ヴィンクス Research Memo(8):ニューリテール戦略の進捗は順調
■成長戦略
2. ニューリテール戦略の進捗状況
小売業向けDXプラットフォームとなるMD基幹システム「MDware」の導入社数は順調に拡大し、2022年12月期末時点で累計73社となった。さらに2023年12月期末時点では累計80社の計画としている。また、自動化によって業務改善を実現するRPA「BizRobo!」の導入社数も順調に増加し、2022年12月期末時点で累計44社となった。さらに2023年12月期末時点では累計50社の計画としている。なおヴィンクス<3784>はRPAテクノロジーズ(株)(RPAホールディングス<6572>の子会社)の販売代理店として、「BizRobo! Family Awards」を数多く受賞している。
POS関連では、主力の「ANY-CUBE」シリーズとマルチ決済を実現するプラットフォーム「SoftWare CAT」シリーズ合計の導入台数が、2023年12月期末時点で累計161,000台まで拡大する見込みとしている。スマートストアに対応した次世代カート型POSの導入店舗数は2022年12月期末時点で累計117店舗に導入され、累計12,000台以上が稼働中となっている。
中長期成長ポテンシャル大きい
3. 中長期展望
同社は市場シェア(国内小売業の社数ベース)について、現時点で同社と取引のある社数が、大企業の多い総合スーパー・スーパーマーケット領域でおおむね50%程度、ドラッグストア・ホームセンター領域でおおむね30%程度、中堅・中小企業の多いアパレル・専門店・その他領域では20%以下と推定している。現在の主ターゲットとしている大手総合スーパー・スーパーマーケット・ドラッグストア領域で市場シェア向上余地があるだけでなく、アパレルや専門店を中心とする領域においてはさらなる市場開拓余地が大きい。アパレル領域に関してはホロンを子会社化して拡販を推進する方針としている。
小売業界においては個人消費・購買行動の変化や労働力不足への対応などで、ニューリテールと呼ばれる新技術を活用した店舗運営を実現するためにDX投資が加速すると予想されている。同社は流通小売業を熟知し、異なるPOSを柔軟に組み合わせて導入できることなどを強みとしており、さらに市場開拓余地が大きいことなども勘案すれば、流通小売業のDXをリードするITサービス企業として中長期成長ポテンシャルは大きいと弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《SI》
提供:フィスコ