絶好調の23年12月期【最高益】銘柄リスト〔第1弾〕 <成長株特集>
本特集では、4月下旬から始まる3月期企業の本決算発表を前に、先行指標としても注目される12月期決算企業の23年12月期業績予想にスポットライトを当てた。下表は、23年12月期に経常利益が過去最高益を更新する見通しを示している企業をリストアップした。
株探集計によると、23年12月期の見通しを開示した東証上場447社のうち、経常利益ベースで増益または黒字転換を計画する企業は290社だった。今回はこのうち、時価総額800億円以上の銘柄を対象に、23年12月期に経常利益が最高益更新を見込んでいる34社を選び出し、増益率が大きい順に記した。
増益率トップとなったのは、人工知能(AI)を活用したマーケティングソリューションを提供するAppier Group <4180> [東証P]。23年12月期は新規顧客の継続的な地域・業種の拡大や大企業を中心とする強固な顧客基盤を背景に売上高が大きく伸びるほか、アルゴリズムの精度改善などで収益性も向上し、税引き前利益は前期比7.3倍の8.1億円と過去最高だった前期実績を大幅に更新する見通しだ。
2位に入ったサイボウズ <4776> [東証P]の23年12月期業績は、業務アプリ構築プラットフォーム「kintone」を主力とするクラウドサービスの導入企業が引き続き増加する。また、直近2年でテレビCMを中心に強化してきた広告宣伝費を抑制し、経常利益は前期比2.5倍の24.5億円と3期ぶりの最高益更新を見込む。業績好調に伴い、配当は前期比1円増の14円と5期連続の増配方針を示している。
4位にリスト入りした人材派遣や業務請負を展開するアウトソーシング <2427> [東証P]は国内と海外すべての部門で売上成長を計画するほか、のれんなどの減損損失や一過性費用が剥落することで、2期連続の最高益更新を目指す。今期はこれまで積極展開してきたM&A戦略を転換し、新規の投資を抑制して財務体質の改善に注力する構えだ。併せて、配当は前期比18円増の43円に大幅増配する方針とした。
選出リストには、デジタルトランスフォーメーション(DX)など企業の活発なIT投資を背景に業績を伸ばす企業が目立つ。なかでも、ソフトウェア受託開発を手掛ける11位のベース <4481> [東証P]、電通系システム開発会社で18位に入った電通国際情報サービス <4812> [東証P]は好決算が評価され、株価は上場来高値を更新中だ。
13位のユニチャーム <8113> [東証P]の株価も青空圏を舞う展開となっている。23年12月期は生理用品や紙おむつなどの高付加価値商品の提供によって原材料関連の悪化を吸収し、売上高、税引き前利益ともに過去最高を更新する見通しだ。また、配当は前期比2円増の40円と22期連続の増配を計画している。
続いて株価が上昇基調にある銘柄を見ていく。15位のHIOKI <6866> [東証P]は世界的な脱炭素化の流れの加速化による電気自動車(EV)へのシフトを追い風に、自動車、電子部品、バッテリー市場向け電子測定器の受注が伸び、3期連続の最高益を見込む。好調な業績を踏まえ配当も増やす方針としており、株価は22年1月以来の高値圏に浮上している。
28位にリストアップされた荏原製作所 <6361> [東証P]は半導体の長期的な需要拡大を背景に、半導体研磨装置などを展開する精密・電子事業の好調継続を見込む。半導体関連では、半導体領域を成長分野に位置づける総合バルブメーカーのキッツ <6498> [東証P]が29位、半導体フォトレジストで世界首位級の東京応化工業 <4186> [東証P]が30位に入っている。
このほか、21位のアサヒグループホールディングス <2502> [東証P]、26位のSBSホールディングス <2384> [東証P]、27位のアシックス <7936> [東証P]なども成長期待を背景に上値追いを続けている。
┌─── 経常利益 ───┐ 予想
コード 銘柄名 増益率 23年12月期 22年12月期 PER
<4180> Appier 634 815 111 237 *
<4776> サイボウズ 148 2450 987 90.7
<7744> ノーリツ鋼機 67.3 6600 3944 18.6 *
<2427> アウトソシン 61.5 27500 17030 9.1 *
<9543> 静ガス 49.2 14160 9491 9.2
<4151> 協和キリン 39.1 94000 67572 20.4 *
<3105> 日清紡HD 32.4 27000 20397 8.8
<4612> 日本ペHD 28.2 134000 104495 29.7 *
<3064> モノタロウ 21.2 31986 26398 36.1
<7944> ローランド 21.0 12400 10250 11.7
<4481> ベース 19.4 4692 3931 32.6
<6326> クボタ 18.8 278000 233927 12.8 *
<8113> ユニチャーム 18.8 137500 115708 39.9 *
<4480> メドレー 15.3 1760 1526 109
<6866> HIOKI 10.9 8080 7287 19.4
<9757> 船井総研HD 10.5 7950 7197 24.3
<2124> ジェイエイシ 10.4 7783 7052 19.1
<4812> ISID 9.0 20000 18354 24.2
<5310> 東洋炭素 8.6 8000 7369 15.7
<3003> ヒューリック 7.1 132000 123222 9.6
<2502> アサヒ 6.8 220000 205992 15.8 *
<9830> トラスコ中山 6.0 15970 15065 13.5
<9749> 富士ソフト 5.7 20300 19205 19.6
<8804> 東建物 5.5 67000 63531 7.6
<4919> ミルボン 5.4 8250 7829 30.6
<2384> SBSHD 4.2 22300 21404 11.1
<7936> アシックス 3.5 32000 30913 34.3
<6361> 荏原 2.5 71200 69481 10.8 *
<6498> キッツ 2.1 12300 12045 9.7
<4186> 東応化 2.0 31600 30966 16.0
<7846> パイロット 1.6 23000 22633 10.6
<8892> 日エスコン 1.3 14200 14012 8.8
<4848> フルキャスト 1.2 10000 9884 13.1
<8060> キヤノンMJ 0.8 51400 50991 11.5
※経常利益の単位は百万円。2022年1月以降に上場した企業は除いた。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース
株探集計によると、23年12月期の見通しを開示した東証上場447社のうち、経常利益ベースで増益または黒字転換を計画する企業は290社だった。今回はこのうち、時価総額800億円以上の銘柄を対象に、23年12月期に経常利益が最高益更新を見込んでいる34社を選び出し、増益率が大きい順に記した。
増益率トップとなったのは、人工知能(AI)を活用したマーケティングソリューションを提供するAppier Group <4180> [東証P]。23年12月期は新規顧客の継続的な地域・業種の拡大や大企業を中心とする強固な顧客基盤を背景に売上高が大きく伸びるほか、アルゴリズムの精度改善などで収益性も向上し、税引き前利益は前期比7.3倍の8.1億円と過去最高だった前期実績を大幅に更新する見通しだ。
2位に入ったサイボウズ <4776> [東証P]の23年12月期業績は、業務アプリ構築プラットフォーム「kintone」を主力とするクラウドサービスの導入企業が引き続き増加する。また、直近2年でテレビCMを中心に強化してきた広告宣伝費を抑制し、経常利益は前期比2.5倍の24.5億円と3期ぶりの最高益更新を見込む。業績好調に伴い、配当は前期比1円増の14円と5期連続の増配方針を示している。
4位にリスト入りした人材派遣や業務請負を展開するアウトソーシング <2427> [東証P]は国内と海外すべての部門で売上成長を計画するほか、のれんなどの減損損失や一過性費用が剥落することで、2期連続の最高益更新を目指す。今期はこれまで積極展開してきたM&A戦略を転換し、新規の投資を抑制して財務体質の改善に注力する構えだ。併せて、配当は前期比18円増の43円に大幅増配する方針とした。
選出リストには、デジタルトランスフォーメーション(DX)など企業の活発なIT投資を背景に業績を伸ばす企業が目立つ。なかでも、ソフトウェア受託開発を手掛ける11位のベース <4481> [東証P]、電通系システム開発会社で18位に入った電通国際情報サービス <4812> [東証P]は好決算が評価され、株価は上場来高値を更新中だ。
13位のユニチャーム <8113> [東証P]の株価も青空圏を舞う展開となっている。23年12月期は生理用品や紙おむつなどの高付加価値商品の提供によって原材料関連の悪化を吸収し、売上高、税引き前利益ともに過去最高を更新する見通しだ。また、配当は前期比2円増の40円と22期連続の増配を計画している。
続いて株価が上昇基調にある銘柄を見ていく。15位のHIOKI <6866> [東証P]は世界的な脱炭素化の流れの加速化による電気自動車(EV)へのシフトを追い風に、自動車、電子部品、バッテリー市場向け電子測定器の受注が伸び、3期連続の最高益を見込む。好調な業績を踏まえ配当も増やす方針としており、株価は22年1月以来の高値圏に浮上している。
28位にリストアップされた荏原製作所 <6361> [東証P]は半導体の長期的な需要拡大を背景に、半導体研磨装置などを展開する精密・電子事業の好調継続を見込む。半導体関連では、半導体領域を成長分野に位置づける総合バルブメーカーのキッツ <6498> [東証P]が29位、半導体フォトレジストで世界首位級の東京応化工業 <4186> [東証P]が30位に入っている。
このほか、21位のアサヒグループホールディングス <2502> [東証P]、26位のSBSホールディングス <2384> [東証P]、27位のアシックス <7936> [東証P]なども成長期待を背景に上値追いを続けている。
┌─── 経常利益 ───┐ 予想
コード 銘柄名 増益率 23年12月期 22年12月期 PER
<4180> Appier 634 815 111 237 *
<4776> サイボウズ 148 2450 987 90.7
<7744> ノーリツ鋼機 67.3 6600 3944 18.6 *
<2427> アウトソシン 61.5 27500 17030 9.1 *
<9543> 静ガス 49.2 14160 9491 9.2
<4151> 協和キリン 39.1 94000 67572 20.4 *
<3105> 日清紡HD 32.4 27000 20397 8.8
<4612> 日本ペHD 28.2 134000 104495 29.7 *
<3064> モノタロウ 21.2 31986 26398 36.1
<7944> ローランド 21.0 12400 10250 11.7
<4481> ベース 19.4 4692 3931 32.6
<6326> クボタ 18.8 278000 233927 12.8 *
<8113> ユニチャーム 18.8 137500 115708 39.9 *
<4480> メドレー 15.3 1760 1526 109
<6866> HIOKI 10.9 8080 7287 19.4
<9757> 船井総研HD 10.5 7950 7197 24.3
<2124> ジェイエイシ 10.4 7783 7052 19.1
<4812> ISID 9.0 20000 18354 24.2
<5310> 東洋炭素 8.6 8000 7369 15.7
<3003> ヒューリック 7.1 132000 123222 9.6
<2502> アサヒ 6.8 220000 205992 15.8 *
<9830> トラスコ中山 6.0 15970 15065 13.5
<9749> 富士ソフト 5.7 20300 19205 19.6
<8804> 東建物 5.5 67000 63531 7.6
<4919> ミルボン 5.4 8250 7829 30.6
<2384> SBSHD 4.2 22300 21404 11.1
<7936> アシックス 3.5 32000 30913 34.3
<6361> 荏原 2.5 71200 69481 10.8 *
<6498> キッツ 2.1 12300 12045 9.7
<4186> 東応化 2.0 31600 30966 16.0
<7846> パイロット 1.6 23000 22633 10.6
<8892> 日エスコン 1.3 14200 14012 8.8
<4848> フルキャスト 1.2 10000 9884 13.1
<8060> キヤノンMJ 0.8 51400 50991 11.5
※経常利益の単位は百万円。2022年1月以降に上場した企業は除いた。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース