等物は43,326百万円増加し、期末残高は95,905百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《SI》

 提供:フィスコ

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