利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 31社選出 <成長株特集>
本特集では、4月下旬から5月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編の第1弾として、時価総額2000億円以上の銘柄を対象に、23年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、23年1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している31社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはメルカリ <4385> [東証P]。23年1-3月期(第3四半期)の経常利益は57.6億円と過去最高益を62.5%も上回って着地。主力の国内フリマ事業で新規ユーザーの獲得や出品促進施策に注力し流通取引総額が堅調に推移するなか、国内外で広告宣伝費などのコスト削減を進めたことが利益拡大につながった。併せて、非開示だった通期の同損益は138億円の黒字(前期は38.9億円の赤字)と2期ぶりに最高益を更新する見通しを示した。
2位に入ったクボタ <6326> [東証P]の1-3月期(第1四半期)は、インフラ開発需要などを背景に北米で建設機械が増勢だったほか、欧州では在庫不足緩和によってトラクターの販売が伸びた。また、値上げの浸透や円安効果なども寄与し、税引き前利益は前年同期比41.0%増の1054億円と8四半期ぶりに過去最高益を塗り替えた。
4位の横河電機 <6841> [東証P]と5位の東急不動産ホールディングス <3289> [東証P]は、いずれも1-3月期(第4四半期)に実に17年ぶりとなる最高益更新を果たした。制御システムを主力とする大手電機メーカーの横河電は大口プロジェクト案件が順調に進んだうえ、値上げや円安効果も収益を押し上げた。
一方の東急不HDは都市開発事業で収益不動産の売却益が膨らんだほか、赤字が続いていた東急ハンズの売却やホテル事業の回復で管理運営事業の利益が大きく改善した。決算発表と同時に、横河電は自社株買いの実施、東急不HDは今期増配計画を発表したことも好感され、株価はともに年初来高値圏に急浮上している。
続く6位にリスト入りした朝日インテック <7747> [東証P]の1-3月期(第3四半期)は円安や症例数の回復を追い風に、主力のPCIガイドワイヤーや貫通カテーテルが欧米で好調だったほか、販売促進を強化した中国での販売も大きく伸びた。22年7月-23年3月期(第3四半期累計)経常利益は159億円と通期計画174億円に対する進捗率が91.6%に達しており、業績上振れは確実とみられる。
選出リストには、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進などに向けた需要を捉えるITサービス関連企業が多く入った。SCSK <9719> [東証P]、インターネットイニシアティブ <3774> [東証P]、日鉄ソリューションズ <2327> [東証P]、富士ソフト <9749> [東証P]、BIPROGY <8056> [東証P]、TIS <3626> [東証P]がリスト入りしており、このうちIIJとNSSOLは決算発表後に上場来高値を更新している。
このほか、製造業ではパワー半導体を展開する2社が入った。13位のサンケン電気 <6707> [東証P]は電動車や先進運転支援システムの普及を背景に自動車向け製品の引き合いが旺盛だったほか、産業機械向けではクリーンエネルギーやFA市場向けのパワー半導体が大きく伸び、1-3月期(第4四半期)は3四半期連続の最高益更新を遂げた。また、29位の富士電機 <6504> [東証P]も電動車や産業分野向けのパワー半導体が増勢だった。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 1-3月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<4385> メルカリ 62.5 5765 3548 177 13800 4975 56.2
<6326> クボタ 34.7 105495 78318 10.8 278000 250917 12.7 *
<8174> 日ガス 33.5 9269 6942 21.4 18700 15401 20.1
<6841> 横河電 31.0 21809 16645 0.8 49000 48608 16.5
<3289> 東急不HD 30.6 45043 34501 0.9 100500 99558 8.9
<7747> 朝日インテク 27.5 6331 4967 6.7 17423 16326 61.6
<9719> SCSK 22.8 16478 13419 2.6 54700 53336 18.7 *
<3064> モノタロウ 18.3 8084 6832 21.2 31986 26398 42.4
<3774> IIJ 15.7 8291 7165 11.1 30350 27309 23.5 *
<2327> NSSOL 13.9 9513 8352 5.9 34000 32101 16.8 *
<4088> エアウォータ 11.6 19918 17848 9.0 70000 64230 9.5 *
<9532> 大ガス 11.3 82469 74103 17.8 159000 134986 8.0
<6707> サンケン 11.2 9915 8914 32.2 36000 27229 19.5
<9749> 富士ソフト 11.1 6050 5446 5.7 20300 19205 22.9
<8088> 岩谷産 10.7 17383 15698 7.0 50300 47011 11.5
<9503> 関西電 10.4 171123 155051 42.7 425000 297801 4.7
<8804> 東建物 9.2 27472 25156 5.5 67000 63531 8.5
<4812> ISID 8.4 5781 5331 9.0 20000 18354 24.4
<3288> オープンH 7.4 38022 35418 12.7 136500 121166 7.2
<4732> USS 7.3 12118 11294 3.4 46000 44491 18.1
<7701> 島津 7.2 22562 21040 0.2 71000 70882 25.0
<8056> ビプロジー 6.4 10049 9443 8.3 32500 30001 15.5 *
<1414> ショーボンド 6.1 5822 5486 3.6 18300 17669 24.1
<4483> JMDC 5.4 1869 1773 28.5 7550 5876 66.7 *
<8060> キヤノンMJ 5.1 15423 14680 0.8 51400 50991 12.8
<3626> TIS 5.1 17734 16880 0.5 63500 63204 22.4
<6005> 三浦工 4.4 7165 6862 4.8 24600 23467 23.8 *
<6436> アマノ 3.5 7105 6867 9.1 18500 16960 17.3
<6504> 富士電機 3.0 46544 45175 4.8 92000 87811 13.7
<6902> デンソー 2.7 158715 154538 21.5 555000 456870 17.3 *
<6503> 三菱電 2.7 103109 100401 0.5 355000 353206 15.5 *
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース
下表では、本決算月にかかわらず、23年1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している31社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはメルカリ <4385> [東証P]。23年1-3月期(第3四半期)の経常利益は57.6億円と過去最高益を62.5%も上回って着地。主力の国内フリマ事業で新規ユーザーの獲得や出品促進施策に注力し流通取引総額が堅調に推移するなか、国内外で広告宣伝費などのコスト削減を進めたことが利益拡大につながった。併せて、非開示だった通期の同損益は138億円の黒字(前期は38.9億円の赤字)と2期ぶりに最高益を更新する見通しを示した。
2位に入ったクボタ <6326> [東証P]の1-3月期(第1四半期)は、インフラ開発需要などを背景に北米で建設機械が増勢だったほか、欧州では在庫不足緩和によってトラクターの販売が伸びた。また、値上げの浸透や円安効果なども寄与し、税引き前利益は前年同期比41.0%増の1054億円と8四半期ぶりに過去最高益を塗り替えた。
4位の横河電機 <6841> [東証P]と5位の東急不動産ホールディングス <3289> [東証P]は、いずれも1-3月期(第4四半期)に実に17年ぶりとなる最高益更新を果たした。制御システムを主力とする大手電機メーカーの横河電は大口プロジェクト案件が順調に進んだうえ、値上げや円安効果も収益を押し上げた。
一方の東急不HDは都市開発事業で収益不動産の売却益が膨らんだほか、赤字が続いていた東急ハンズの売却やホテル事業の回復で管理運営事業の利益が大きく改善した。決算発表と同時に、横河電は自社株買いの実施、東急不HDは今期増配計画を発表したことも好感され、株価はともに年初来高値圏に急浮上している。
続く6位にリスト入りした朝日インテック <7747> [東証P]の1-3月期(第3四半期)は円安や症例数の回復を追い風に、主力のPCIガイドワイヤーや貫通カテーテルが欧米で好調だったほか、販売促進を強化した中国での販売も大きく伸びた。22年7月-23年3月期(第3四半期累計)経常利益は159億円と通期計画174億円に対する進捗率が91.6%に達しており、業績上振れは確実とみられる。
選出リストには、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進などに向けた需要を捉えるITサービス関連企業が多く入った。SCSK <9719> [東証P]、インターネットイニシアティブ <3774> [東証P]、日鉄ソリューションズ <2327> [東証P]、富士ソフト <9749> [東証P]、BIPROGY <8056> [東証P]、TIS <3626> [東証P]がリスト入りしており、このうちIIJとNSSOLは決算発表後に上場来高値を更新している。
このほか、製造業ではパワー半導体を展開する2社が入った。13位のサンケン電気 <6707> [東証P]は電動車や先進運転支援システムの普及を背景に自動車向け製品の引き合いが旺盛だったほか、産業機械向けではクリーンエネルギーやFA市場向けのパワー半導体が大きく伸び、1-3月期(第4四半期)は3四半期連続の最高益更新を遂げた。また、29位の富士電機 <6504> [東証P]も電動車や産業分野向けのパワー半導体が増勢だった。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 1-3月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<4385> メルカリ 62.5 5765 3548 177 13800 4975 56.2
<6326> クボタ 34.7 105495 78318 10.8 278000 250917 12.7 *
<8174> 日ガス 33.5 9269 6942 21.4 18700 15401 20.1
<6841> 横河電 31.0 21809 16645 0.8 49000 48608 16.5
<3289> 東急不HD 30.6 45043 34501 0.9 100500 99558 8.9
<7747> 朝日インテク 27.5 6331 4967 6.7 17423 16326 61.6
<9719> SCSK 22.8 16478 13419 2.6 54700 53336 18.7 *
<3064> モノタロウ 18.3 8084 6832 21.2 31986 26398 42.4
<3774> IIJ 15.7 8291 7165 11.1 30350 27309 23.5 *
<2327> NSSOL 13.9 9513 8352 5.9 34000 32101 16.8 *
<4088> エアウォータ 11.6 19918 17848 9.0 70000 64230 9.5 *
<9532> 大ガス 11.3 82469 74103 17.8 159000 134986 8.0
<6707> サンケン 11.2 9915 8914 32.2 36000 27229 19.5
<9749> 富士ソフト 11.1 6050 5446 5.7 20300 19205 22.9
<8088> 岩谷産 10.7 17383 15698 7.0 50300 47011 11.5
<9503> 関西電 10.4 171123 155051 42.7 425000 297801 4.7
<8804> 東建物 9.2 27472 25156 5.5 67000 63531 8.5
<4812> ISID 8.4 5781 5331 9.0 20000 18354 24.4
<3288> オープンH 7.4 38022 35418 12.7 136500 121166 7.2
<4732> USS 7.3 12118 11294 3.4 46000 44491 18.1
<7701> 島津 7.2 22562 21040 0.2 71000 70882 25.0
<8056> ビプロジー 6.4 10049 9443 8.3 32500 30001 15.5 *
<1414> ショーボンド 6.1 5822 5486 3.6 18300 17669 24.1
<4483> JMDC 5.4 1869 1773 28.5 7550 5876 66.7 *
<8060> キヤノンMJ 5.1 15423 14680 0.8 51400 50991 12.8
<3626> TIS 5.1 17734 16880 0.5 63500 63204 22.4
<6005> 三浦工 4.4 7165 6862 4.8 24600 23467 23.8 *
<6436> アマノ 3.5 7105 6867 9.1 18500 16960 17.3
<6504> 富士電機 3.0 46544 45175 4.8 92000 87811 13.7
<6902> デンソー 2.7 158715 154538 21.5 555000 456870 17.3 *
<6503> 三菱電 2.7 103109 100401 0.5 355000 353206 15.5 *
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
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