TOKAI Research Memo(2):2023年3月期第3四半期は減益となるも、売上高は過去最高を更新
■業績動向
1. 2023年3月期第3四半期累計業績の概要
TOKAIホールディングス<3167>の2023年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比9.9%増の164,249百万円、営業利益で同8.5%減の8,466百万円、経常利益で同28.1%減の6,705百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同39.2%減の2,816百万円となった。
売上高は継続取引顧客件数の増加に加えて、エネルギーの仕入価格に連動した販売価格の上昇、法人向け情報通信事業の拡大等により2期連続で増収、過去最高を更新した。2023年3月期第3四半期末における継続取引顧客件数は前期末比64千件増の3,258千件となり、前年同期の純増数43千件を上回るペースで増加した。営業利益は、LPガスの仕入価格高騰の影響やコンシューマー向け情報通信事業における顧客獲得費用の増加等により減益となった。ただ、会社計画に対してはエネルギー事業を中心に売上高で約38億円、営業利益で約10億上回ったものと見られる。
経常利益が大幅減益となったのは、2023年3月期第2四半期にベトナムでLPガス販売事業を行う持分法適用関連会社※1に係るのれんの減損損失1,746百万円を計上したことなどにより、持分法投資損失が前年同期比で1,823百万円増加したことが主因だ。また、特別利益として投資有価証券売却益103百万円や負ののれん発生益51百万円※2等を計上した一方、特別損失として固定資産除却損592百万円、特別調査費用312百万円を計上した。
※1 2020年6月にベトナムの大手LPガス販売事業者の一角であるPETRO CENTER CORPORATIONの子会社であるMIEN TRUNG GAS JOINT STOCK COMPANY(LPガス卸売事業)及びV-GAS PETROLEUM CORPORATION(LPガス卸売業、容器製造業)に各45%出資した(出資額約21億円)。
※2 2022年10月に株式取得(出資比率70%)により子会社化した沖縄ケーブルネットワーク(株)に係る負ののれん発生益。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SI》
提供:フィスコ