ニーズウェル Research Memo(1):目標売上高100億円に向けてさらなる売上拡大とM&A探索を継続
■要約
ニーズウェル<3992>は、金融系システム開発を中心として、基幹業務に関わるシステム開発である「業務系システム開発」、サーバー等のハードウェアの環境設計・構築・導入の実施及びネットワーク環境に通信機器の設定を行う「基盤構築」、インターネットで接続された精密機器等で収集したデータを業務系システムに連動させて活用する「コネクテッド開発」、5Gとテレワークで重要な情報セキュリティ対策のサポートなどを行う「ソリューション」の4つのサービスラインを展開する独立系のシステムインテグレータ企業である。同社は、主力の「業務系システム開発」の中でも生命保険・損害保険分野に強みを持ち、銀行・クレジットカード・証券で多数の実績を誇り、生命保険会社・大手ホテル・通信キャリアなどエンドユーザーとの直接取引が、同社の2022年9月期の売上構成の65.3%を占めている。顧客のビジネスの目的に合わせた最適な5G関連、AI、RPA※、テレワークなどのソリューションサービスを提供している。同社は、2022年10月より零壱製作(株)、(株)ビー・オー・スタジオ、(株)コムソフトの3社を連結子会社にし、かつ(株)総研システムズを持分法適用会社とし、単体決算から連結決算に移行した。創立37年目を迎えた2023年9月期においては、2023年4月1日現在、新卒採用65名を加え全社員600名を超える。
※Robotic Process Automationの略。人間にしかできなかったとされる作業を、AIや機械学習などを活用し人間に代わって行う仕組みのこと。
1. 2023年9月期第1四半期の連結業績概要
2023年9月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比※457百万円増加の2,020百万円(同29.3%増)、営業利益は同77百万円増加の248百万円(同45.6%増)、経常利益が同68百万円増加の249百万円(同37.9%増)、親会社に帰属する四半期純利益は同41百万円増の167百万円(同33.4%増)であった。「業務系システム開発」では、生命保険・損害保険向けの案件が伸長し、「基盤構築」では、社会インフラ向けのセキュリティ関連で一括請負の案件が増加した。「コネクテッド開発」は、医療向けの案件が安定しており、「ソリューション」では独自のソリューションやサービスの提供により、好調に受注を拡大した。
※2022年9月期は単体決算のため、2022年9月期第1四半期の単体業績と比較して算出している(以下の項目も同様)。
2. 2023年9月期連結業績の見通し
2023年9月期の連結業績予想は、期初予想では、売上高が前期比※2,269百万円増加の9,000百万円(同33.7%増)、営業利益は同110百万円増加の801百万円(同16.0%増)、経常利益が同120百万円増加の845百万円(同16.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は同67百万円増の567百万円(同13.6%増)の見込みであったが、2023年3月に発表した修正予想では、売上高が前期比2,328百万円増加の9,059百万円(同34.6%増)、営業利益は同313百万円増加の1,004百万円(同45.3%増)、経常利益は同294百万円増加の1,019百万円(同40.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は同179百万円増加の679百万円(同36.0%増)と大幅に上方修正した。中期経営計画の最終年度である2023年9月期においては、売上高100億円、経常利益10億円を掲げているため、2023年9月期の予想売上高90億円に対して、目標売上高100億円に満たない10億円における対策として資本業務提携・業務提携によるさらなる売上拡大とシナジー効果の期待できるM&A案件の探索を継続して行う予定である。
※2022年9月期は単体決算のため、2022年9月期の単体業績と比較して算出している(以下の項目も同様)。
3. 成長戦略
同社は、2023年9月期の目標として、売上高を100億円、CAGR(年平均成長率)23.1%、経常利益を10億円、CAGR(年平均成長率)24.8%を掲げている。サービスライン別の売上構成比においては、2023年9月期までに主力である「業務系システム開発」の構成比を70.0%に維持したまま着実に収益を確保し、「ソリューション」の構成比を成長ドライバーとして15.0%まで引き上げる計画である。
同社は、機関投資家、個人投資家及びメディアに対応してCI※1、VI※2を行う「IR」、公募の売り出しや新株発行、M&Aを中心とした「資本政策」、売上高成長率20%、経常利益率10%、売上総利益率25%、販売費及び一般管理費率10%、2023年9月期の売上高及び流通株式時価総額100億円を目標とした「業績」、ESG、SDGs、コーポレートガバナンスを中心とした「サステナビリティ」の4つのバリューアップを目指す。
※1 Corporate Identityの略。企業の統一したイメージを構築すること。
※2 Visual Identityの略。CIで構築された理念などからロゴなどの視覚的な表現を行うこと。
■Key Points
・2022年10月に連結子会社3社と持分法適用会社1社を傘下にし、単体決算から連結決算に移行した
・2023年9月期第1四半期の連結業績は売上高・利益面ともに大幅な増収増益
・2023年3月に発表した2023年9月期の修正予想は大幅に上方修正
・2023年9月期の目標売上高100億円に向けて、資本業務提携・業務提携によるさらなる売上拡大と、シナジー効果の期待できるM&A案件の探索を継続して行う
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
《YI》
提供:フィスコ