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4413 ボードルア

東証G
4,955円
前日比
-25
-0.50%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
48.3 12.68
時価総額 794億円
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ボードルア Research Memo(7):2023年2月期は売上高・営業利益ともに順調に推移(2)


■今後の見通し

2. 成長戦略
ボードルア<4413>は、1)先端技術分野への注力、2)エンタープライズ顧客の拡大と深耕、3)高度専門人材育成を通じた競争力強化の3つに柱を置き、さらなる成長を目指している。

(1) 先端技術分野への注力
3Gや4G、そして近年の5Gとより高度な通信インフラが整備されるたびに社会や経済に大きな影響が表れると言われる。2000年代に登場した3Gにより、情報伝達の発達により人々の活動の生産性が向上した。2010年代に登場した4Gは情報の加工・処理の発達につながり、産業の生産性が向上した。2020年代に入り登場した5Gは、情報・知識・モノの制御の発達により社会・経済全体の生産性が一段と向上し、今後は人々の生活に必要なウェルネス(医療・介護・健康)、モビリティ(物流・交通)、セキュリティ(防災・安心安全)、くらし(労働・消費・教育)、まち(都市・コミュニティ)などに経済的・社会的効果は及んできた。

従来のIoTデバイスであるスマートフォンやPCなどのインターネット接続端末に加え、家電、自動車、ビル、工場など様々なモノがインターネットへつながるようになり、その数は爆発的に増加している。IoTデバイスの中で大きな比率を占めるスマートフォンやPCの市場が普及率の拡大から成熟に向かう一方で、コネクテッドカー(通信機能が搭載された自動車)や通信機能が搭載された工場オートメーション機器など産業機器におけるIoT化は着実に進んでいる。

こうした5GやIoTの進展により先端技術分野は、より高度な技術が登場するたびに市場は拡大するため、同社は、従来のITインフラのみならず、ワイヤレス、ロードバランサー、ネットワーク仮想化、クラウド、ITセキュリティといった先端技術分野にも注力し、積極的な受注活動を行う戦略である。

同社の先端技術分野における売上高比率(2つ以上の分野の重複売上も含む)ではクラウドサービスの28%に次いで、ロードバランサーが21%、ワイヤレスが16%、ITセキュリティが14%、ネットワーク仮想化が11%と並ぶ。先端技術分野におけるサービスは、クラウド上にセキュリティやロードバランサーを構築する等、技術を単一で導入するより組み合わせて提供するサービスが多いため、当面はクラウドをベースにワイヤレス、ITセキュリティ、ロードバランサー、ネットワーク仮想化などの分野に注力する予定である。

(2) エンタープライズ顧客の拡大と深耕
エンタープライズ顧客とエンタープライズ顧客以外の企業である「SMB(スモールミッドサイズビジネス)企業」の2セグメントに分類し、それぞれのニーズに即したソリューションを提供している。

2023年2月期第3四半期のエンタープライズ顧客の売上高の割合は66.3%で同社の大部分を占めている。2022年2月期の63.6%より2.7ポイント上昇した。また、エンタープライズ顧客の社数は2023年2月期第3四半期末に前期末2社増の24社、1社当たりの平均売上高も2023年2月期第3四半期では前年同期比14百万円増の96百万円となった。

ITインフラストラクチャ市場はIT技術の進化に伴い、企業分野ごとに専門性が高まり、システムへの投資は今後も拡大すると同社は見ている。特にエンタープライズ顧客においては、1社当たり平均売上が大きくなる傾向が見られる。今後もエンタープライズ顧客との取引を拡大させ、案件規模の拡大とストックビジネスの積み上げを図る。

(3) 高度専門人材育成を通じた競争力強化
1) 人材教育
ITインフラストラクチャ分野のサービスでは、高度な専門性を持った技術力が求められるが、この技術力を維持し強化するためには継続的な従業員教育が極めて重要となる。同社では、効率的な人材の育成と継続的な教育を重要な経営戦略と位置付け、2014年に新卒採用を開始し、人材教育の知識とノウハウを蓄積している。

同社は、キャリア人材の募集・採用よりも、IT未経験者からITインフラストラクチャという狭い領域で技術力を積み上げて育てていくことに重点を置く方が、将来的に専門人材や高度専門人材の増加数が読みやすく、売上高・営業利益等の成長戦略を練りやすいと考えている。そのため、未経験者のみの採用を行っている。

2) 競争力強化策
同社は、社員を業務改善・顧客調整・指導育成などを含むゼネラリストとしての総合力をメンバー・サブリーダー・リーダー・マネージャー・ゼネラルマネージャーの5段階のクラス、加えて、知識・経験・スキルなどのプレイヤーとしての技術力をビギナー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパート・マスターの5段階のグレードにそれぞれ分ける人事評価をしている。

同社は、専門人材及び高度専用人材の人数を主要KPIの1つとして注視しており、2023年2月期第3四半期には専門人材237名(前期末比63名増)、高度専門人材132名(同23名増)となった。同社における「専門人材」は、同社の人事評価上のクラス評価がサブリーダー以上またはグレード評価がアソシエイト以上で、CCNP資格を保有する者(高度専門人材を除く)と定義している。「高度専門人材」は、クラス評価がリーダー以上またはグレード評価がプロフェッショナル以上の社員で、ITコンサルタントやシステムアーキテクト、クラウドやセキュリティなどの先端技術者、ブリッジSEやプロジェクトマネジメントを行うプロジェクト管理者、高度プロジェクトや上流工程に携わるテクニカルスペシャリストとしている。

教育プログラムとして、年2回行う資格取得イベントで、定期的に資格取得強化期間を設け資格取得を促し、資格保有者である有識者がマンツーマンで研修を行い各社員知識の習得に努める「資格取得マラソン」及び、資格取得で得た知識や業務で必要とされる知識の理解を深めるための実技演習プログラムで、社内における有識者とマンツーマン体制で実機を用いてシステムを構築する演習を行う「ボードルアカレッジ」などがある。加えて、技術推進委員会やリーダー研修、優秀者表彰制度などがあり、競争力を高め、モチベーションを維持する仕組みも整えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《SI》

 提供:フィスコ

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