メイホーHD Research Memo(6):上期の受注状況とM&Aに伴う業績への影響を踏まえ、通期業績予想を修正
■今後の見通し
● 2023年6月期の業績見通し
2023年6月期の連結業績予想についてメイホーホールディングス<7369>は2023年2月14日に修正し、売上高で前期比19.4%増(期初予想比4.3%増)の7,300百万円、営業利益で同3.7%減(同10.8%減)の330百万円、経常利益で同14.3%減(同10.5%減)の340百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同33.1%減(同28.6%減)の150百万円とした。
同社は2023年1月、(株)三川土建の株式を取得しグループ入りしたことに加え、スタッフアドバンスが(株)エムアンドエムより人材派遣事業を譲受した。これらの業績は2023年6月期下期より貢献することから、売上高を上方修正した。一方、燃料費や建設資材等の上昇、円安による原価率の上昇、株式取得や事業譲受に伴う一時的な費用としてアドバイザリー費用等29百万円を一般管理費に織り込んだことから、営業利益を下方修正した。また、税効果を認識できないのれんの償却費など評価性引当額の増加を見込み、親会社株主に帰属する当期純利益を下方修正した。成長戦略であるM&Aの推進によりアドバイザリー費用やのれん償却などが発生し、一時的に収益が圧迫されるが、のれん償却後は収益の底上げにつながることから、懸念すべき内容ではないと弊社では見ている。
なお、2023年6月期上期の受注状況及びM&Aに伴う業績への影響を踏まえ、事業セグメント別見通しも修正した。詳細は以下のとおりである。
(1) 建設関連サービス事業
売上高は前期比21.5%増(期初予想比2.5%増)の3,690百万円、営業利益は同22.6%増(同8.8%増)の505百万円を見込んでいる。堅調な事業環境は2023年6月期下期も継続する見通し。上期に過去最高まで積み上がった受注残高は2023年3月末に向けて消化が進むと見込み、売上高・営業利益ともに上方修正した。
(2) 人材関連サービス事業
売上高は前期比17.1%増(期初予想比6.0%増)の1,360百万円、営業利益は同7.3%減(同12.4%減)の120百万円を見込んでいる。スタッフアドバンスの人材派遣事業譲受に伴う業績寄与(2023年6月期第3四半期から)を踏まえ、売上高を上方修正した。一方、事業譲受に伴い下期に仲介手数料及びのれんの計上を予定していることから、営業利益を下方修正した。ただし、足元では既存顧客からの引き合いが好調であることから、既存事業は順調に推移していると弊社では見ている。
(3) 建設事業
売上高は前期比19.9%増(期初予想比11.6%増)の1,540百万円、営業利益は同32.0%減(同31.7%減)の110百万円を見込んでいる。公共投資が堅調な事業環境に加えて、三川土建のグループ入りに伴う業績寄与(2023年6月期第3四半期から)を踏まえ、売上高を上方修正した。2023年6月期下期は、第3四半期に発注される工事の受注に注力する。一方、事業譲受に伴い下期に仲介手数料及びのれんの計上を予定していることから、営業利益を下方修正した。
(4) 介護事業
売上高は前期比10.0%増(期初予想比1.4%減)の710百万円、営業利益は同3.7%増(同5.0%減)の95百万円の見通し。コロナ禍の影響のほか、燃料費、食材費などの原価上昇を受け、売上高・営業利益ともに下方修正した。ただし、燃料費、食材費の上昇分については、各種助成金により最終的な損益への影響は限定的と見込み、軽微な修正に留まった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
《SI》
提供:フィスコ