タメニー Research Memo(1):婚活・カジュアルウェディングを主力に4つの戦略領域で高品質サービスを提供
■要約
タメニー<6181>は、企業理念に「よりよい人生をつくる。」、存在意義に「創造する力とおもいやり、おもてなしで、人々の心を満たし、活力ある社会の実現を支えます。」を掲げ、婚活領域及びカジュアルウェディング領域を主力として、周辺領域のライフ&テック領域及び地方創生領域を含めた4つの戦略領域で、顧客が求める高品質サービスを創出・提供している。
1. 婚活・カジュアルウェディングの高い信頼性・ブランド認知度が強み
結婚相談所・オンライン結婚相談所・婚活パーティー・オンライン婚活サービス等の婚活領域、カジュアル挙式披露宴・フォトウェディング・結婚式二次会プロデュース等のカジュアルウェディング領域を起点に、周辺領域として、婚活事業者間相互会員紹介プラットフォーム・結婚相談所連盟や成婚後サポート・保険代理店等のライフ&テック領域、地方自治体向けの婚活支援システムや婚活支援センター運営受託等の地方創生領域も展開している。幅広く全方位的な一気通貫の高品質・高付加価値サービスを展開し、業界首位の成婚率など高い信頼性・ブランド認知度を確立していることが特徴・強みだ。
2. 2023年3月期は営業損失縮小、EBITDAは黒字基調
2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.5%増の5,604百万円、営業損失が151百万円(前期は153百万円の損失)、経常損失が230百万円(同218百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が237百万円(同320百万円の損失)だった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が残っていること、カジュアルウェディング領域は受注から施行までのタイムラグがあることなどで売上高は横ばいにとどまったが、人員配置最適化や拠点統廃合などの経営合理化効果で販管費が減少し、営業損失が僅かながらも縮小した。なお営業損失の計上が継続したが、EBITDA(=営業利益+減価償却費+のれん償却費)は、経営合理化と広告抑制で2022年3月期第2四半期に黒字転換し、2023年3月期は広告を段階的に強化しながらも4四半期すべてが黒字だった。収益改善基調と言えるだろう。
3. 2024年3月期は下期から改善基調となり通期では黒字予想
2024年3月期(非連結決算に移行してセグメント区分を変更)の個別業績予想は、前期連結業績との比較で売上高が3.1%増の5,780百万円、営業利益が50百万円(前期連結業績は151百万円の損失)、経常利益が0百万円(同230百万円の損失)、当期純利益が20百万円(同237百万円の損失)としている。上期と下期に分解すると、上期は売上高が2,693百万円、営業損失が140百万円、経常損失が170百万円、四半期純損失が142百万円、下期は売上高が3,087百万円、営業利益が190百万円、経常利益が169百万円、四半期純利益が162百万円の予想としている。婚活領域においては、上期の広告投資強化によって下期から新規入会者数の本格回復を見込んでいる。カジュアルウェディング領域においては、カジュアル挙式披露宴「スマ婚」シリーズの施行が下期に集中する見込みだ。また地方創生領域の収益も下期偏重となる。さらに経費面では、拠点統廃合(本社フロア縮小など)による地代家賃削減効果が下期から発生する見込みだ。このため下期から収益改善基調となり通期では黒字(全事業黒字化)の予想としている。
4. 経営基盤再整備の成果により中長期的な収益改善基調を期待
同社は成長に向けた基本戦略として、トレンドや社会変化に即座に対応できる柔軟な事業構造への転換、コロナ禍に負けない企業体質構築を目指している。2022年3月期までは債務超過を解消するための短期的な業績回復施策として、広告投資抑制や固定費削減などの経営合理化施策を優先したが、2023年3月期は高収益体制の確立、プロダクトの競争力強化、財務基盤強化など、中長期視点で成長に向けた経営基盤再整備を推進した。さらに2024年3月期は、2025年3月期以降の成長路線回帰に向けて構造改革を継続する方針としている。本格的な収益回復や財務基盤の改善は2025年3月期以降となる見込みだが、構造改革推進や経営基盤再整備の成果により、弊社では中長期的な収益改善基調を期待できると評価している。
■Key Points
・婚活領域及びカジュアルウェディング領域を主力に4つの戦略領域で高品質サービスを提供
・2023年3月期は営業損失縮小、EBITDAは黒字基調
・2024年3月期は下期から改善基調となり通期では黒字予想
・経営基盤再整備成果により中長期的な収益改善基調を期待できると評価
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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提供:フィスコ