MRO Research Memo(2):2022年12月期は、サプライチェーン混乱・仕入れ価格高騰などに柔軟対応
■業績動向
MonotaRO<3064>の2022年12月期単体業績は、売上高は前期比18.7%増の216,638百万円、営業利益は同10.4%増の27,085百万円、当期純利益は同7.6%増の19,044百万円となり、前期比で大幅な増収増益となった。期初計画比では売上高計画を達成し着地、営業利益は8.3%超と計画を上振れて着地した。期中にサプライチェーンの混乱や仕入れ価格の高騰など様々な環境変化が発生したが、柔軟に対応し好業績を達成した。
売上高に関して、主力の事業者向けネット通販事業及び購買管理システム事業(大企業連携)においては、顧客数・注文単価ともに順調に推移した。顧客数は前期末比1,227千口座増と堅調に増加した。注文単価の上昇に関しては、主力の製造業をはじめとした需要増や商品単価の値上がり、検索機能向上策や取扱商品点数の拡大(1,800万点から1,900万点へ)、配送リードタイムの短縮などの取り組みが奏功したことも要因と考えられる。2022年12月期は、世界的な外部環境の悪化による欠品や価格高騰の影響が懸念されたが、欠品を回避しつつ価格の調整も柔軟に行うことで業績への影響を軽微に抑制できた。購買管理システム事業(大企業連携)では、連携社数が前期末比で709社増加するとともに、売上高は前期比39.0%増と高い成長となった。
売上総利益率は、前期比0.6ポイント増加の29.4%となった。大企業連携売上比率の増加やPB/輸入商品の粗利率減・売上比率減などにより商品粗利率は減少したものの、1箱当たり注文単価上昇による配送料・諸掛率の減少やロイヤリティ受領額増が上回り、売上総利益率が上昇した。輸入品を中心とした仕入れ価格の上昇に対しては、販売価格変更(キャンペーン期間縮小、値上げ)等により2022年12月期下期の商品粗利率が上期を上回るなど、外部環境への対応も進んだ。販管費率は、前期比で1.6ポイント増加の16.9%となった。これは、2022年4月に稼働を開始した猪名川DC関連費用やOMSの稼働費用など、期初から計画された費用である。結果として、営業利益率は前期比0.9ポイント減少の12.5%となった。計画比では、売上総利益率の改善を主因に0.9ポイント計画を上回っており、順調な進捗となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫
《YI》
提供:フィスコ