ODK Research Memo(5):2023年3月期は営業・経常減益、最終増益で着地
■業績動向
1. 2023年3月期連結業績の概要
ODKソリューションズ<3839>の2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比1.2%増の5,566百万円、営業利益が同3.7%減の420百万円、経常利益が同11.7%減の449百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.8%増の236百万円となった。売上面はM&Aが寄与したが、教育関連サービスや金融関連サービスにおいて新規受託が計画を下回ったことを主因に売上高が小幅増収に留まり、営業費用の増加(M&Aに伴う人件費や退職給付費用の増加、外部要員費用の増加、新規事業のための研究開発費の増加、M&A関連費用の増加など)を吸収できず、営業・経常減益で着地した。経常利益は営業外収益での投資事業組合運用益剥落(20百万円剥落)や保険解約返戻金減少(16百万円減少)なども影響した。親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失が減少(145百万円減少)したため増益となった。
連結ベースの事業別売上高は、システム運用(5,333百万円)が子会社ECSの14ヶ月分連結やクシムからの事業譲受も寄与して増収、システム開発及び保守(152百万円)がホームページリニューアル開発や模試関連eラーニングシステムのスポット案件剥落で減収、機械販売(80百万円)が医療システム機器更改の販売剥落で減収となった。業務別売上高は、教育業務(3,479百万円)が新規受託の未達などで減収、証券・ほふり業務(1,049百万円)が証券会社向けフロント・バックシステム「WITH-X(ウィズクロス)」システム運用業務の一部剥落などで減収、一般業務がホームページリニューアル開発案件剥落などで減収、その他が子会社ECSの寄与などにより増収となった。
2. 連結財務状況
2023年3月期末の資産合計は前期末比507百万円増加して8,537百万円となった。主に流動資産で現金及び預金が283百万円増加、固定資産でソフトウェアが366百万円増加した。負債合計は同445百万円増加して2,740百万円となった。主に有利子負債(長短借入金)が615百万円増加した。純資産は同61百万円増加して5,797百万円となった。主に利益剰余金が154百万円増加した。この結果、自己資本比率は同3.5ポイント低下して67.9%となった。自己資本比率は低下したものの依然として高水準であり、流動比率や営業キャッシュ・フロー等にも懸念点は見当たらないことから、弊社では財務面の健全性は良好と評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《SI》
提供:フィスコ