ティアンドエス Research Memo(7):2023年11月期も最高収益の更新を見込む
■業績動向
5. 2023年11月期の業績見通し
ティアンドエス<4055>の2023年11月期の業績は、売上高で前期比13.6%増の3,700百万円、営業利益で同13.3%増の700百万円、経常利益で同12.3%増の703百万円、当期純利益で同12.5%増の495百万円と、2022年11月期に引き続き、過去最高収益を更新する見通しだ。IT化やDXが進むなかで顧客企業のIT投資が順調に推移することなどを背景に、すべてのカテゴリーが好調を維持することを見込んでいる。
売上高に関しては、2022年11月期第4四半期の売上高を4倍した水準を想定しており、業績予想達成の確度は高いと弊社は考える。利益に関して、2022年11月期と比べで営業利益の伸びが縮小しているのは、人材への投資を積極化することが要因である。エンジニアの新規採用と社内教育体制を強化し、顧客からの旺盛な引き合いに応えることができる人材リソースを構築する構えである。それでも、案件ごとの採算性の向上などの各種努力によって、営業利益率は、19.0%と高い水準を見込んでいる。人材への投資を厚くすることにより、将来の成長加速に向けた土台が整うことが期待される。
(1) ソリューションカテゴリー
同社の主要顧客である東芝グループ、日立グループ、キオクシアグループからのシステム開発案件が引き続き堅調に推移することを見込んでいる。特に、日立グループからの受注が好調に推移することが見込まれる。同グループは、コロナ禍から社会活動が段階的に回復してくるなかで、出社頻度を増やしており、IT投資がより活発化することが見込まれているためだ。その他、キオクシアグループに導入されている生産管理システムのリプレース案件が2023年11月期の業績にも貢献してくることが想定される。また、2022年7月に開設した熊本事業所も業績予想達成に向けたプラス材料だ。
(2) 半導体カテゴリー
好調な半導体市場を背景に、顧客の工場増設が続いており、エンジニアの派遣が引き続き拡大することが見込まれている。足元では半導体工場における生産調整などの動きはあるものの、半導体工場における保守・運用サービスに対する需要は堅調に推移することが想定される。
(3) 先進技術ソリューションカテゴリー
大手メーカーからのディープラーニング技術に関するAI案件、及び画像処理アルゴリズム開発案件が引き続き拡大することを見込んでいる。AI関連の研究開発支援サービスの継続受注や新規受注が伸長し、全体の売上高に占める先進技術ソリューションカテゴリーの割合が拡大することを見込んでいる。総じて、付加価値型ビジネスモデルへの転換が、2023年11月期も順調に進むと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
《SI》
提供:フィスコ