Jトラスト Research Memo(5):2022年12月期は大幅な増収増益決算で、上方修正後の業績予想を達成(3)
■業績動向
3. 財政状況と経営指標
Jトラスト<8508>の2022年12月期末の資産合計は、前期末比505,296百万円増の1,115,927百万円となった。金融事業の成長と事業ポートフォリオの再構築により資産はさらに積み上がり、第2四半期末以降1兆円超を推移している。資産の増加は主に、JTCSBやJTG証券を連結子会社としたことや、銀行業における貸出金が順調に増加したことから、銀行業における貸出金が342,356百万円、現金及び現金同等物が57,312百万円、証券業に関連する資産が27,432百万円それぞれ増加したこと等による。負債合計は、同480,893百万円増の983,578百万円となった。これは主に、JTCSBやJTG証券の連結子会社化に伴い、銀行業における預金が426,792百万円、証券業に関連する負債が25,187百万円それぞれ増加したこと等による。また、資本合計は、同24,402百万円増の132,348百万円となった。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益計上により利益剰余金が12,614百万円、Nexus Bankとの株式交換等により資本剰余金が4,832百万円、海外子会社等の換算差額の増加等によりその他の資本の構成要素が4,153百万円増加したこと等による。
以上の結果、2022年12月期末の親会社所有者帰属持分比率は10.5%(前期末は15.7%)となった。同比率は2017年3月期末の24.2%から低下しているものの、2022年3月期の東証1部銀行業平均の4.49%やその他金融業平均の6.14%を大きく上回る強固な財務基盤を維持している。今後は、利益の積み上げに伴い上昇すると予想される。
2022年12月期のキャッシュ・フローの状況としては、営業活動によるキャッシュ・フローは49,518百万円の収入となった。これは主に、銀行業における貸出金の増加89,032百万円などの資金の減少があった一方で、税引前利益16,995百万円の計上、銀行業における預金の増加額136,491百万円などの資金の増加があったことによる。投資活動によるキャッシュ・フローは9,121百万円の支出となった。これは主に、銀行業における有価証券の売却及び償還による収入24,166百万円、株式交換における子会社の支配獲得による収入20,519百万円などの資金の増加があった一方で、銀行業における有価証券の取得による支出54,501百万円などの資金の減少があったことによる。財務活動によるキャッシュ・フローは7,289百万円の収入であったが、これは主に長期借入金の純増8,560百万円による。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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提供:フィスコ