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3021 パシフィックネット

東証S
1,272円
前日比
-19
-1.47%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.0 2.28 3.69
時価総額 68.6億円
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PCNET Research Memo(6):ITサブスクリプション事業の年平均成長率は34.1%


■業績動向

3. セグメント別業績
(1) ITサブスクリプション事業
ITサブスクリプション事業は成長率が高く、市場規模も大きいほか、ストック収益化や持続的成長が可能であると言える。個人向けと異なり、法人向けPC市場はサブスクリプション・リース・購入といった保有形態があるが、サブスクリプション型の比率が年々拡大している。パシフィックネット<3021>のサブスクリプションは故障対応などのPC管理といった保守サービスを含んでいるほか、中途解約は月単位で可能、さらに経理処理はオフバランスで費用も平準化されるため、企業にとってはメリットが大きく、利用が拡大している。同事業はコロナ禍でも着実に成長し、2019年5月期から当四半期までの年平均成長率は34.1%となっている。今後はPC更新拡大期に入ることから、成長率は一段と上昇する可能性が高いと弊社では考えている。

2023年5月期第2四半期の売上高は2,233百万円(前年同期比37.5%増)、セグメント利益は283百万円(同35.4%増)となった。好調な受注が売上高に順次計上された結果、サブスクリプションの売上高が拡大した。サブスクリプションの受注金額も好調に推移している。さらに、2023年5月期からサブスクリプション終了品が増加するとともに、一部在庫を売却してサブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産)の世代交代と適正化を図った。サブスクリプション終了品は高スペック製品であるため、資産稼働率が改善し収益性が向上した。コスト面では、重要な成長機会に向けて投資(サブスクリプション資産の継続取得、東京テクニカルセンターへの設備投資、IT人材の積極採用、デジタル化投資等)を行い、先行コストは引き続き増加したものの、サブスクリプション資産の稼働率が向上したこと等により、先行投資による増加コストをカバーした。なお、2023年5月期からサブスクリプション資産の耐用年数を変更している。これは、新基幹システム稼働により分析能力が向上し、長期サブスクリプションの拡大による経済的使用可能期間が長期化傾向にあることが確認されたためである。

(2) ITAD事業
ITAD事業は規模ではなく、収益性の向上や環境変化への対応力強化を現状は事業方針としているため、これに向けた収益構造の改革を実施している。2023年5月期第2四半期の売上高は969百万円(前年同期比3.3%増)、セグメント利益は207百万円(同20.8%減)となった。新型コロナウイルスオミクロン株の感染再拡大、国内の新規PC出荷台数の減少の影響により、法人・官公庁からの使用済みPCの排出は本格回復には至らず、使用済みのIT機器の回収台数は前年同期比で減少した。また、大部分を占める低スペック品については、大口受け入れ先である中国のゼロコロナ政策によるロックダウンの影響で国内の在庫が滞留し、国内の市場価格も下落した。一方で、高スペック品であるサブスクリプション終了品が増加し、優良リユース品として「PCNET Auction」を中心に販売を行い、売上に寄与した。なお、2022年11月より開始した「排出管理BPOサービス」はいくつかの大企業との商談が進んでおり、期待は大きいと弊社では考えている。

(3) コミュニケーション・デバイス事業
コミュニケーション・デバイス事業は、ワイヤレスガイド機「イヤホンガイド(R)」の製造販売・レンタル・保守・メンテナンスを手掛けている。「イヤホンガイド(R)」は送信機と受信機からなる小型無線機で、通常では案内が難しい環境でも快適に内容を伝え聞くことができ、観光業界で利用されるワイヤレスガイドでは90%以上の圧倒的シェアを有する。2023年5月期第2四半期の売上高は77百万円(前年同期比127.4%増)、セグメント損失は14百万円(前年同期は35百万円の損失)となった。日本の水際対策の緩和が段階的に進み、行動制限・入国制限の撤廃や観光支援策が実施されるなど、回復への動きが鮮明となった。コロナ禍以前に主力であった海外旅行市場は本格的な回復に至っていないものの、国内の観光需要の開拓及び大規模工場見学など旅行分野以外への営業を進めた結果、業績は前年同期比で改善した。上期は保守・レンタル・小口販売が中心だったが、足元では大口販売の商談も増えており、下期には販売売上が増加すると同社では想定している。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《NS》

 提供:フィスコ

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