オンコリスバイオファーマ---22年12月期は2ケタ増収、経営の効率化及び積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開
オンコリスバイオファーマ<4588>は10日、2022年12月期決算を発表した。売上高が前期比51.9%増の9.76億円、営業損失が12.04億円(前期は14.54億円の損失)、経常損失が11.63億円(同15.00億円)、当期純損失が11.48億円(同16.15億円の損失)となった。
同社は「未来のがん治療にパワーを与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくこと」をビジョンとし、経営の効率化及び積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開した。特に、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進させている。また、核酸系逆転写酵素阻害剤OBP-601(censavudine)は、Transposon Therapeutics, Inc.とのライセンス契約の下、同社の全額費用負担により臨床試験が進められている。
がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301,国際一般名称:suratadenoturev)に関する活動については、現在、日本国内で再生医療等製品の「先駆け審査指定」を受け、「放射線併用による食道がんPhase2臨床試験」の症例組み入れが完了され、2024年に国内承認申請を行う計画となっている。また、製造面では、商用製造スケールでのウイルス製造開発が進められ、PMDAとの承認申請に向けた話し合いが行われている。一方、ビジネス面では、同社独自での製造販売体制を構築するための準備が開始されるとともに、販売提携先となる内資及び外資の複数の候補企業と、アライアンスに向けたデューデリジェンスや条件交渉を開始している。また、免疫チェックポイント阻害剤を販売する海外大手製薬会社と米国でのテロメライシンの共同開発を目的とした協議が進められている。
核酸系逆転写酵素阻害剤OBP-601(censavudine)に関する活動については、ブラウン大学(米国)の研究によってOBP-601の脳内移行性が他の逆転写酵素阻害剤と比較して高く、神経難病の原因となっているレトロトランスポゾンの発現をOBP-601が抑制したという現象に注目したTransposon社との間で、2020年6月に難治性神経疾患領域を主な対象とした総額3億ドル超の新規ライセンス契約を締結し、同年11月にTransposon社は第1回マイルストーンを達成した。現在、Transposon社によって「進行性核上性麻痺(PSP:Progressive Supranuclear Palsy)」と「筋萎縮性側索硬化症(C9-ALS:C9-Amyotrophic Lateral Sclerosis)及び前頭側頭型認知症(FTD:Frontotemporal Degeneration)」を対象とした二重盲検法による2つのPhase2a臨床試験が、欧米にて多施設で進められている。
《NS》
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