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9560 プログリット

東証G
1,147円
前日比
+11
+0.97%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.3 8.01 1.57 19.10
時価総額 143億円

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プログリット Research Memo(3):顧客ニーズに答えるオーダーメイド型の英語コーチングサービスに定評(1)


■事業概要

1. 事業内容
プログリット<9560>は英語コーチングサービス「プログリット(PROGRIT)」とサブスクリプション型英語学習サービス「シャドテン」を提供している。事業コンセプトは「人×テクノロジー」 としており、英語学習に革新を起こすべく、人の力とテクノロジーの力を融合させた科学的根拠のある英語学習の提供である。顧客の学習目標を達成させるための、サービスを開発・提供する過程においてテクノロジーを用いることで、学習内容の充実と効率化を向上させている。従来の英語学習は教師と生徒が教室で講義を受けたり、英会話を通して学習を行う形式だった。配布資料や本、紙やペンを用いて標準化された学習内容に取り組むことで、学習が進められていた。今日では、ノートパソコン、タブレットといった情報端末を多くの学生や社会人が所有して使用しており、これらのテクノロジーが講義や従来学習の在り方を変換している。それらの情報端末を携帯できる利便さは、従来の教材と比較した場合はいうまでもなく、さまざまな学習用途で効率を向上させる。同社もこの変化の流れを汲んでおり、全てのサービス開発・提供における様々な目的に応じてテクノロジーが用いられる。学習アプリを自社で開発しそこで得た受講生の学習データを取得し、分析することでデータドリブンで正しい学習方法を見つけることなどに活用されている。他にも、受講者の個別データをベースにスケジュール管理、週次の面談・相談、英語の添削、などに活用されている。

(1) プログリット(PROGRIT)
顧客の英語力を短期間で確実に向上させる価値を提供するサービスである。サービスの月単価は15~20万円(入会金除く)ほどである。サービス内容は個別にある顧客ニーズを満たすべく、カスタマイゼーションされているところが特徴である。具体的には、英語学習者一人ひとりにとって、最適な学習方法の選択と学習継続支援がパッケージ化がされ、学習者に専任コンサルタントがつき、学習の仕方から生活習慣の改善まで指導を行う。受講者が英語学習を行う際に求めている英語のレベル、使用環境、使用目的などは違うため、最初に、学習目的と学習状況がヒアリングされる。それらの状況をふまえたうえでコンサルタントによる、学習時間・教材・学習方法等、さまざまな要素がブレンドされた「オーダーメイドの学習方法」が提案される。学習者一人ひとりに合ったオーダーメイド学習プランは学習意欲を向上させ、その人の能力を効率的に向上させることができるためだ。さらに、学習者のパフォーマンスを評価する際に、実施した学習プランが学習成果に与える影響もモニタリングされる。これにより学習が進むにつれて、学習デザイン指導のパーソナライズがさらに最適化され、学習者の自律性・エンゲージメント・効率性を向上させることができる仕組みである。

英語コーチングサービスは4つのコースとの4つの料金プランがある。「ビジネス英会話」「TOEIC L&R TESTコース」「初級者コース」「TOEFL iBT TEST/IELTSコース」の4つのコースである。顧客は入会金と各コースの受講期間に応じた料金を支払う体系となっている。顧客層の多くはビジネスパーソンとなっており、仕事上の実務や資格取得のような目的で利用されることが多く、実際の費用対効果が認められ、それを短期的に求める顧客層がメインである。このプログラムの完遂率は96%となっている。

(2) シャドテン(SHADOTEN)
シャドテンはプログリットを卒業されたお客様向けに当初提供していた継続コースである「シャドーイング添削コース」を一般向けに提供したサービスである。商品名はシャドーイング添削の略である。シャドーイングは、音声で聞いた英語を再現し、表現しようとする、プロの同時通訳者のトレーニングとして使われている手法である。シャドーイングと呼ばれるのは、学習者が文章を聞いてすぐに発声するのではなく、その文章が発声されてから少し遅れて影(シャドー)のように模倣して表現を再現するためである。英語を聞くことと発音することを同時に行う難易度の高い練習方法でもある。この練習方法をだれでもできるようにしたサービスがシャドテンである。シャドテンの売上高は使用するユーザー数が増えるごとに積みあがるため、同社の受講者数の増加に伴い売上高が増加する傾向がある。

(3) コンサルタント
コンサルタント(コーチングスタッフ)数は非開示であるものの、有価証券報告書より、2022年8月時点で校舎マネージャーを含む校舎専属スタッフが合計84名在籍していることが読み取れる。コンサルタントの質は同社の高いサービスの品質を左右し、事業成長の基盤になる。そのため、厳しい採用基準で選別されている。コンサルタントの採用募集は既存コンサルタントのリファラル採用、採用メディアへの出向、Wantedlyや自社採用サイトでの記事の充実、ミートアップ開催など、幅広く行われる。その中で、 コンサルタントとして業務を行うに必要な英語力はもちろんのこと、コンサルタントとして顧客の目標達成のために必要なアドバイスを躊躇なく伝えられるような、本質的に高いコミュニケーション能力が備えられているか考慮される。加えて、同社のサービスは英語そのものを教えるのではなく、学習の仕方やタイムマネジメントに関するコンサルティングの要素も含まれているため、論理的思考も求められる。また、同社が事業運営を行ううえで重視している価値観「FIVE GRIT」を体現できる人材であることも重要な要素である。これらの要素を備えている人材を配置しているため、応募者の採用率は0.88%と低く、少数精鋭のコンサルタントである。全員が正社員としての採用である点も特徴的である。また、コンサルタントの品質を維持する取り組みもされている。この取り組みは、組織全体で学ぶ仕組みが構築されている。コンサルタントのベストプラクティス「BPS」の共有、顧客対応などでコンサルタントが抱える課題に対して仲間のコンサルタントがアドバイスをする 「CS アップ」、顧客からのアンケートをもとに改善活動を実施、コーチングスキルを身につけるための研修を実施するなどである。コンサルタントの教育と管理も徹底されているため、コーチングサービスは全コンサルタントが高品質を維持できる仕組となっている。 今年度、拡大する事業に対応すべくコンサルタントの数を30名採用することを計画している。同社のコーチングサービスは受講者が申し込みを行ってから平均2ヶ月の受講待ちの状態となっているところに対応を進める。コンサルタントの増員分は売上高の増加に直接寄与することとなる。

(4) 顧客獲得について
同社は新規顧客の獲得を継続する必要がある。利用者は一定のレベル以上に英語のスキルが身についた後は、新しい目標設定をしなおして学習を継続するか、もしくは卒業をしていく。平均受講期間としては4~5ヶ月ある。新規の顧客獲得にはWeb マーケティングが用いられる。リスティング広告、SNS広告、YouTube動画への配信を行い、日本全国の顧客層を対象にサービスが紹介される。これら見込み客にとってサービスを利用する価値のあるコンテンツを流すことによって、新規顧客獲得を目指している。幅広く同社のサービスを潜在顧客に紹介するため、人気ユーチューバーであり、英語学習に役に立つ情報を配信している「Atsueigo」、海外リーグで活躍するサッカー選手の本田圭佑氏とコラボレーションを行い、上質なコンテンツを配信し続けている。このようなタイアップはプログリットサービスの実績とブランドイメージのシナジー効果が上がり、サービスの信頼感獲得が期待できる。また、Web マーケティングであれば、それを行うことによって実際にどれぐらいの効果を得られたかを判定することが数字によって確認できるため、同社はプロモーション効果を測定し、広告を打ったことにより自社サイトへのアクセス数や各ページの滞在時間といった情報を分析する。これらの数字データが新規顧客獲得のKPIとなり、これらを向上させる目的でマーケティングの実行と分析が繰り返される。それら一連のサイクルにより改善点を明確にして、施策の展開もその都度最適な方法にする。これらが、今後の新規顧客獲得の拡大につながっていく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)

《NS》

 提供:フィスコ

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