利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 34社選出 <成長株特集>
本特集では、1月下旬から2月中旬までの決算集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編 第1弾として、時価総額1800億円以上の銘柄を対象に、22年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、22年10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している34社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは塩野義製薬 <4507> [東証P]。22年10-12月期(第3四半期)の税引き前利益は過去最高益を2.5倍も上回る1308億円に急拡大して着地。日本政府が新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」を200万人分購入し、1000億円を売上計上したことが収益を大きく押し上げた。また、英ヴィーブに導出した抗エイズウイルス(HIV)薬の販売が好調でロイヤリティ収入が膨らんだことも大幅増益に貢献した。
2位の寿スピリッツ <2222> [東証P]は政府の観光支援策「全国旅行支援」や行動制限の解除を受けて人流が回復するなか、洋菓子ブランドを展開する主力子会社シュクレイを中心に土産・ギフト商品の販売が大きく伸び、10-12月期(第3四半期)の経常利益は41.2億円と過去最高だった前年同期実績を52.9%も上回って着地。併せて、23年3月期通期の同利益予想を3期ぶり最高益見通しに上方修正している。
3位に入った独立系半導体商社のマクニカホールディングス <3132> [東証P]は注力分野の産業機器市場や車載市場で設備投資需要が継続し、アナログICなど半導体の販売が大きく伸びた。10-12月(第3四半期)の経常利益は過去最高だった直前の7-9月期実績を37.8%も上回る171億円となり、実に7四半期連続の最高益更新を果たした。業績好調に伴い、今期3度目となる23年3月期通期業績予想の上方修正に踏み切っている。
選出リストでは、四半期ベースの過去最高益を連続で更新した企業に株価が強調展開を見せるものが目立つ。4位のAZ-COM丸和ホールディングス <9090> [東証P]は、主力のEC物流事業で宅配の新たな配送エリアを受託したうえ、センター間における幹線輸送なども好調だった。また、昨年3月に連結子会社化したファイズホールディングス <9325> [東証P]の業績上積みも寄与し、10-12月期(第3四半期)は売上高、経常利益ともに直前の7-9月期に記録した過去最高を更新した。株価は昨年来高値圏を快走している。
7位のマツキヨココカラ&カンパニー <3088> [東証P]は経済活動の正常化が進むなか既存店売上高がプラス圏で推移したことに加え、ココカラファインとの統合効果などで利益率も改善し、10-12月期(第3四半期)は2四半期連続で過去最高益を達成した。足もとでは水際規制の緩和による訪日外国人観光客の回復を受けてインバウンド関連としても注目され、株価は9日に上場来高値をつけている。
8位に入ったのはパワー半導体を主力とするサンケン電気 <6707> [東証P]。10-12月期(第3四半期)は電気自動車(EV)や先進運転支援システムなどの普及を背景に自動車向け製品の高水準な出荷が続いたほか、産業機械市場ではOA・FA関連やデータセンター向けの需要を取り込んだ。また、為替の円安進行も追い風となり、経常利益は89.1億円と前年同期比2.4倍に膨らんだ。高成長のパワー半導体関連株として脚光を浴び、株価は9日に約17年2ヵ月ぶりに上場来高値を塗り替えた。
9位の大同特殊鋼 <5471> [東証P]は自動車減産などの影響で鋼材販売数量は減少したものの、原燃料コスト上昇分の販売価格への転嫁を進めたことで補った。また、エネルギー関連や舶用バルブ、航空機向け鍛造品の引き合いが強く、10-12月期(第3四半期)は2四半期連続最高益を遂げた。配当利回り3.65%で予想PER6.9倍、PBR0.67倍と割安な投資指標なども評価され、株価は上値追いの展開が続いている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<4507> 塩野義 147 130808 52985 32.5 210000 158516 10.6 *
<2222> 寿スピリッツ 52.9 4121 2696 27.9 8280 6475 52.1
<3132> マクニカHD 37.8 17122 12427 43.7 51000 35487 6.2
<9090> AZ丸和HD 37.4 3723 2710 26.1 11522 9139 32.6
<6951> 日電子 33.2 8237 6186 41.0 23000 16313 12.6
<7202> いすゞ 27.2 84815 66684 17.6 245000 208406 9.2
<3088> マツキヨココ 24.2 21196 17072 38.4 62100 44881 24.7
<6707> サンケン 23.3 8914 7227 67.9 23000 13700 35.2
<5471> 大同特鋼 17.6 15002 12753 16.9 46000 39366 6.9
<2875> 東洋水 17.0 13579 11605 13.7 44000 38697 18.8
<6361> 荏原 16.8 26932 23050 2.5 71200 69481 10.3 *
<3092> ZOZO 16.3 17439 14997 11.2 55200 49655 23.5
<8111> ゴルドウイン 15.9 14472 12491 29.2 26200 20285 27.0
<7780> メニコン 15.4 3814 3306 11.4 11200 10055 29.5
<4527> ロート 15.3 11577 10042 13.5 33000 29084 25.2
<8279> ヤオコー 13.7 10160 8932 6.1 24700 23290 16.7
<2267> ヤクルト 12.8 26510 23508 15.2 79000 68549 29.8
<9513> Jパワー 11.5 72108 64652 60.0 164000 102476 3.5
<9531> 東ガス 11.1 129646 116697 72.1 325000 188809 4.7
<8425> みずほリース 9.9 12679 11538 27.1 35000 27542 6.9
<6370> 栗田工 9.8 11454 10431 29.7 39000 30079 24.8 *
<9744> メイテック 7.7 4812 4466 22.5 15900 12975 17.7
<9031> 西鉄 7.4 7793 7259 8.1 24400 22580 12.3
<2801> キッコマン 7.1 18181 16979 3.6 56200 54231 30.5 *
<6645> オムロン 6.6 31742 29781 3.0 90000 87388 23.6
<3962> チェンジ 5.8 5049 4773 17.9 6967 5911 38.4 *
<4483> JMDC 5.5 1773 1681 25.4 6000 4785 67.6 *
<9759> NSD 4.5 3330 3188 7.3 12500 11654 19.9
<3003> ヒューリック 3.6 47144 45515 7.1 132000 123222 9.7
<4528> 小野薬 3.3 43360 41978 42.8 150000 105025 12.2 *
<3064> モノタロウ 1.3 6832 6746 21.2 31986 26398 39.7
<5393> ニチアス 0.9 8566 8492 3.0 31500 30572 8.3
<9613> NTTデータ 0.6 62455 62069 6.6 230000 215849 18.4 *
<9719> SCSK 0.6 13419 13339 11.8 54000 48315 16.4 *
※ 2022年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース
下表では、本決算月にかかわらず、22年10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している34社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは塩野義製薬 <4507> [東証P]。22年10-12月期(第3四半期)の税引き前利益は過去最高益を2.5倍も上回る1308億円に急拡大して着地。日本政府が新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」を200万人分購入し、1000億円を売上計上したことが収益を大きく押し上げた。また、英ヴィーブに導出した抗エイズウイルス(HIV)薬の販売が好調でロイヤリティ収入が膨らんだことも大幅増益に貢献した。
2位の寿スピリッツ <2222> [東証P]は政府の観光支援策「全国旅行支援」や行動制限の解除を受けて人流が回復するなか、洋菓子ブランドを展開する主力子会社シュクレイを中心に土産・ギフト商品の販売が大きく伸び、10-12月期(第3四半期)の経常利益は41.2億円と過去最高だった前年同期実績を52.9%も上回って着地。併せて、23年3月期通期の同利益予想を3期ぶり最高益見通しに上方修正している。
3位に入った独立系半導体商社のマクニカホールディングス <3132> [東証P]は注力分野の産業機器市場や車載市場で設備投資需要が継続し、アナログICなど半導体の販売が大きく伸びた。10-12月(第3四半期)の経常利益は過去最高だった直前の7-9月期実績を37.8%も上回る171億円となり、実に7四半期連続の最高益更新を果たした。業績好調に伴い、今期3度目となる23年3月期通期業績予想の上方修正に踏み切っている。
選出リストでは、四半期ベースの過去最高益を連続で更新した企業に株価が強調展開を見せるものが目立つ。4位のAZ-COM丸和ホールディングス <9090> [東証P]は、主力のEC物流事業で宅配の新たな配送エリアを受託したうえ、センター間における幹線輸送なども好調だった。また、昨年3月に連結子会社化したファイズホールディングス <9325> [東証P]の業績上積みも寄与し、10-12月期(第3四半期)は売上高、経常利益ともに直前の7-9月期に記録した過去最高を更新した。株価は昨年来高値圏を快走している。
7位のマツキヨココカラ&カンパニー <3088> [東証P]は経済活動の正常化が進むなか既存店売上高がプラス圏で推移したことに加え、ココカラファインとの統合効果などで利益率も改善し、10-12月期(第3四半期)は2四半期連続で過去最高益を達成した。足もとでは水際規制の緩和による訪日外国人観光客の回復を受けてインバウンド関連としても注目され、株価は9日に上場来高値をつけている。
8位に入ったのはパワー半導体を主力とするサンケン電気 <6707> [東証P]。10-12月期(第3四半期)は電気自動車(EV)や先進運転支援システムなどの普及を背景に自動車向け製品の高水準な出荷が続いたほか、産業機械市場ではOA・FA関連やデータセンター向けの需要を取り込んだ。また、為替の円安進行も追い風となり、経常利益は89.1億円と前年同期比2.4倍に膨らんだ。高成長のパワー半導体関連株として脚光を浴び、株価は9日に約17年2ヵ月ぶりに上場来高値を塗り替えた。
9位の大同特殊鋼 <5471> [東証P]は自動車減産などの影響で鋼材販売数量は減少したものの、原燃料コスト上昇分の販売価格への転嫁を進めたことで補った。また、エネルギー関連や舶用バルブ、航空機向け鍛造品の引き合いが強く、10-12月期(第3四半期)は2四半期連続最高益を遂げた。配当利回り3.65%で予想PER6.9倍、PBR0.67倍と割安な投資指標なども評価され、株価は上値追いの展開が続いている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<4507> 塩野義 147 130808 52985 32.5 210000 158516 10.6 *
<2222> 寿スピリッツ 52.9 4121 2696 27.9 8280 6475 52.1
<3132> マクニカHD 37.8 17122 12427 43.7 51000 35487 6.2
<9090> AZ丸和HD 37.4 3723 2710 26.1 11522 9139 32.6
<6951> 日電子 33.2 8237 6186 41.0 23000 16313 12.6
<7202> いすゞ 27.2 84815 66684 17.6 245000 208406 9.2
<3088> マツキヨココ 24.2 21196 17072 38.4 62100 44881 24.7
<6707> サンケン 23.3 8914 7227 67.9 23000 13700 35.2
<5471> 大同特鋼 17.6 15002 12753 16.9 46000 39366 6.9
<2875> 東洋水 17.0 13579 11605 13.7 44000 38697 18.8
<6361> 荏原 16.8 26932 23050 2.5 71200 69481 10.3 *
<3092> ZOZO 16.3 17439 14997 11.2 55200 49655 23.5
<8111> ゴルドウイン 15.9 14472 12491 29.2 26200 20285 27.0
<7780> メニコン 15.4 3814 3306 11.4 11200 10055 29.5
<4527> ロート 15.3 11577 10042 13.5 33000 29084 25.2
<8279> ヤオコー 13.7 10160 8932 6.1 24700 23290 16.7
<2267> ヤクルト 12.8 26510 23508 15.2 79000 68549 29.8
<9513> Jパワー 11.5 72108 64652 60.0 164000 102476 3.5
<9531> 東ガス 11.1 129646 116697 72.1 325000 188809 4.7
<8425> みずほリース 9.9 12679 11538 27.1 35000 27542 6.9
<6370> 栗田工 9.8 11454 10431 29.7 39000 30079 24.8 *
<9744> メイテック 7.7 4812 4466 22.5 15900 12975 17.7
<9031> 西鉄 7.4 7793 7259 8.1 24400 22580 12.3
<2801> キッコマン 7.1 18181 16979 3.6 56200 54231 30.5 *
<6645> オムロン 6.6 31742 29781 3.0 90000 87388 23.6
<3962> チェンジ 5.8 5049 4773 17.9 6967 5911 38.4 *
<4483> JMDC 5.5 1773 1681 25.4 6000 4785 67.6 *
<9759> NSD 4.5 3330 3188 7.3 12500 11654 19.9
<3003> ヒューリック 3.6 47144 45515 7.1 132000 123222 9.7
<4528> 小野薬 3.3 43360 41978 42.8 150000 105025 12.2 *
<3064> モノタロウ 1.3 6832 6746 21.2 31986 26398 39.7
<5393> ニチアス 0.9 8566 8492 3.0 31500 30572 8.3
<9613> NTTデータ 0.6 62455 62069 6.6 230000 215849 18.4 *
<9719> SCSK 0.6 13419 13339 11.8 54000 48315 16.4 *
※ 2022年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
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