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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9413 テレ東HD

東証P
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USENNEX Research Memo(3):個人向けコンテンツ配信や店舗・施設向け運営支援サービスなどを展開(1)


■USEN-NEXT HOLDINGS<9418>の会社概要

3. 事業内容
事業セグメントは、コンテンツ配信事業、店舗サービス事業、通信事業、業務用システム事業、エネルギー事業の5つである。コンテンツ配信事業では、個人向けに映画や電子書籍といったデジタルコンテンツを配信している。そのほかの4事業では、法人や個人事業主による業務店など中小事業所・各種施設に対して運営支援などのサービスを提供しており、店舗サービス事業では、飲食・小売といった業務店や各種施設に対して、音楽配信や店舗DX、店舗向け集客支援など店舗経営のためのソリューションサービスを提供している。通信事業では、オフィス向けなどに、ネットワーク・セキュリティなどのサービス提供やインターネットサービスなどの代理販売を行っている。業務用システム事業は、ホテルや病院などに向けて、自動精算機やフロント業務管理システムなどの機器販売や保守サービスを行っている。エネルギー事業は、店舗サービス事業や通信事業の顧客などに対し、高圧/低圧の電力やガスの販売を行っている。

事業会社は持株会社である同社の傘下にある連結子会社で構成されており、コンテンツ配信事業はU-NEXT、(株)TACT、店舗サービス事業はUSEN、キャンシステム(株)、(株)USEN Media、(株)USEN FB Innovation、(株)USENテクノサービス、USEN-NEXT Design(株)、(株)ユーズミュージック、(株)バーチャルレストランが運営している。通信事業は(株)USEN NETWORKS、U-NEXT、(株)USEN ICT Solutions、(株)USEN Smart Works、(株)USEN-NEXT LIVING PARTNERS、(株)U-MX、(株)Next Innovation、Y.U-mobile(株)、業務用システム事業は(株)アルメックス、エネルギー事業はUSENと(株)U-POWERが行っている。

(1) コンテンツ配信事業
個人向けコンテンツ配信サービス「U-NEXT」は、映画やテレビといった動画から電子書籍、音楽を、インターネットを通じてテレビやPC、スマートフォンなど様々なデバイスで視聴することができる月額課金型の有料サービスである。コロナ禍で急拡大した動画配信市場は、ウィズコロナにシフトするなかで成長鈍化が指摘されていたが、日本では米国などに比べて定額制動画配信の利用が十分進んでいないこともあり、依然中期的に拡大傾向にあると見られている。日本の動画配信市場は伸びしろのある成長市場と言えるがその分競争も激しく、キー局系ほか中小事業者の多くが伸び悩んでいるもようである。そのなかで「U-NEXT」は独自の強みを生かして成長を続けており、国内のマーケットシェアにおいてAmazonプライム・ビデオやディズニープラスといった外資大手を抑え、Netflixに次ぐ第2位の座を固めているところである。

外資3社は、巨額資金を背景に制作したオリジナル作品に圧倒的な強みがある。これに対するのが国内外のコンテンツを網羅的にラインナップしている「U-NEXT」である。「カバレッジ戦略」によって、映画、ドラマ、アニメなど27万本以上の見放題作品に加え、公開・放送されたばかりの最新作を含む3万本以上のレンタル作品を視聴可能で、業界トップと言われる作品数を揃えている。新作の配信も早く、ニッチ分野や音楽ライブ・格闘技ライブなども配信している。また、漫画や書籍など91万冊以上の電子書籍や170誌以上の雑誌を読むことができる。音楽配信もパッケージされているため、1アプリで「観る」「読む」「聴く」をシームレスに、ジャンルを超えたエンターテイメント体験を楽しむことができる。同社サービスの月額利用料は2,189円(税込)と相対的に高く見えるが、毎月1,200円分のポイントが付与されるため実質989円(税込)になること(ポイントでは劇場観賞用クーポンも取得できる)、1アカウントで4人まで視聴できることなどを考え合わせれば、コストパフォーマンスはむしろ高く、課金ユーザー数は292万人に達している。(2023年2月時点)

同社は作品内容でも差別化を図っている。新作・話題作やスポーツコンテンツ、音楽コンテンツのライブ配信といった「ONLY ON戦略」(「U-NEXTでしか観られない」「見放題で楽しめるのはU-NEXTだけ」)という独占配信作品の強化に取り組んでいる。このため、NetflixやAmazonプライム・ビデオに対抗したい海外のコンテンツホルダーとの独占契約が増えている。また、音楽配信で構築した深い関係性を生かした独自の音楽ライブ配信を進めている。足元では、米ワーナーブラザース・ディスカバリー<WBD>とのSVOD独占包括パートナーシップ契約を強化し、独占配信できるエピソードが1,300から2,300へと拡充した。また、サッカーのプレミアリーグ(イギリス)、セリエA(イタリア)や野球のメジャーリーグ(アメリカ)など世界最高峰の試合をライブ配信で視聴できる「SPOTV NOW」や、世界最高峰の総合格闘技(MMA)団体のイベントを開催する米UFCと新たなパートナーシップ契約を締結し、全イベントのライブ配信を開始するなど、独自コンテンツの強化を続けている。さらに、大手では唯一成人向け作品の配信を手掛けている。レンタルビデオの成長期にTSUTAYAが米国大手のブロックバスターを圧倒した例からも、成人向け作品が大きな差別化要素になることが分かっている。このように外資大手と差別化された戦略を展開していることが、「U-NEXT」を選択するユーザーが継続的に増える要因である。コロナ禍をきっかけにユーザーが複数の動画配信サービスと契約するケースが増えており、「U-NEXT」にとって有利な状況となっている。

同社は2023年3月に、「U-NEXT」とキー局系動画配信サービスの1つ「Paravi」を統合した。これにより、コンテンツ面での差別化がさらに強まりそうだ。「Paravi」は、TBSホールディングス<9401>、(株)日本経済新聞社、テレビ東京ホールディングス<9413>、WOWOW<4839>、電通グループ<4324>、(株)博報堂DYメディアパートナーズが共同出資した(株)プレミアム・プラットフォーム・ジャパン(以下、PPJ)の共同動画配信サービスである。月額1,017円(税込)で、TBSやテレビ東京、WOWOWのコンテンツを幅広くラインナップしているため、国内ドラマでは日本最大級のアーカイブ数を誇り、有料会員数も85万人に達している。同社と「Paravi」が統合するに至ったのは、補完的なコンテンツや客層などによる統合シナジーを背景に加速度的に事業価値を高められること、プラットフォームとしてトップを目指す足がかりになることなどが要因と推測される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《YI》

 提供:フィスコ

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