アルプス技研 Research Memo(5):技術者人材の採用に一定の成果。新規事業も着実に進展
■アルプス技研<4641>の主な活動実績
1. 採用及び教育実績
同社成長のドライバーとなる人材の採用については、2022年新卒採用者として330名(2021年は314名)を確保するとともに、質を重視したキャリア人材についても90名程度を採用したことで期末の技術社員数(単体)は4,165名(前期末比196名増)に増加した。2023年新卒採用者についても約280名が入社した。外国人材については、コロナ禍に伴う入国制限が緩和されたことにより、グローバルエンジニア及びアグリ人材を合わせて約170名(うち、アグリ人材は約130名)を受け入れることができ、前期までの遅れを一定程度取り戻すことができた。
教育についても約1,000にも上る講座数を用意し、各拠点にて約3,000回の勉強会を実施した。テーマは、資格取得やキャリア開発、リーダー育成のほか、最近では先端分野を担う技術者育成に注力している。
2. 新規事業の進捗
(1) 農業関連分野
アルプスアグリキャリアについては、国内における農業人材不足は顕著であり、コロナ禍に伴う入国制限の緩和とともに体制を整え、成長軌道へと乗せる構えだ。2022年9月13日には埼玉縣信用金庫と農業人材派遣サービスに関する業務提携を開始した。同金庫取引先農業事業者にとって課題となっている「人材不足」等に対して、アグリテック※から就農(派遣)まで幅広い人材サービスを提供することにより課題解決を図る方針である。
※農業領域でIoTやドローンなど情報通信技術を活用すること。
(2) 介護関連分野
介護関連事業サービスを行うアルプスケアハートについては、まずは国内人材の活用による訪問介護サービスを相模原市から開始し、神奈川県、首都圏、そして全国へと事業所を拡充する計画である。2022年4月に3号店(菊名)、同年7月に4号店(東神奈川)を開設すると、2023年に入ってからも3月に5号店(相模大野)を開設し、着々と店舗数を増やしている。
3. グループ再編
2023年2月には、連結子会社のパナR&Dの受託部門を、同じく連結子会社のデジタル・スパイスに承継させる吸収分割を行うとともに、パナR&Dの受託部門以外については同社自身が吸収合併することを決議した(2023年4月1日に実施)。パナR&Dが強みとするソフト分野の技術力を取り込み、より高度で多様な技術サービスを実現できる体制を構築し企業価値を高め、ものづくり事業の成長につながる受託事業をデジタル・スパイスへ集約し、スピード感を持った意思決定と技術力の底上げにより事業規模の拡大を図ることにねらいがある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
《SI》
提供:フィスコ